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人権

基本的な考え方

当社は「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念の実現を目指すうえで、人権の尊重が重要な社会的責任であると認識しています。企業として求められる責任を果たすため、「国連グローバル・ コンパクト」や国連「ビジネスと人権に関する指導原則」等も踏まえ、下記のとおり「かんぽ生命保険人権方針」を策定しています(2019 年策定、2023年8月改正) 。
当社は、すべての人々の人権を尊重し、また、当社および日本郵政グループの事業活動や社会活動を通じて、人権尊重に 向けた取り組みを推進することで、安心・安全で豊かな社会の実現に貢献していきます。

人権方針

当社では、人種、肌の色、性別、性的指向、性自認、言語、宗教、政治、信条、国籍、民族、年齢、社会的出自、貧富、出生、障がいなどを理由としたいかなる差別行為も容認しないことを、人権方針に定めています。本方針では、当社で働く役員および従業員に加え、お客さまやサプライヤー、投融資先等を含むすべてのステークホルダーに対して、人権を尊重することを期待しています。

かんぽ生命保険人権方針

  1. 人権尊重へのコミットメント
     株式会社かんぽ生命保険(以下「当社」といいます。)は、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念の実現を目指す上で、人権の尊重が重要な社会的責任であるとの認識に立ち、当社役員および従業員、並びにお客さま、取引先企業等の全ての人々の人権を尊重します。また、当社および日本郵政グループの事業活動や社会活動を通じて、人権尊重に向けた取り組みを推進することで、安心・安全で豊かな社会の実現に貢献してまいります。
  2. 国際規範の尊重
     当社は、国連グローバル・コンパクト署名企業として、事業活動を行う地域で適用される法律を遵守するとともに、人権に関しては、「国際人権章典」や「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関宣言」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を尊重します。また、国や地域の法令等が国際的に認められた人権規範と相反する場合は、それぞれの法令等を遵守しつつ、国際的な人権規範を尊重するための方法を追求してまいります。
  3. 適用範囲
     本方針は、当社の役員および従業員に適用されます。当社の役員および従業員は、お客さまの立場に立った企業活動を行うことにより、お客さまとのよりよい関係づくりに努めます。また、当社は、お客さま、投融資先、サプライヤー等を含むすべてのステークホルダーに対しても、本方針に基づき、同様に人権の尊重を期待します。
  4. 人権尊重への取り組み
     当社は、人種、肌の色、性別、性的指向、性自認、言語、宗教、政治、信条、国籍、民族、年齢、社会的出自、貧富、出生、障がい等の事由いかんを問わず差別をしません。また、強制労働や児童労働、人身売買等の人権侵害を容認しません。当社は、いかなる人権侵害にも直接的に関与しないことに加え、間接的にも加担しないように努めます。
  5. 当社の役員および従業員に対して
     当社は、当社で働く役員および従業員一人ひとりの人権を尊重し、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメント等の各種ハラスメント、いじめ、差別的偏見に基づく言動等のない安全で働きやすい職場環境を確保します。また、結社の自由や団体交渉権を尊重するとともに、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、従業員一人ひとりに平等に働く機会と公平な成長機会を提供します。さらに、役員および従業員一人ひとりが心身ともに健康を増進することで、活き活きと働けるよう支援します。採用の際には、公正な選考に取り組みます。
  6. お客さまに対して
     当社は、全国の郵便局ネットワークやデジタルサービス等を通じた保険商品やサービスの提供にあたり人権への負の影響を防止・軽減するとともに、プライバシー保護(情報管理)やマネー・ローンダリングへの関与の防止等の強化に努め、「安心・安全」な金融サービスを提供します。また、お客さまや若年層の金融リテラシー向上に取り組み、お客さまが金融サービスを適切にご利用いただけるように努めます。
  7. 投融資先に対して
     当社は、投融資を通じ社会的責任を果たすという観点から、投融資の判断や、投融資企業等との対話などのスチュワードシップ活動において、人権を尊重する取り組みを行います。
  8. サプライヤーに対して
     当社は、人権尊重等を定めたガイドライン等の遵守をサプライヤーに要請し、サプライチェーン全体で、人権課題への取り組みを推進します。
  9. 地域社会に対して
     当社は、事業活動が影響を及ぼす地域のみなさまの人権を尊重するよう努めます。
  10. 人権デュー・ディリジェンス、救済窓口
     当社は、事業活動を通じて人権の負の影響を防止・軽減するため、人権デュー・ディリジェンスを適切に実施します。また、様々なステークホルダーから人権に関する相談を受け付ける体制の整備に継続的に取り組みます。これらを通じて、当社が人権への負の影響に関与していることが判明した場合は適切に対応します。
  11. 教育・啓発
     当社は、人権尊重の責任を果たすため、同和問題(部落差別)を含む人権問題に対する教育・啓発活動の推進と活性化に取り組み、役員および従業員一人ひとりが人権尊重への認識と理解を深め、人権への負の影響の回避・低減に努めます。
  12. 情報開示
     当社は、人権尊重の取り組みについて、ウェブサイトやディスクロージャー資料等において開示します。
  13. ガバナンス
      当社は、本方針の策定にあたり、ステークホルダーからの意見も踏まえるとともに、経営会議において協議の上、決定しています。また、本方針に基づく取組状況は、経営会議や取締役会に報告するとともに、その内容は、ビジネス環境の変化やステークホルダーとの対話等を踏まえ、随時見直していきます。

2023年8月25日
株式会社かんぽ生命保険
取締役兼代表執行役社長
谷垣邦夫

人権尊重の推進体制

人事戦略部担当執行役を委員長とする「働き方改革委員会」において、その主要項目のひとつとして会社における人権啓発に向けた諸施策の検討などを行っています。加えて、各組織の「人権啓発総括責任者」および「人権啓発担当」が、人権啓発施策の推進および人権に関する諸課題への対応などを行っています。

人権啓発に関する推進体制図

また、人権デュー・ディリジェンスの取り組みについては、サステナビリティ推進部担当執行役を委員長とする「サステナビリティ委員会」に報告を行っているほか、重要な内容は経営会議や取締役会にも報告しています。なお、取り組みの推進にあたっては、外部有識者の意見も参考にしています。

人権デュー・ディリジェンス

国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の枠組みや国内外のガイドライン等に基づき、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを開始しています。
これは、企業活動における人権への負の影響を防止・軽減していくための継続的なプロセスであり、社外の専門家の意見も踏まえながら、定期的に実施していくことで、人権の尊重と持続的な事業の実現に努めます。

人権デュー・ディリジェンスのプロセス(4つのSTEP)

人権に対する負の影響の特定・評価

当社の役員および従業員に対してのみでなく、お客さまやサプライヤー、投融資先に対して発生し得る人権への負の影響について課題の洗出しを進めています。

ステークホルダー 想定される重要な課題の例
従業員 ハラスメント、ジェンダー(社会的性差)への対応・女性の権利の侵害、労働条件・環境の未整備、結社の自由の侵害、プライバシーの侵害
お客さま 消費者の安全・知る権利の侵害、個人情報管理
サプライヤー 児童労働、強制労働、人身売買、労働条件・環境の未整備
投融資先 児童労働、強制労働、人身売買、労働条件・環境の未整備、地域住民・先住民族の権利の侵害
  1. 「差別の禁止」は全てのステークホルダーにおける重要な課題と認識しています。
  2. 上表は人権課題の特定を進めていくの課題の例であり、今後対応していく人権デュー・ディリジェンスの取り組みを通じて、課題を特定してまいります。

2023年度の取り組みとして、具体的には、各種国際規範やガイドライン、保険業界における問題発生状況等を参考に、各ステークホルダーごとに「考慮すべき人権リスク」を絞り込みをしたうえで、それぞれについて評価を進めており、今後とも、継続的に実施していきます。

従業員

・外部機関の評価基準などを参考に外部検証を受け作成したアセスメントシートを用いて全社的に調査を実施しました。

・影響深刻度、発生可能性の二軸で評価した結果、ハラスメントと労働安全衛生を重点人権リスクとして特定しました。

お客さま

・過去3年分のお客さまの声から「考慮すべき人権リスク」に関連するキーワードを用いて関連情報を抽出し評価しました。

・直ちに深刻な人権侵害とされる事例はなかったものの、情報管理等においてリスクがあると認識しています。

サプライヤー

・取引金額や取引内容を踏まえ選定したサプライヤーに対し、人権への取り組み状況についてアンケートを実施しました。

・集計したアンケート結果を踏まえ、直接的な問題は発生していないものの、児童労働やサプライヤー管理等に関しさらに態勢整備を促す必要があると認識しました。

投融資先

・各種指針等を参考に、潜在的に人権リスクが高いと考えられる業種を中心に、当社の投融資ポートフォリオにおいて 、考慮すべき人権課題の状況を確認しています。

負の影響の停止・防止・軽減

人権に関する負の影響を軽減するための主な取り組み例は以下のとおりです。今後も実効性の評価等を踏まえ、適宜見直し等を行っていきます。

従業員

●ハラスメントの根絶に向けた取り組み

「ハラスメントの禁止」を就業規則に規定するとともに、ハラスメントを未然に防ぐための啓発・研修を行っており、役員・幹部社員、管理者、新入社員などの各種階層別研修のほか、全社員を対象とした映像研修、eラーニング研修、職場での勉強会およびハラスメント相談員に対する相談対応力向上のための研修を実施しています。また、ハラスメントが発生した場合に、被害者が安心して 相談できるよう相談窓口を設置しています。なお、法令や社内規程等に違反する行為が判明した場合、違反者は懲戒規程等に基づき、懲戒解雇を含む懲戒処分の対象とするなど、厳正に対処するとともに、再発防止に向けた取り組みを行います。

●労働安全衛生の取り組み

「日本郵政グループ安全衛生方針」のもと、社員の安全の確保、健康維持・増進に取り組んでいます。社員数50人以上の事業場 においては、安全衛生委員会を毎月開催し、労働災害の防止、時間外労働の状況、各種健康課題などを審議しています。また、安全衛生に関する研修等を実施のほか、社員の健康保持・増進のため社内外に健康相談窓口を設置しています。労働災害等が発生した場合は、所定の報告に加え、原因を分析し改善策の検討・周知などを通じて再発防止に努めています。労働時間削減の取り組みに関しては、各事業場における労働時間を適正に管理するとともに、業務の効率化や働き方改革による時間外労働削減に向けた取り組みを実施しています。

●ダイバーシティ推進に向けた取り組み

※ 従業員に対する軽減策 実施拠点:全社(本社、エリア本部13ヶ所、支店82ヶ所、かんぽサービス部623ヶ所、サービスセンター5ヶ所(2024年3月末時点))

お客さま

●プライバシーの保護(情報管理)

個人情報保護に関する基本方針(プライバシーポリシー)を定め、個人情報の適切な保護と取り扱いを行っています。

●契約手続時等の対応

障がいのある方などにも安心してお手続きをしていただけるよう、点字や代読・筆談などの対応を行っています。

人権チェックの実施

社外文書や広告宣伝、全社員向けの社内文書等を作成する際に、人権尊重の観点から問題がないか確認することをチェック事項に 含めています。また、必要に応じて、人権専門部署での検証を行い、差別的・不快と感じるような表現が含まれないよう配慮してい ます。

サプライヤー

●サプライチェーン・マネジメント

人権尊重や労働安全衛生などの内容を含む「日本郵政グループCSR調達ガイドライン」を策定し、サプライヤーに求める具体的な 取り組み内容を周知しています。また、サプライヤーとの契約において人権・労働条件・環境保護等のサステナビリティ条項を盛り込むなど、サプライチェーン・マネジメントの強化に取り組んでいます。

サプライヤー向けアンケート

サプライヤー等に対して、人権尊重などの取組状況を回答いただくアンケートを実施し、各種取り組みの推進を促しています。なお、評価結果については説明会を開催しフィードバックを行うとともに、当社の人権方針や人権対応の取り組みの周知も行っています。一部のサプライヤーに対しては、回答内容を踏まえ個別に対話をしています。

投融資先

人権尊重などを考慮した投融資

責任ある機関投資家として、人権に関して投資判断時に考慮するとともに、投融資先との対話において、人権課題等について確認しています。
また、当社は、機関投資家が人権および社会問題に関して行動するための協働スチュワードシップイニシアチブ 「Advance」への賛同を表明しています。

Advanceロゴ

人権啓発研修

役員・幹部社員、全管理者、新入社員などの各種階層別研修のほか、全社員を対象とした動画研修、eラーニング研修、職場での勉強会の実施など、さまざまな機会において人権意識の向上のための取り組みを行っています。

人権啓発研修概要

人権啓発標語の募集

人権週間施策として、毎年、社員および社員の家族から人権啓発標語を募集し、優秀作品をポスターにして、全職場に掲示するなどの取り組みを行っています。また、ハラスメントを撲滅させるという会社の姿勢を示すとともに、社員の人権意識を高め、ハラスメントの防止につなげることを目的にハラスメント防止ポスターを作成し、掲示しています。

ハラスメント防止ポスター・人権啓発標語ポスターのイメージ

全職場に掲示しているハラスメント防止ポスター・人権啓発標語ポスター

人権チェックの実施

社外文書や広告宣伝、全社員向けの社内文書等を作成する際に、人権尊重の観点から問題がないか確認することをチェック事項に含めています。また、必要に応じて、人権専門部署での検証を行い、差別的・不快と感じるような表現が含まれないよう配慮しています。

ハラスメントの根絶に向けた取り組み

特に、職場におけるハラスメント行為は、人権にかかわる問題であり、個人の尊厳を深く傷つけ、被害者の方に取り返しのつかない傷を負わせるだけでなく、周りにも悪影響を及ぼし、職場で働く社員全員の能力発揮を妨げるものと考えています。セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、マタニティハラスメントなどの「ハラスメントの禁止」を就業規則に規定するとともに、ハラスメントを未然に防ぐための啓発・研修を行っています。また、ハラスメントが発生した場合に、被害者が安心して相談できるように相談窓口を設置しています。
なお、法令や社内規程等に違反する行為が判明した場合、違反者は懲戒規程等に基づき、懲戒解雇を含む懲戒処分の対象とするなど、厳正に対処するとともに、再発防止に向けた取り組みを行います。

【参考】

日本郵政グループ 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
ハラスメント件数※1 134 88 108 124※2
  1. ハラスメントに係る懲戒件数
  2. 日本郵政グループ全社員(約37万人)に対する発生率は、約0.03%

注)(集計対象範囲) 日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険

救済・是正措置

人権相談窓口

当社では、職場におけるハラスメントおよびその他の人権に関する相談窓口を設けています。相談員は関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重し、知り得た秘密を厳守し、相談者の意向を優先して対応します。また、相談、協力等を理由に不利益な取り扱いを行うことはありません。
なお、法令や社内規程等に違反する行為が判明した場合、違反者は懲戒規程等に基づき、懲戒解雇を含む懲戒処分の対象とするなど、厳正に対処するとともに、再発防止に向けた取り組みを行います。

(1)職場の人権相談窓口
各職場に、人権関係の相談員を配置し、名前等を掲出しています。

(2)社外相談窓口
社員のさまざまな悩みごとに対して社外の専門家によるカウンセリングサービスを提供しています。

<主な相談対象>

  • セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメント、ハラスメント以外の人権相談

その他の相談窓口

人権相談窓口のほかにも、以下の相談窓口を設置しており、社員から職場環境や業務上の相談などを受け付けています。
下記の「内部通報窓口」は、当社の契約相手先(サプライヤー)からも通報を受け付けています。

  • 内部通報窓口
  • 不適正金融営業通報窓口
  • 日本郵政グループ 社長直通ご意見箱
  • かんぽ目安箱
  • 勤務時間相談室
  • かんぽ女性相談窓口
  • 性自認に関する相談窓口
  • 期間雇用社員等相談窓口
  • 健康情報等取扱相談窓口
  • こころとからだの健康に関する相談窓口
  • かんぽ生命保険トータルカウンセリングプログラム
  • 多重債務相談窓口

サステナビリティ

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