生物多様性保全への取り組み
自然環境やそれを支える生態系の保護は、気候変動とともにグローバルな重要課題となっています。当社は、優先的に取り組む社会課題(マテリアリティ)の一つに「豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献」を掲げ、当社の持続的な成長とともにSDGsの実現を目指し、次のような取り組みを行っています。
自然環境やそれを支える生態系の保護は、気候変動とともにグローバルな重要課題となっています。当社は、優先的に取り組む社会課題(マテリアリティ)の一つに「豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献」を掲げ、当社の持続的な成長とともにSDGsの実現を目指し、次のような取り組みを行っています。
TNFDは、自然資本に関する事業の機会とリスクを適切に評価し、開示するための枠組みを構築する国際的なイニシアチブであり、2023年9月に最終提言を公表しました。当社はTNFDの理念に賛同し、2023年6月に、その活動をサポートするTNFDフォーラムへ参画しています。今後、TNFD提言の枠組みに沿って、自然資本および生物多様性に関する分析および情報開示を進めていきます。
当社では、生物多様性・自然資本に関する諸課題について、サステナビリティ委員会(委員長:サステナビリティ推進部担当執行役)やリスク管理委員会(委員長:リスク管理統括部担当執行役)にて検討・協議を行っており、検討・協議状況は経営会議に報告しています。
また、当社は、サステナビリティ推進部をリスク評価部、リスク管理統括部をリスク管理総括担当として、生物多様性・自然資本と当社が相互に与える負の影響について、全社的に洗い出し・リスク評価する態勢を整備し、リスク管理委員会に報告しています。今後も年1回以上、リスクの洗い出しおよび評価の継続・高度化を実施するとともに、リスク管理態勢のより一層の定着化を進めていきます。また、本結果はサステナビリティ委員会にもTNFD提言への取り組みの一環として報告しています。
当社では、生物多様性を含む地球環境の保全に向けて、プラスチックや紙の使用量の削減、印刷物における環境配慮、各拠点における地域の清掃活動などに取り組んでいます。また、環境保全団体への寄付を通じて、森づくり活動などの支援も行っています。引き続き、環境負荷に配慮した企業活動を行うことで、持続可能な社会の実現と当社の持続的な成長を目指します。
当社は機関投資家として、投融資先企業の事業活動を通じても自然との関わりを持っています。このため、当社投融資ポートフォリオは以下のような自然関連リスクと機会を持つと考えられます。
投融資活動における自然関連のリスクと機会
タイプ | 当社の認識 |
---|---|
物理的リスク | 水資源など投融資先企業が依存する自然資産・生態系サービスの減少・質の低下・枯渇に伴う投融資先企業のコスト増加や生産障害による投融資資産の価値棄損など |
移行リスク | 環境保全に関するより厳格な法令や社会的要請に伴う投融資先企業のコスト増加、訴訟リスク、風評リスクの拡大による投融資資産の価値棄損など |
機会 | 環境保護技術や環境負荷の小さい代替商品・サービスへのニーズによる投融資先企業の価値上昇、投融資機会の拡大など |
企業は事業活動を行う上で自然資本に依存し、また事業活動を通じて自然資本に影響を及ぼします。ポートフォリオにおいて重視すべき自然関連の依存と影響を特定するため、業種を切り口としたヒートマップを作成しました。①ENCORE(※)(Natural Capital Finance Alliance等が開発した自然関連リスクの分析ツール)による業種別の依存度・影響度評価、②当社の業種別投資残高、③TNFDにおける優先業種の3点を用いて業種を選別し、重視すべき自然関連リスクの可視化を試みました。
当社の株式・社債ポートフォリオが有する主な自然関連依存と影響のヒートマップ
ヒートマップ掲載業種の選別方法:
①ENCOREによる業種別の依存、影響の評価をベースに、各業種の総合的な依存度と影響度を数値化
②上記①の依存度、影響度において上位1/3に該当し、かつ、当社投資残高において上位1/3に該当する業種を特定
③上記②の業種のうち、TNFD「優先業種」に該当するものを選別
依存要素では、電力、食品・飲料、総合石油・ガスなどで、水資源への強い依存が見られます。一方、影響要素では、電力、総合石油・ガス、建設・土木などで、インフラ建設等に伴う陸・淡水・海洋の生態系に対する影響が、また、多くの業種で、水利用や汚染・廃棄物による影響が見て取れ、注視が必要と考えられます。
本分析は一般的な業種像を前提とした初期的段階のものです。分析方法やデータの利用可能性の進展を踏まえ、今後ともTNFDの枠組みに沿ってポートフォリオの有する自然関連リスクと機会の分析を行い、開示していきます。また、分析結果や社会的な要請等を踏まえ、自然関連課題の投資判断への組み込み、投資先企業に対する適切な自然関連エンゲージメントを実施し、自然環境の維持、改善に資する投資を行ってまいります。
2023年5月に、当社にとって初めてのブルーボンド(※)への投資として、世界最大の島しょ国であるインドネシア共和国が発行したブルーボンドへの投資を実施しました。
本債券発行によって調達された資金は、インドネシア政府の定めるブルーエコノミーの発展に貢献するプロジェクトに充当されます。
サステナビリティ