株主議決権行使方針
2021年6月1日
株式会社かんぽ生命保険
株式会社かんぽ生命保険(以下「当社」といいます。)は、以下のとおり株主議決権行使方針を定めます。当社は国内株式の自家運用において、この株主議決権行使方針に沿った議決権行使を行います。
1.基本的な考え方
(1) 当社は、当社株主や保険契約者の利益のために議決権行使を通じて株式に係る投資収益の増大を図ります。
(2) 当社は、持続可能な社会の実現と長期的な投資成果の向上・リスク低減のためにESG(環境・社会・企業統治)の諸要素が重要であると認識し、高い企業統治とともに環境・社会に配慮した適切な企業活動を求めます。
(3) 当社は、議決権行使の判断に当たっては、画一的な判断ではなく非財務情報や対話内容等も踏まえて、株主の利益が長期的に最大化されるか否かの観点から個別に賛否の判断を行います。
(4) 当社は、議決権行使を特定の社会的・政治的問題を解決する手段としては利用しません。
(5) 当社は、原則として運用をしている全ての株式について議決権を行使するものとし、放棄または棄権しないこととします。
(6) 当社は、当社株主や保険契約者の利益が不当に損なわれることがないよう、議決権行使等に係る判断は、運用部門で独立した意思決定を行い、投資先企業との取引関係の有無に関わらず、適切な判断を下します。
2.議案種類ごとの当社の考え方
議案種類ごとの当社の考え方は以下のとおりです。
(1) 会社組織・取締役・取締役会
ア 会社組織
指名委員会等設置会社制度の導入等、取締役の経営監督機能の充実に向けた取組は望ましいと考えます。
イ 取締役会の構成・規模
- (ア) 取締役会は適切かつ迅速な意思決定ができるメンバーで構成されるべきであり、会社の規模や業務内容等を勘案し、意思決定を下す上で適正な員数であることが望ましいと考えます。
- (イ) 社外取締役の増員はコーポレートガバナンス向上の観点から望ましいと考えます。
ウ 取締役の選任
- (ア) 反社会的行為等の不祥事、業績低迷等に責任があると判断される取締役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (イ) 環境、社会及び企業統治に深刻な影響をもたらす事象に対し責任があると判断される取締役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (ウ) 業務の遂行に懸念があると判断される取締役の再任に対しては慎重に判断します。
エ 社外取締役の選任
- (ア) 反社会的行為等の不祥事、業績低迷等に責任があると判断される社外取締役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (イ) 環境、社会及び企業統治に深刻な影響をもたらす事象に対し責任があると判断される社外取締役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (ウ) 社外取締役の独立性に問題があると判断される場合、その選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (エ) 過去の取締役会への出席状況等から勘案して、業務の遂行に懸念があると判断される社外取締役の再任に対しては慎重に判断します。
(2) 監査役・監査役会
ア 監査役の選任
- (ア) 監査役には、取締役等の職務執行を株主に代わって監督する機能を求めます。
- (イ) 反社会的行為等の不祥事に責任があると判断される監査役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (ウ) 環境、社会及び企業統治に深刻な影響をもたらす事象に対し責任があると判断される監査役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (エ) 業務の遂行に懸念があると判断される監査役の再任に対しては慎重に判断します。
イ 社外監査役の選任
- (ア) 反社会的行為等の不祥事に責任があると判断される社外監査役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (イ) 環境、社会及び企業統治に深刻な影響をもたらす事象に対し責任があると判断される社外監査役の選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (ウ) 社外監査役の独立性に問題があると判断される場合、その選任、再任に対しては慎重に判断します。
- (エ) 過去の取締役会、監査役会への出席状況等から勘案して、業務の遂行に懸念があると判断される社外監査役の再任に対しては慎重に判断します。
(3) 役員報酬等
ア 役員報酬・賞与・退職慰労金
- (ア) 役員報酬、賞与および退職慰労金については、業績や株主が獲得する利益等とのバランス、企業価値向上を図るインセンティブとしての効果等を勘案して判断します。
- (イ) 不祥事発生、環境、社会及び企業統治に深刻な影響をもたらす事象の発生、大幅な業績悪化等が生じている時の報酬額の増加、賞与の支給、退職慰労金の贈呈に対しては慎重に判断します。
- (ウ) 社外取締役および監査役に対する退職慰労金の贈呈に対しては慎重に判断します。
イ ストックオプション
ストックオプションについては、付与対象者、付与個数および行使条件等の設計が適切か、既存株主の株式価値を大きく希薄化する可能性はないか等の観点から判断します。
(4) 利益等の処分
株主への利益配分は、企業業績や将来の事業計画との整合性を勘案した上で、株主への利益還元が十分尊重されているかという観点から判断します。
(5) 組織再編(合併、事業譲渡・譲受、会社分割等)
適切な経営・財務戦略に基づくものか、かつ、株主利益に資するかという観点から判断します。
(6) 資本政策
ア 増減資
- (ア) 合理的な理由に基づいているかという観点から判断します。
- (イ) 特に、第三者割当については、中期的な成長戦略、財務状況等を踏まえ、発行条件や発行の目的に合理性があるかという観点から判断し、希薄化が著しく、株主価値を毀損すると判断される場合は慎重に判断します。
イ 自己株式の取得
企業価値、株主価値を高める上で有効であることから原則賛成するが、合理的理由がなく、企業価値、株主価値を毀損すると判断される場合は慎重に判断します。
(7) 定款変更
株主の権利を必要以上に制約するものでないか、企業価値、株主価値の増大またはそれらの毀損の防止の観点から判断します。
(8) 株主提案
ア 会社提案と同等に、長期的な株主利益の最大化につながるかの観点から判断します。
イ 環境や社会的課題に関する株主提案については、長期的な株主利益の最大化および環境、社会的影響度の観点から判断します。
ウ 一部株主の利益のみを追求する可能性があるもの、特定の社会的政治的問題の解決を目的としているものについては慎重に判断します。
(9) 買収防衛策
過剰な防衛策は株主利益を毀損する可能性があるため、防衛策の導入が長期的な株主利益の最大化につながるかの観点から判断します。
(10) その他
上記以外の議案については、企業価値、株主価値の増大やコーポレートガバナンスの向上及びESGの諸要素等により、長期的な株主利益の最大化につながるかの観点から判断します。