ESG投資方針・推進体制等
当社は、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念のもと、全運用資産を対象としてサステナビリティ(ESG(環境・社会・ガバナンス)要素を含む中長期的な持続可能性)の諸要素を考慮するとともに、広くSDGsの目標達成や社会課題の解決に貢献できる投融資を実施しています。お客さまからお預かりした大切な保険料をもとに、幅広い資産を長期的に運用するユニバーサルオーナー(※)として、すべてのステークホルダーの皆さまに対する社会的責任を果たすとともに、持続可能な社会の実現と長期的な投資成果の向上を目指しています。
- 投資額が大きく、資本市場全体に幅広く分散して運用する機関投資家
◆ 当社のサステナブル投資やスチュワードシップ活動に関するより詳細な取組みについては「責任投資レポート」をご覧ください。
サステナブル投資の重点取り組みテーマ
サステナブル投資における重点取り組みテーマとして「Well-being向上」「地域と社会の発展」「環境保護への貢献」を重視し、かんぽ生命らしい"あたたかさ"の感じられる投資を行っています。
サステナブル投資方針
当社では、「サステナブル投資方針」として、サステナブル投資に対する基本的な考え方を明確化し、サステナビリティ要素を投資プロセスに組み込むことや、サステナビリティ要素を考慮した建設的な対話・株主議決権行使を行うことなどを定め、本方針に従って資産運用を行っています。
気候変動や自然資本、人権、人的資本等のサステナビリティ課題への取り組みの方針については「機関投資家としてのサステナビリティ課題への取り組み」をご覧ください。
責任投資推進体制
当社は、下記の体制のもと、サステナブル投資やスチュワードシップ活動などの責任投資に取り組んでいます。社外有識者を有する責任投資諮問部会ならびにイニシアチブなどへの参加を通じ、社外の視点を十分に活用し、継続的な推進・高度化に取り組んでいます。
※ イニシアチブに係る詳細は「社外からの評価・イニシアチブへの賛同」をご覧ください。
責任投資原則(PRI)署名機関としての取り組み
当社は、2017年10月に責任投資原則(PRI)に署名し、PRIに則ってESG投資を推進するとともに、年1回、その取り組み状況を報告しています。また、報告内容に対するPRIによる評価結果を重要な指針のひとつとして、ESG投資のさらなる高度化に向け取り組んでいます。
<PRI年次評価結果(2023年)>
2023年の年次評価における当社の評価結果は下表のとおりです(対象期間:2022/4~2023/3)。
評価項目 | 評価結果 | |
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ポリシー・ガバナンス・戦略(責任投資に係る方針・体制等) | ★★★★☆ | |
委託運用 (委託運用における運用委託先の選定、指名 及びモニタリング等の取り組みを資産別に評価) |
上場株式(パッシブ) | ★★★★☆ |
上場株式(アクティブ) | ★★★★☆ | |
債券(アクティブ) | ★★★★☆ | |
プライベート・エクイティ | ★★★★☆ | |
不動産 | ★★★★☆ | |
インフラストラクチャー | ★★★★☆ | |
信頼醸成措置(PRIへの報告内容のレビュー・検証等の取り組み) | ★★★★☆ |
※ 評価結果は取組状況により5段階の星数を付与され、「★★★★★(5つ星)」が最高評価となります。
※ 2023年の年次評価においては、当社含むアセットオーナーに対する、自家運用の取り組みの評価は実施されませんでした。
※ 評価結果の詳細については、PRIによる以下のレポートをご覧ください。
イニシアチブへの参画
サステナブル投資やインパクト投資、気候変動対応、人権等の社会課題への対応などに関する目的や問題意識を共有する国内外のイニシアチブ等に参画し、情報収集や意見発信を行うとともに、そこで得られた知見により当社の取り組みを推進・高度化しています。
機関投資家としてのサステナビリティ課題への取り組み
当社は、責任ある機関投資家として、持続可能な社会の実現のため、投資を通じてサステナビリティ課題の解決に資する取り組みを進めています。
社内外の動向を踏まえ、資産運用として重視する以下のテーマを設定し、投融資先企業などへのエンゲージメント(目的を持った対話)において開示の充実や取り組みを働きかけています。
自然資本
人権
人権は、人間の尊厳に関わる普遍的な価値であり、バリュー・チェーンのグローバル化に伴い、資産運用における投資先企業が持つ人権侵害リスクは多様化・複雑化しています。当社は「国連グローバル・コンパクト」、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)、「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関宣言」などの人権保護に関する国際的な指針を尊重し、潜在的に人権リスクが高いと考えられる業種や企業を中心として、投融資先企業の人権方針を含むガバナンス、人権デューデリジェンス、救済システム等を確認しつつ投資判断を行います。また、これら投資先企業との対話を通じて、人権関連リスクへの対応の充実を促します。
"気候変動"に対する取り組み
当社は、サステナブル投資方針に基づき、機関投資家として脱炭素社会実現に資する投融資を積極的に実施し、以下のような取り組みを行っています。
・ESGインテグレーションの実施
・スチュワードシップ活動の実施
・投資ポートフォリオのGHG排出量計測および管理
・社会の脱炭素化に資する投資の推進
取り組みの詳細は、「気候変動への取り組み」をご覧ください。
<参考:機関投資家としての目標>
投資ポートフォリオ全体のGHG排出量の削減 | 投資ポートフォリオの脱炭素化を推進するため、投資ポートフォリオにおけるGHG排出量について、2050年にカーボンニュートラルを目指すとともに、2029年度(2030年3月末)までの中間目標として50%削減(2020年度対比)を設定しています。 |
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再生可能エネルギー施設の総発電出力に係るKPIの設定 | 中期経営計画KPIとして、2021年3月末時点で60万kWであった再生可能エネルギー施設の総発電出力を2026年3月末までに150万kWとすることを目指しています。 |
"自然資本"に対する取り組み
当社は、責任ある機関投資家として、以下のような取り組みを行っています。
・投資判断や投資先企業との対話等において、自然資本や生物多様性を考慮
・投融資活動における「自然関連のリスクと機会」及び「自然への影響と依存」の分析
・機関投資家がスチュワードシップ活動を通じて自然に対するポジティブな影響を生み出すためのイニシアチブである「Spring」にEndorserとして賛同
取り組みの詳細は「生物多様性保全への取り組み」をご覧ください。
"人権"に対する取り組み
当社は、責任ある機関投資家として、以下のような取り組みを行っています。
・投資判断や投資先企業との対話等において、人権を考慮
・機関投資家が人権および社会問題に関して行動するための協働スチュワードシップイニシアチブである「Advance」にEndorserとして賛同
会社としての取り組みの詳細は、「人権」をご覧ください。
<参考:協働スチュワードシップイニシアティブ「Advance」への賛同について>
「Advance」はPRIにより設定された機関投資家が人権および社会問題に関して行動するための協働スチュワードシップイニシアチブです。
今後、責任ある機関投資家として、人権や社会問題に対するポジティブな影響を促進させることを目的に、投資判断やスチュワードシップ活動において人権を考慮した取り組みを進めていきます。
※ かんぽ生命は、AdvanceのEndorserであり、Advanceにおけるいかなるエンゲージメント活動にも参加しておりません。
"人的資本"に対する取り組み
当社は、お客さまから信頼され選ばれる企業になることおよびお客さまに感動いただける保険サービスの提供を通じた持続的な成長の実現に向け「『人的資本経営』3つの基本理念」を制定しています。
また、責任ある機関投資家として、資産運用においても人的資本を考慮し、投資先企業へのエンゲージメント等において人的資本にかかる取り組みおよび関連情報の開示の充実を促しています。
サステナブル投資に関する意見発信・情報発信
当社は社会全体の持続的な成長に寄与するユニバーサル・オーナーとして、サステナブル投資を促進するために当社が重視する事項や要望について、イニシアチブ等を通じた意見発信や政策当局等への働きかけを行うとともに、お客さまをはじめとしたすべてのステークホルダーに向けて、サステナブル投資に関する情報発信を行います。
<意見発信>
外部委員等 |
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政策エンゲージメント・提言 |
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<情報発信>
セミナー等 | 役員・社員のセミナー等への登壇等を通じて、サステナブル投資に関する情報発信をしています。 |
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大学等教育機関での講義の開催 | 次世代を担う金融人材の育成に貢献するため、大学等の教育機関においてサステナブル投資についての講義を実施しています。 サステナブル投資の意義、当社の具体的な取り組みとその成果などについて投資事例を交えながら紹介し、実践的な内容となるよう努めています。 取り組みについては、「社会貢献活動」をご覧ください。 |
多方面に向けた情報発信 | ステークホルダーの皆さまに、当社のESG投資に関する取り組みをわかりやすくお伝えするため、様々な媒体を通じて情報発信をしています。 <レポート> ・ 統合報告書 ・ サステナビリティレポート ・ 責任投資レポート <Webメディア> ・ かんぽジャンクション ・ JP CAST |
責任投資レポート
当社のサステナブル投資やスチュワードシップ活動についてより詳細に紹介するため、責任投資レポートを発行しています。
<バックナンバー>
※ 掲載内容の拡充に伴い、2022年度より「スチュワードシップ活動報告」を「責任投資レポート」へ改称しました。
サステナビリティ