トップメッセージ
日頃より、かんぽ生命をお引き立ていただき、誠にありがとうございます。
2023年6月に社長に着任してから、約1年間が経過しましたが、2021年に公表した中期経営計画の3年目となる2023年度を振り返ると、お客さまニーズに沿った新商品の投入や新たな人材育成制度の導入等、中長期的な営業力をつける取り組みを進めた結果、新契約が大きく増加したほか、社員のES調査(エンゲージメントスコア調査)結果でもスコアの上昇が見られるなど、これまでの取り組みが成果として現れ、さらなる成長に向けた明るい兆しを実感する1年となりました。
このような事業環境の中、2024年5月には、2025年度までの中期経営計画を見直しました。5年計画の中間期までの取り組みを再評価するとともに、金利上昇といった外部環境の変化、高齢のお客さまへの募集の再開などの内部環境の変化を鑑みて、経営戦略を改めて練り直しました。これまでの中期経営計画では「お客さまから真に信頼される企業への再生」と「持続的成長」を柱に掲げており、見直し後においては、今後の成長戦略として、「お客さまの維持・拡大」や「持続的に成長する強い会社」を目指すことを、戦略の柱として位置付けています。
まず、「お客さまの維持・拡大」に向けては、お客さま本位の業務運営のもと、今後は、多様なお客さまのニーズに応えられる商品ラインアップの拡充と、質と量を伴ったアフターフォローの充実に取り組んでまいります。
商品ラインアップの充実に関しては、2024年1月に発売を開始した一時払終身保険に加え、今後の新商品として、人生100年時代のニーズに即した、要介護状態や就業不能に備える保険なども検討しています。また、アフターフォローに関しては、リアルとデジタルの双方を活用しながら、お客さまやご家族の状況をタイムリーに把握した有益な情報提供やお困りごとの解消などにも注力し、お客さま体験価値(CX)の向上を目指します。
こうした「商品ラインアップの拡充」、「アフターフォローの充実」により、ライフステージや世代を超えて、安心を提供し続けていきます。また、「信頼できる気軽な相談相手」としてつながりを持ち続けることで、お客さまの維持・拡大を目指してまいります。
もう一つの成長戦略の柱である「持続的に成長する強い会社」には、お客さまへの責任を果たしていくための経営基盤の強化という意味が込められています。そのために、2023年7月に導入した新たな人材育成制度である「かんぽGD制度」を通じた取り組みに加え、積極的な採用による体制強化を図るなど、郵便局ネットワーク等の対面チャネルを支える人材の強みを最大化していくことで、営業力の強化を図ってまいります。
さらに、資産運用においても、市場環境の変化を捉えた収益向上を図るとともに、収益源の多様化・新たな成長機会の創出に向けて、2024年5月に発表した大和証券グループとの資本業務提携など、国内外の各種提携関係をもとに、我々の事業のウイングを広げていきます。併せて、サステナブル投資の推進により、機関投資家としての責任を果たしていくとともに、社会課題の解決を目指してまいります。
このほか、DX推進により、CXの向上を目指すと同時に、事業運営の効率化も図っていきます。効率化により、社内の人材をリスキルして、別の強化領域に配置・活躍してもらうことも可能となり、人的資本の活用という点においても重要な取り組みと認識しています。
我々の企業価値の源泉は「お客さまからの信頼」です。「郵便局の保険」として、お客さまから日本一の信頼感・親近感を持っていただける「かんぽブランド」を確立していくため、全社員一丸となって取り組んでまいります。
今後も、「お客さまから信頼され、選ばれ続けることで、お客さまの人生を保険の力でお守りする」というかんぽ生命の社会的使命を着実に果たしていくとともに、新たなステージに向けた歩みを進めてまいりますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。
2024年7月
株式会社かんぽ生命保険
取締役兼代表執行役社長
谷垣 邦夫
かんぽ生命について