保険契約者等の保護の取組み
審査結果の概要
2015年度審査手続終了分
【168】保険金の倍額支払
ご請求の内容 | 被保険者の死因は心臓病であるとして保険金の倍額支払を謝絶されたが、被保険者は、転倒により急性硬膜下血腫を発症し、その治療のため既往症(心臓病)の投薬を中断したために脳梗塞を発症し、3か月半後に死亡したものであり、転倒がなければ死亡しなかったことを理由に保険金の倍額支払を求める。 |
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審査結果の概要 | 被保険者は、自宅廊下でつまづいて転倒したことにより発症した左硬膜下血腫の治療及び除去手術のために、心房細動の治療薬であるワーファリンの服用を中止したという事情は認められるものの、被保険者の死亡に対して直接的な原因を与えたのは、本件事故以前から罹患していた心房細動であり、本件事故が直接の原因となったものとは認められない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【169】貸付金の法定弁済に伴う保険金額減額の取消し
ご請求の内容 | 本件保険契約は、法定弁済され、保険金額が減額されたが、保険契約者は、脳梗塞で入院中のため法定弁済の予告通知書を確認できなかったし、請求人(死亡保険金受取人)も同通知書を確認してない。また、請求人が法定弁済の予告通知書を確認できていたら、本件法定弁済前に、保険金が減額されないように相殺貸付(以下「弁済類似行為」という。)等を行っていたはずであることを理由に、法定弁済前の保険金額での重度障害による死亡保険金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 請求人は、会社に対し、重度障害の通知をしているが、その前に本件法定弁済がなされ、死亡保険金額が減額されていることから、請求人の重度障害による死亡保険金の金額は、法定弁済後の金額とならざるを得ない。 また、請求人は、法定弁済の予告通知書を確認できていたら、弁済類似行為を行っていたはずである旨を主張するが、簡易生命保険法上も約款上も、そのような取扱いは認められておらず、大量処理、取扱いの公平性の観点からも、そのような取扱いを認めることは相当ではなく、また、請求人は、これまで、保険契約者の代理人として、貸付及び相殺貸付を受けており、法定弁済については了知していたものと認められるので、請求人の主張を認めることはできない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【170】保険金の倍額支払
ご請求の内容 | 会社が保険金の倍額支払をしないのは、約款の一方的な解釈と事故当時の推測での判断であるため、支払拒絶は受け入れられない。納得できる合理的証明と説明がない以上、保険金の倍額支払は正当に行われるべきであり、保険金の倍額支払を求める。 |
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審査結果の概要 | 被保険者(当時年齢15歳)は、自宅から約700メートル離れたマンションの14階から転落(以下「本件事故」という。)し、頸髄損傷を直接死因として死亡したが、本件事故は、被保険者が大きく足を振り上げる、或いは手すりにつかまって体全体を引き上げる等の能動的な動作をした為に、被保険者の体全体或いは足が外廊下の床面から浮上して手すりを乗り越え、転落の結果となったものと認められる。こういった被保険者自身の能動的な行為がなければ、本件事故現場において転落に至ることはなく、従って被保険者の転落は被保険者の重大な過失によるものと認められる。 人は通常15歳になれば、建物の14階の外廊下から手すりを乗り越えれば転落する危険性を容易に認識し得、そしてこれが死に至る可能性については充分に予見し得るものと認められるが、被保険者にこの点の能力が不十分であったことが認められる客観的資料の提出はない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【171】解約還付金及び貸付金等の支払い
ご請求の内容 | (1)契約、(2)契約及び(3)契約について、解約の手続をしておらず、解約還付金を受領していないこと、また、借入をしたこともないのに、契約者貸付をしたことになっていることから、解約還付金及び貸付金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | (1)契約は平成14年1月15日、(2)契約は平成15年4月17日、(3)契約は平成16年1月13日をもって解約により消滅し、解約還付金も保険契約者に対して、同日に即時払されたものであることが認められる。この際、保険証書に記載された貸付金額等に基づき貸付金及びその利息が控除されているが、この控除は適法に行われたものと認められる。 また、既にいずれの解約日の翌日からも5年の消滅時効期間が満了し、解約還付金の支払請求権は、すべて簡易生命保険法第87条による時効の完成によって消滅したものと認められる。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【172】満期保険金、解約還付金及び貸付金等の支払い
ご請求の内容 | (1)契約及び(2)契約について、満期手続をしておらず、満期保険金を受領していないことから、満期保険金の支払いを求める。また、(2)契約については、借入をしたこともないのに、契約者貸付をしたことになっていることから、貸付金の支払いを求める。 (3)契約について、解約の手続をしておらず、解約還付金を受領していないことから、解約還付金の支払いを求める。 (4)契約について、解約還付金は受領したが、借入をしたこともないのに、契約者貸付をしたことになっているため、貸付金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | (1)契約は、平成13年4月12日に保険期間が満了し、同月13日に満期保険金が即時払されたものと認められる。(2)契約は、平成15年5月31日に保険期間が満了し、同年6月3日に満期保険金が即時払されたことが認められる。この際、貸付金及びその利息が控除されているが、この控除は、保険証書に記載された貸付金額に基づき適法に行われたものと認められる。 (3)契約は、平成14年1月15日付けの解約により消滅処理され、同日に解約還付金の支払請求があり、即時払されたものと認められる。 (4)契約は、平成17年2月17日に解約還付金が即時払され、この際、貸付金及びその利息が控除されているが、この控除は、保険証書に記載された貸付金額に基づき適法に行われたものと認められる。 また、既にいずれの満期日若しくは解約日の翌日からも5年の消滅時効期間が満了していることが認められ、満期保険金及び解約還付金の支払請求権は、すべて簡易生命保険法第87条による時効の完成によって消滅したものと認められる。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【173】満期保険金、解約還付金及び貸付金等の支払い
ご請求の内容 | (1)契約について、満期手続をしておらず、満期保険金を受領していないことから、満期保険金の支払いを求める。 (2)契約について、解約の手続をしておらず、解約還付金を受領していないことから、解約還付金の支払いを求める。 (1)契約及び(2)契約について、借入をしたこともないのに、契約者貸付をしたことになっているため、貸付金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | (1)契約は、平成7年7月8日に保険期間が満了し、同月14日に満期保険金の支払請求があり、同日に即時払されたことが認められる。この際、貸付金及びその利息が控除されているが、この控除は適法に行われたものと認められる。 (2)契約は、平成17年4月6日付けの解約により消滅処理されたものとされ、同日に解約還付金の支払請求があり、即時払されたものであることが認められる。この際、貸付金及びその利息が控除されているが、この控除は、保険証書に記載された貸付金額に基づき適法に行われたものと認められる。 また、既に満期日若しくは解約日の翌日から起算して5年の消滅時効期間が満了していることが認められ、満期保険金及び解約還付金の支払請求権は、すべて簡易生命保険法第87条による時効の完成によって消滅したものと認められる。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【174】契約の無効
ご請求の内容 | 日帰り手術をし、手術保険金の請求をしたところ、特約の内容から支払えないとの説明を受けたが納得できない。加入時に特約内容の説明が不足しており、社員に過失があること、契約日から現在まで再訪問もなく保険の見直しができなかったこと等の事情から契約を無効とし、払込保険料全額の返還を求める。 |
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審査結果の概要 | 請求人は、本件保険契約による手術保険金の支払対象について問題にしているが、請求人が手術保険金の支払対象について誤認して本件保険契約の申込みを行ったとは認められない。 また、本件保険契約加入時における受理職員の説明内容の詳細は、既に14年余経過しているため不明だが、少なくとも、請求外保険契約と比較しながら本件保険契約の保障内容や保険金額等の要点を説明したと認められ、請求人の主張する受理職員の説明不足が本件保険契約の効力に影響を及ぼすとは認められない。 なお、契約後に新商品の提案がないことをもって、本件保険契約を無効とすることはできない。 以上のとおり、本件保険契約を無効とし、又は取り消すべきとは認められない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【175】積増年金額(配当金)の確認
ご請求の内容 | 終身年金保険について、積増年金の原資となる配当金が0円とのことだが、申込時に説明を受けたパンフレットの記載内容に基づき初年度受取年金額の魅力を強調され契約したものであり、記載どおり、初年度受取年金額約104万円の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 査定審査会に提出された一切の資料をみても、受理職員その他の郵便局職員が初年度受取年金額について104万円であると確約したことを示す資料は存在せず、受理職員その他の郵便局職員が初年度受取年金額について104万円であると確約したとは認められないので、請求人の主張する初年度受取年金額を会社が支払うべきとは認められない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【176】保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払い
ご請求の内容 | 被保険者は慢性硬膜下血腫を原因として死亡したが、被保険者が頭部外傷を受けた事実は確認できていないものの、医学書等において、同血腫はおしなべて頭部の外傷との関連が指摘されていることからすると、被保険者が何らかの頭部外傷を原因として血腫を来したことが高度の蓋然性をもって推定されることから、被保険者は不慮の事故を直接の原因として死亡したものであり、保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 被保険者の頭部外傷の原因となるような事故の明確な証明は無く、一方で慢性硬膜下血腫が急性増悪して脳ヘルニアの状態になり手術が難しくなり、更に、長期間にわたる抗血小板薬の内服により術中・術後も出血が持続して脳ヘルニアの改善が無く死亡に至ったものと認められることから、死亡診断書で証明されたとおり、被保険者の死亡原因は、病死・自然死と認めるのが相当であり、被保険者の死亡を、不慮の事故を直接の原因として死亡したもの、若しくは不慮の事故による傷害を直接の原因として死亡したものと認めることはできない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【177】保険料の払込み
ご請求の内容 | 既契約の満期保険金等を原資として、満期保険金を受領した日に新たに加入した保険契約の保険料として110万円を支払ったが、受入処理されていないことが分かったため、当該契約の保険料として110万円が払い込まれていることの確認を求める。 |
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審査結果の概要 | 査定審査会に提出された資料から認定できる事実関係を前提とすると、これ以上の事実認定を行うことは査定審査会が有する権限では困難と認められることから、本件は、査定審査会規則第23条第1項第5号に規定する「審査を行うことが適当でない事情が認められる場合」に該当するものとして、同項本文の規定によって、審査を打ち切るのが相当と判断される。 |
【178】満期保険金の支払い
ご請求の内容 | (1)契約及び(2)契約に係る満期保険金について、平成20年3月に支払済みで証拠書類もあるとのことだが、受け取っておらず、他の銀行口座に振り込まれた形跡もないことから、満期保険金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 請求人の署名捺印のある(1)契約及び(2)契約の満期保険金の支払いに係る保険金支払請求書兼受領証の原本並びに(1)契約及び(2)契約の保険証書の原本を会社が保管している以上、この事実をもって会社が保険金を支払ったものと認めるのが相当である。 また、仮に、請求人が(1)契約及び(2)契約に係る満期保険金を受領していなかったとしても、満期日の翌日から起算して既に5年の消滅時効期間が満了し、その間、時効の中断事由も認められないことから、満期保険金の支払請求権はすべて簡易生命保険法第87条による時効は完成しており、会社は簡易生命保険法に基づく消滅時効を援用したことが認められることから、(1)契約及び(2)契約の満期保険金の支払請求権は消滅したことになる。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【179】保険料が全額払込済みであることの確認等
ご請求の内容 | 本件保険契約の保険料は、当時の保険契約者である亡き母が平成20年2月26日に保険料を支払い、払込完了となったもので、保険証書にその旨の記載もあった。平成26年に当該記載を無断で郵便局員に抹消され、保険料の払込が完了していないとの説明を受け、同日以降も保険料を払っているが、保険証書に記載のとおり保険料の払込は完了しているため、追加で保険料を支払わずとも、保険期間の満了後、満期保険金支払請求権を有することの確認とともに、平成20年2月26日以降に支払った保険料の返還を求める。 |
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審査結果の概要 | 本件保険契約の保険証書には保険料の払込みが完了したとの記載等があることが確認できるが、査定審査会に提出された資料から認められる事実を総合すれば、当該記載は誤記であると認められ、当該記載をもって本件保険契約の全期間分の保険料が払い込まれたものと認めることはできない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【180】契約の無効又は取消
ご請求の内容 | 本件契約は請求人が保険契約者となっているが、母が受理者に積立であると思い込まされ、母の説明を受けて私が保険契約申込書を記入したものである。手元にある保障設計書の日付が申込日の翌日であるし、私は受理者からの契約内容の説明を受けておらず、契約手続に問題がある。したがって契約無効又はそれに準ずる措置を求める。 |
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審査結果の概要 | 本件保険契約申込書には、請求人自身が住所・氏名を記載しており、本件申込当時、請求人は49歳であり、判断力の低下等の特別事情は存在しないことから、本件保険契約申込書に記載された内容について十分に了解した上で、申込を行ったものと認められる等の事情に鑑みれば、本件契約を無効とすべき理由はない。 したがって、請求人の請求は認められない |
【181】入院保険金の支払い
ご請求の内容 | 被保険者は、平成26年4月11日に交通事故による受傷を原因として同年6月13日から同年8月30日まで腰椎捻挫等の診断の下入院した。同入院に係る入院保険金を請求したところ、入院治療の必要がない入院であるとして入院保険金の支払いを謝絶されたが納得できない。被保険者は入院治療が必要との医師の診断に従い入院したもので、入院保険金の支払対象となるはずであり、他社でも保険金が支払われていることから入院保険金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 請求人の症状経過によれば、左肘打撲傷、左肘捻挫、腰椎捻挫に伴う左肘痛や腰痛の存在は確認できるものの、それに対して本件入院中に行われた治療は、鎮痛剤の服薬や塗布が主であり、また、ステロイド剤等の注射も外来通院で行える治療であり、「自宅等での治療が困難なため」入院したものとはいえない。 また、事故後2か月経過して入院した診療所の医師は会社からの聴き取り調査に対して、「患者側からの希望入院」、「患者の社会的事情を考慮し、入院となったものである」と述べており、この点からも医学的に入院の必要性があったとは認められない。 以上のとおり、本件入院は「自宅等での治療が困難なため」入院したものとは認められず、約款に定める入院保険金の支払対象となる入院とは認められない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【182】傷害保険金の支払い
ご請求の内容 | 被保険者の右手指第1指の障害について、約款に定める身体障害の状態に該当しないという理由で傷害保険金の支払いが謝絶されたが納得できない。損保で後遺障害認定されていること、会社の調査員から傷害保険金が支払われるとの説明を受けたことから傷害保険金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 請求人が平成20年10月7日午後7時ころ発生したやけどを原因として右手母指に障害を負ったことは認められるが、被保険者の身体障害の状態は、約款別表第2に掲げる状態には該当しないため、傷害保険金を支払う事由とはならない。 また、損保会社が後遺障害保険金を支払っていたことは、会社の本件支払謝絶が不当であることの根拠となり得るものではない。 さらに、仮に、請求人の主張するような、保険金が出る旨の発言を調査員がしたとしても、請求人に傷害保険金の支払要件に該当する身体障害が生じているとは認められない以上、保険金の請求権は生じ得ない。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【183】保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払い
ご請求の内容 | 被保険者は自宅の風呂場で浴槽に顔をつけた状態で心肺停止で発見されたこと、救急搬送時に口腔から風呂水が出てきたことからすると、被保険者は溺水による不慮の事故を原因として死亡したものであることから、保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 査定審査会に提出された被保険者の死亡原因に関する資料によれば、被保険者が不慮の事故により死亡したのか病死したのかは不明であるというほかないが、裁判例上、外部からの作用による事故と被保険者の死亡との間に相当因果関係があることは保険金を請求する者が立証責任を負うので、本件で水の肺への侵入という外部からの作用により死亡したこと(すなわち溺死したこと)が不明であれば、倍額保険金も特約死亡保険金も支払うべきでないこととなる。 したがって、請求人の請求は認められない。 |
【184】入院保険金の支払い
ご請求の内容 | 被保険者は、平成26年11月8日、自宅の階段を下りる際、足を滑らせて転倒し、同月11日から平成27年3月7日までの間、右足関節捻挫等の診断の下、2か所の病院に入院し、入院保険金の支払いを請求した。会社は、入院の必要性がないとして入院保険金の支払いを謝絶したが、けがによる入院であり、医師が入院の必要性を認めて入院したのであるから、入院保険金の支払いを求める。 |
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審査結果の概要 | 被保険者の症状経過によれば、被保険者が腰部痛、右足の痺れや「右足の底に電気が走るような痛み」を訴えていたことは確認できるものの、それに関する医学的所見は認められず、本件入院中に行われた治療は、鎮痛剤の服薬が主である。 本件入院の開始から3日間の入院については病気の診断及び急性期治療として入院の必要性が認められる一方、それ以降の入院については「自宅等での治療が困難なため」入院したとはいえず、約款に定める入院保険金の支払対象となる入院とは認められない。 そして、本件保険契約は5日以上の入院について入院保険金を支払うものであるため、入院の必要性が認められる3日間の入院についても入院保険金の支払対象とはならないことになる。 したがって、請求人の請求は認められない |
【185】入院保険金及び手術保険金の支払い等
ご請求の内容 | 被保険者は、本件保険契約に加入して約9か月経過後、緑内障の診断の下に入院し、入院保険金等を請求したが、特約の保険期間外に罹患した疾病による入院であるとして入院保険金等が支払謝絶された上、告知義務違反があったとして、契約を解除された。 しかしながら、血糖値が高いことのみを指摘されていたものの病気と診断されたものではなく告知事項に該当しないため、告知義務違反の解除の取消を求める。 また、既往症の糖尿病と緑内障との間に因果関係がないことを理由に入院保険金等の支払いを求める。 さらに、これらの請求が認められなかった場合には、既払込保険料全額の返還を求める。 |
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審査結果の概要 | 被保険者は、本件保険契約申込当時、自らの糖尿病罹患について十分に認識しており、当該事実を告知する義務があったと認められるにもかかわらず、本件保険契約申込時の告知書に、糖尿病に関して何ら記載せず、HbA1c及び空腹時血糖値の異常や医師の投薬治療の勧めについても、何ら記載していない。 したがって、被保険者は、故意に糖尿病罹患の事実を告知せず、少なくとも重大な過失によって告知しなかったものと認められることから、会社が行った告知義務違反を理由とする本件解除は正当なものであり、これを無効とすべき事由は認められない。 また、平成27年3月3日から同月15日まで、緑内障の診断の下に入院し、同月4日に左目緑内障手術(濾過手術)を受けているが、本件保険契約成立前に発病した緑内障によるものであるため、会社が入院保険金等を支払うべきとは認められない。 さらに、請求人は、本件解除の取消及び入院保険金等の支払いのいずれも認められない場合には、払込済保険料全額の返還をするよう求めるが、請求人は、会社が払込済保険料を返還すべき理由を主張しておらず、査定審査会に提出された資料からは、本件保険契約を無効又は取り消して払込済保険料を返還すべき事由は認められない。 したがって、請求人の請求はいずれも認められない。 |
かんぽ生命について