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保険契約者等の保護の取組み

審査結果の概要

img査定審査会の概要
img審査の請求の取扱状況
img審査結果の概要

2014年度審査手続終了分

【139】特約死亡保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者が入浴中に死亡したが、不慮の事故を直接の原因とするものではないとして、特約死亡保険金は支払われなかった。入浴まで元気な人が突然病気及び自然死で死亡するとは考えられず、他社では災害死亡と認定されていることから、特約死亡保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
被保険者は、本件事故以前の平成24年11月12日に「狭心症」と診断され、それ以降、治療のため投薬を開始されていたこと、本件事故14日前の同年12月10日の血液検査では、心臓機能状態に関与する数値に異常が認められていたこと、被保険者は本件事故により溺水しているが、その溺水の程度は軽度であり、吸水の量はあるかないかの量であったこと、及び被保険者には外傷はなく、脳出血もなく、関係医師は、溺水を認めた上で、被保険者の死因について溺死ではないとしていることから、被保険者の死亡について、不慮の事故を直接の原因として死亡したものとは認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【140】傷害保険金の支払

ご請求の
内容
会社は、被保険者の身体障害の直接の原因が不慮の事故ではないとして、傷害保険金の支払を謝絶しているが、病院において、骨折時期は転倒のあった平成20年6月17日と推定されると言われ、同日以後被保険者が急に歩けなくなり、その後寝たきりの状態となったことを考えると、被保険者の身体障害は同日の転倒という不慮の事故等を直接の原因とするものであるから、傷害保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
平成21年2月7日撮影のレントゲン写真をみると、被保険者の左大腿骨頸部骨折は陳旧性の骨折であり、撮影時点で骨折後相当期間が経過しているものと認められるほか、被保険者は高度の骨粗鬆症に罹患していたと認められ、医師による発症時期の推定もあくまで推定でしかないことを考えると、被保険者の骨折の原因が平成20年6月16日ないし17日の転倒事故(以下「本件事故」という。)にあったと認めることはできない。
また、仮に被保険者の左大腿骨頚部骨折が本件事故その他の不慮の事故を原因として生じたものだとしても、平成21年12月7日付け障害診断書兼入院・手術証明書には、合併症欄に左大腿骨頸部骨折後遺症との記載があるものの、被保険者の寝たきり状態ないしそれに起因する廃用性症候群(以下「本件障害」という。)の原因となる傷病名欄にはアルツハイマー型認知症と記載されていること等から、本件障害の原因が左大腿部骨折であったと認めることはできない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【141】契約者配当金の支払

ご請求の
内容
本件各保険契約の申込時等に、本件保険契約については500万円、本件年金契約については2,300万円の配当金が支払われるとの説明を郵便局から受けているため、説明どおりの配当金の支払を求める。
審査結果の
概要
旧簡易生命保険法(以下「法」という。)第7条の規定によれば、簡易生命保険契約の内容は、法、法に基づく命令及び簡易生命保険約款によるとされているところ、適用される簡易生命保険約款に照らせば、本件保険契約の契約者配当金及び本件年金契約に関する契約者配当金(積増年金)のうち支払期日の到来したものについては、すべて支払済みであり、また、今後支払期限が到来する本件年金保険の契約者配当金(積増年金)についても請求人が主張するような金額の契約者配当金を支払うべきとは認められない。
請求人は、本件保険契約の申込みの際、郵便局員から、配当金額は契約金額の3倍になるとの説明を受けた等と主張するが、請求人は上記の事実を裏付ける資料を一切提出しておらず、審査会では上記の事実を認定することができない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【142】入院保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者は、悪性リンパ腫の診断の下入院し、入院保険金を請求したところ、加入前から病気の症状(左腋窩腫瘤)が認められるとして支払謝絶されたが、そのような症状が認められた事実はなく、免責条項に該当しないことから、入院保険金の支払を求める。仮に支払えない場合は、本件保険契約に係る保険料の返還を求める。
審査結果の
概要
提出された資料から、請求人は、平成23年3月頃、左腋窩腫瘤を自覚したが、その当時は受診することはなく、同年11月初旬に当該腫瘤に痛みが発現したため、同月7日に総合診療外科を受診し、同病院血液腫瘍科において当該腫瘤を精査した結果、悪性リンパ腫と診断されたものと認められる。
そして、悪性リンパ腫の症状に鑑みると、請求人は、左腋窩腫瘤が出現した平成23年3月に悪性リンパ腫を発病しており、その症状を自覚していたと認められる。
責任開始前不担保条項の目的に照らせば、客観的・医学的な観点から本件保険契約締結前に悪性リンパ腫を発病していたことが認められ、かつ、請求人が左腋窩腫瘤という当該疾病に特有の症状を自覚していた以上、当該疾病に罹患していることまでを認識していなくとも、特約条項第2条に該当することとなるものであり、したがって、請求人は本件保険契約の責任開始の約3か月前に悪性リンパ腫を発病し、その症状を自覚していたものであるから、特約条項第2条により本件入院保険金を支払うことはできない。また、請求人には、本件保険契約を解除して既払保険料全額の返還を請求する権利はない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【143】傷害保険金の支払

ご請求の
内容
平成12年12月11日の交通事故(以下「(1)事故」という。)及び平成13年3月21日の転倒(以下「(2)事故」という。)を原因として簡易生命保険特約簡易生命保険約款(以下「約款」という。)に定める身体障害の状態になったので、傷害保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
(1)事故当日から通院したA病院の診断書によると、請求人には、(1)事故と関連する骨折及びCT上の出血等は認められないほか、請求人の身体障害の状態は、A病院最後の診断日である平成13年2月28日時点で固定していなかったと認められる。また、平成13年3月26日から同年11月27日まで通院したB病院の診断書の記載からすると、症状固定日を同年11月27日とする請求人の身体障害の状態は、関節の自動運動の範囲が正常の場合の2分の1以下に制限されていないことが認められる。
また、受傷年月日を(2)事故日とするB病院の診断書によると、症状固定日を平成13年11月27日とする請求人の身体障害の状態は、身体障害等級表に定める身体障害の状態に該当しない。
したがって、請求人は、本件(1)事故及び(2)事故を直接の原因として受傷の日から180日以内に約款に定める身体障害等級表の身体障害の状態に該当したものと認めることはできないため、請求人の請求は認められない。

【144】契約者配当金の支払

ご請求の
内容
満期となった養老保険の配当金が46,440円との通知が届いたが、申込時には受理者から700万円と、満期前の照会では、社員から100万円台後半から200万円弱くらいとの説明を受けているので、説明のとおりに配当金を支払うことを求める。
審査結果の
概要
旧簡易生命保険法(以下「法」という。)第7条の規定によれば、簡易生命保険契約の内容は、法、法に基づく命令及び簡易生命保険約款によるとされている。そして、法第78条の規定によれば、事前に契約者配当の金額が決められているものではないことは明らかである。
本件保険契約について適用される簡易生命保険約款によれば、本件保険契約に関してこれまでに積み立てられた契約者配当金は会社が通知した額と同額の46,440円と認められる。
これに対して、請求人は、申込時、受理者から配当金額が700万円になると説明を受けた旨主張するが、審査会に提出された資料からは請求人が主張する事実は認められない。 また、会社に保存されている対応記録によれば、請求人が平成15年に2回、平成20年に1回、サービスセンターに対して問い合わせを行ったことは確認できるが、問い合わせ内容は本件保険契約に関するものではなく、別件年金契約について繰上支払手続きをとった場合の支払金額に関するものと認められるので、この点に関する請求人の主張も認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【145】払込保険料の返還

ご請求の
内容
本件保険契約は、保険契約者に無断で請求人が申し込んだものであり無効であるため、既払込保険料全額の返還を求める。
審査結果の
概要
本件保険契約は、無権代理人によって申し込まれたものであり、民法第113条により、本人が追認しない限り無効となるところ、平成25年5月28日、契約者が、本件保険契約の保険証書の再発行請求を行った上で保険金受取人の指定変更手続を行っている。
このことからすれば、本件保険契約は、無権代理によって締結されたものの、遅くとも平成25年5月28日に本人の追認がなされ、同日以降は有効であると認められ、請求人は、本件保険契約を無効として、既払込保険料の返還を求めることはできない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【146】入院保険金の支払

ご請求の
内容
入院保険金を受け取っておらず、明細書ももらっていないため、平成20年1月21日から同年3月5日までの入院について、本件各保険契約に係る入院保険金(以下「本件保険金」という。)の支払を求める。
審査結果の
概要
本件保険金の支払請求に当たり、請求人代表者が本件各保険契約の保険証書原本を保管・管理しており、これが会社へ提出されたと認められること、患者(被保険者)本人若しくは患者の看病に当たる親族代表者でなければ取得することはできない入院証明書が提出されているところ、当時看病に当たっていたのは請求人代表者であることから、入院証明書を取得できるのは被保険者本人又は請求人代表者以外にはなかったものと認められること、及び本件各保険契約の保険金支払請求書兼受領証には、被保険者の住所と名前が記載され、氏名の右横に、請求人代表者が常時保管・管理していた印章が捺印されていることから、本件保険金は、被保険者若しくは被保険者の事務を代行する請求人代表者へ支払われているものと認められる。
したがって、請求人の請求は認められない。

【147】払込保険料の返還

ご請求の
内容
平成25年10月3日、請求人を被保険者とする本件(1)ないし(3)契約と、次女を被保険者とする本件(4)契約と申出外(1)契約を申し込み、さらに、同月4日、申出外(1)契約の申込みを撤回し、新たに次女を被保険者とする本件(5)契約と、長男を被保険者とする申出外(2)、(3)契約を申し込んだところ、申出外(2)契約及び申出外(3)契約が謝絶となったが、全件締結されない場合には取りやめるという条件(以下「全件加入条件」という。)で申し込みをしたこと、及び謝絶が遅かったため5件の契約についてクーリングオフを行なえなかったことから、5件の契約を不成立として払込保険料の返還を求める。
審査結果の
概要
本件で加入の可否が問題になっていたのは長男を被保険者とする保険契約だけであるところ、平成25年10月3日の段階では、長男を被保険者とする保険契約は申し込まれておらず、この段階で全件加入条件を付けたという請求人の説明は不自然と言わざるを得ないこと、受理者の説明は合理的なものと認められること等から、10月3日及び同月4日の申込みの際、請求人から全件加入条件の申出があったとは認められない。
また、クーリングオフ制度は、契約申込者に当該契約締結について熟慮する機会を確保するための制度であり、契約申込者に、他の契約に関する会社の諾否に応じた対応をとる余地を確保するための制度ではないため、会社の対応の遅延のためクーリングオフの機会を逸したという請求人の主張は採用できない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【148】保険金の倍額支払、特約死亡保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者は、入院中に東日本大震災に境遇し、転院したものの満足な治療を受けられずに死亡したものであり、震災の関連死とも認められているので、倍額保険金及び特約死亡保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
被保険者は、平成23年1月12日のA病院受診当時、食道癌は既に進行癌の状態であったことが認められること、B病院入院翌日の同年2月3日よりCRTが開始され、化学療法1コース目は問題なく終了し、2コース目は、被保険者の発熱のために延期となっており、震災当日の3月11日までの照射施行放射線は、計52Gy(26回)であったことから、被保険者は震災までに初期の治療は殆ど終わっているものと判断され、震災時までに放射線療法は充分な量が施行されており、平成23年3月11日で終了して特に問題はなかったものと考えられる。また、その後の治療についても、請求人が主張するような、東日本大震災の影響により被保険者に対して適切な医療行為が施行されなかった等の状況はない。
また、死亡診断書の記載は、「胸部食道癌」を直接死因、傷病経過に影響を及ぼした傷病名等に「誤嚥性肺炎」と記載されており、死因の種類は「病死及び自然死」となっている。
したがって、被保険者の死亡については、不慮の事故を直接の原因として死亡したものとは認められず、請求人の請求は認められない。

【149】無効確認

ご請求の
内容
加入していた14件の契約のうち、8件は無効になったが、6件は無効とならなかったものであるが、無効とならなかった契約についても払込保険料が満期保険金を上回る旨の説明を受けていないので、契約を無効とすることを求める。
審査結果の
概要
請求人Aを保険契約者兼被保険者とする契約2件及びAを保険契約者、Aの長女又は長男を被保険者とする契約3件について、申込時の状況等からすると、Aに、申込時、要素の錯誤があったとする特段の事情は認められず、また、申込受理社員の説明により誤認したとすべき特段の事情も認められず、これら5件の契約が契約形態として適合性を欠くものとも認められない。
請求人Bを保険契約者兼被保険者とする契約1件についても、申込時の状況等からすると、その申込みに際して錯誤その他の無効原因ないし取消原因となるべき事情は認められず、契約形態が適合性を欠くものとも認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【150】入院保険金の支払

ご請求の
内容
混合性不安抑うつ障害で入院(以下「本件入院」という。)し、入院保険金を請求したところ、以前120日限度額まで保険金を支払済みの入院(以下「請求外入院」という。)と同一疾病という理由で支払謝絶されたが納得できないので、入院保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
請求外入院は、請求人に「全身倦怠感が強い、吐き気、嘔吐、食事が取れず体が動かない」「神経性胃炎」「嘔吐症」等の症状があり、「不安神経症」と「自律神経失調症」として入院し、点滴・内服薬で治療を行ったものと認められる。
また、本件入院にあたり請求人が医療機関に提出した診療情報提供書によると、請求人の症状については、「不安感、自律神経失調症等あり日常生活等に著しい影響あり」等と記載され、また、入院先の医療機関の医師も、請求人の症状について、「初診時の症状は、不安・うつ・食欲不振・吐き気など」「薬を減らし」「精神療法、対話」で治療して、「点滴をしなくて済むようにする」治療を行ったと述べている。
これらのことから、本件入院の原因となった請求人の病態自体は、請求外入院の入院原因と変わりないものと判断され、請求外入院の原因となった疾病と本件入院の原因となった疾病は直接の因果関係のある2以上の疾病と認められるので、1の疾病とみなすべき場合に該当し、入院保険金を支払うことはできない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【151】死亡保険金の支払

ご請求の
内容
保険契約者が請求人の父(以下「父」という。)、被保険者が請求人の母(以下「母」という。)である保険契約について、父の死亡後に、保険契約者及び死亡保険金受取人が請求人の兄(以下「兄」という。)に変更され、兄に死亡保険金が支払われているが、父の相続人である請求人の同意がなく変更は無効であるため、請求人に死亡保険金の2分の1を支払うよう求める。
審査結果の
概要
提出された資料からすると、本件契約関係者異動通知書は、母が提出したものと認められる。
父の死亡時には遺産分割を行わず、父名義の預貯金については、母の死亡後に、母名義の預貯金とまとめて、請求人と兄との間で分割していること及び父の死亡後は、母が本件保険契約に係る証書を管理していたところ、請求人及び兄が、父死亡後に本件保険契約に係る保険料を支払った形跡はなく、兄は、最終払込日まで母がこれを支払っていたと供述していることから、父の相続人間で、本件保険契約に係る契約者の地位を母が承継することについて黙示の合意があり、実質的承継人は母であったものと推認できる。
そのため、本件契約関係者異動通知書によって行われた死亡保険金受取人変更は、本件保険契約に係る契約者の地位の実質的承継人である母により行われたものであり、これを無効とすべき理由はない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【152】傷害保険金の支払

ご請求の
内容
平成23年11月23日に転倒して左肩を強打した(以下「本件事故」という。)結果、あるいは、その後の平成24年3月27日及び同年10月12日にA整形外科病院において受けた肩観血的授動術(以下、順に「本件(1)手術」、「本件(2)手術」という。)の際に生じた神経損傷の結果、左肩関節及び手関節の自動運動範囲が正常の4分の1以下に、左肘関節の自動運動範囲が2分の1以下になった(以下「本件障害」という。)ので傷害保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
被保険者の症状経過によれば、被保険者は本件(1)手術、本件(2)手術前から左肩の痛みや左手の痺れを訴えており、また、本件(2)手術後数か月は経過もよく過ごしており、特に本件(2)手術の3ヶ月後には自ら医師に対して「動きもよくなった。ADLも大丈夫」と述べていることからすると、本件(1)手術、本件(2)手術自体により神経を損傷する等の問題があったとは認めることができない。
また、被保険者は本件事故の前からB整形外科医院を受診し、左肩痛やその可動域制限、左手の痺れを訴えており、肩関節周囲炎(凍結型(拘縮))、あるいは左胸郭出口症候群との診断を受けていること、及び本件事故の2日後にB整形外科医院を受診したが、その際筋が切れた等の断裂はなく、特別な所見はカルテに記載されていないことからすると、本件事故を直接の原因として本件障害が生じていると認定することはできない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【153】手術保険金の支払

ご請求の
内容
平成24年10月16日に施行された中心静脈栄養用植込型カテーテル設置術(以下「本件手術」という。)は、平成24年5月24日の気管支切開手術後、同年7月24日にチューブが取れたが、MRSA菌が出たためやむなく行なわれたものであるので、本件手術に係る手術保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
本件保険契約は、平成4年12月2日に責任が開始されたものであるから、手術保険金の支払に関しては、旧疾病傷害特約約款第26条第1項及び第24条第6項が適用されることになる。
被保険者は、肺炎等の診断の下、平成23年10月24日から同年11月5日までの入院期間(9日間)及び平成24年4月27日から同年8月28日までの入院期間(111日間)をもって、120日分の入院保険金が支払い済みとなっていることが認められる。 したがって、本件手術が行われた平成24年10月16日は、入院保険金の支払限度日数を超えた後であり、「入院保険金が支払われる入院中に」受けた手術ではないことが明白なことから、本件手術が別表第3に掲げる手術に該当するか否かにかかわらず、手術保険金の支払対象とはならない。
よって、請求人の請求は認められない。

【154】入院保険金の支払

ご請求の
内容
本件契約加入前の平成10年から3年以上投薬を受けていることを理由に入院保険金の支払が謝絶されたが、予防のために通院・投薬を受けていたものであること等を理由に入院保険金の支払を求める
審査結果の
概要
本件契約加入前の平成10年から3年以上投薬を受けていることを理由に入院保険金の支払が謝絶されたが、予防のために通院・投薬を受けていたものであること等を理由に入院保険金の支払を求める。 審査結果の概要 平成13年6月30日付け診断書には、診断病名を「慢性関節リウマチ疑」とし、「上記疑いにて平成10年5月11日より当院通院中でロキソニン、ムコスタ、リマチル投与中であるが、平成13年6月20日現在、手指や関節の変形は全くなく、血液検査もCRP0.3以下、リウマチ因子11と正常である」と記載されているところ、請求人に処方されていたリマチルは、リウマチの治療目的に特化して使用される抗リウマチ薬であり、患者がリウマチであると診断されていることを示すものであること及び医師が平成10年5月11日以降本件保険契約の効力発生時点においても継続して抗リウマチ薬を請求人へ処方していた事実から、本件保険契約の効力発生約5か月後の平成13年11月頃の請求人の関節リウマチの発症(推定)と、平成10年5月11日以来の関節リウマチの治療は一連のものであり、請求人の関節リウマチの発症の時期は、平成10年5月11日ころであると認められる。
したがって、請求人は、本件保険契約の特約の保険期間中に関節リウマチに罹患したものとは認められないので、請求人の請求は認められない。

【155】告知義務違反による解除日の確認及び保険料の返還

ご請求の
内容
平成18年6月20日の入院保険金請求から同年8月31日の保険契約解除まで2か月10日を要し、この期間の保険料が還付金から差し引かれていることについて納得できないので、同期間の保険料の返還を求める。
審査結果の
概要
当時公社が告知義務違反の要件を満たすことを把握したのは、最大限請求人に有利に判断しても、請求人からの事情聴取結果の報告を受けた平成18年8月4日と認められるところ、公社は、同日から起算して1か月以内である同月31日に本件解除を行っているため、本件解除は適法である。
また、保険金の支払請求がなされた時から、公社が解除の原因があることを把握するまでの期間については、法には規定はなく、本件では、入院保険金の支払請求がなされた平成18年6月20日から公社が請求人からの事情聴取結果の報告を受けた平成18年8月4日まで45日の期間があるが、保険契約の存続に係わる告知義務違反の事実の把握には慎重を要することからすれば、45日の期間は不当とはいえない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【156】既払込保険料の返還

ご請求の
内容
申込時、特約内容の説明を受けないまま加入したこと等から、契約を無効として、既払保険料に利息を付して返還することを求める。
審査結果の
概要
本件保険契約(平成13年3月26日効力発生)に係る保険契約申込書には、基本保険料と特約保険料の合計額及び払込期間並びに災害特約及び疾病傷害入院特約に係る保険金額及び保険料額が明記されていることから、請求人は、払込期間中に保険金額を上回る保険料を払い込むこと及び本件保険契約に前記特約が付されていることを理解して申込みを行ったはずであり、毎年ご契約内容のお知らせを送付しているにもかかわらず、平成25年9月3日に至るまで何ら異議の申出や問合わせを行っていないことからすると、請求人が死亡保険金額と払込保険料額との関係及び本件保険契約に付された特約について錯誤に陥ったとは認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【157】重度障害による死亡保険金の支払

ご請求の
内容
本件契約について、重度障害になった旨の通知を保険期間中にできなかったのは会社の案内が遅延したためであり、請求人に落ち度はない。本件契約と同時に通知した請求外契約は重度障害による死亡保険金が支払われているので、重度障害による死亡保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
重度障害による死亡保険金は、被保険者が効力発生後にかかった疾病等により重度障害の状態に該当し、その通知があったときに、通知があった日にその疾病等により被保険者が死亡したものとみなす制度であり、その通知は保険期間中にされる必要があるところ、本件において重度障害になった旨の通知がされたのは保険期間満了後であるため、重度障害による死亡保険金を支払うべきとは認められない。なお、請求外契約は保険期間中に重度障害になった旨の通知がされている。
したがって、請求人の請求は認められない。

【158】傷害保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者は、平成24年12月4日に気管挿管を施行されたが、同月8日に自ら抜管(本件事故)したため心肺停止となり、低酸素脳症のため、寝たきりとなった(本件障害)ところ、本件障害は、帯で固定した看護師と気管切開をする時間が遅すぎた医師の人的処置による不慮の事故によるものであるので、傷害保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
医師の回答書によれば、被保険者の症状経過は次のとおりである。 (1)平成24年11月26日に、胸腺腫に対して悪性縦隔腫瘍手術が施行され、術後の呼吸不全があったため、同年12月4日に気管挿管が施行された。また、請求人には術後せん妄があり、鎮静も行われた。
(2)平成24年12月8日午前1時30分、術後せん妄を原因として本件事故が発生し、心肺停止の状態となったため再挿管が試みられた。しかし、手術操作、挿管管理による喉頭浮腫のため、再挿管が困難であり、緊急気管切開が行われた。心拍が再開したものの、挿管困難で換気できない時間が続いたため低酸素脳症となった。
このことからすると、本件事故は、災害特約条項別表第1「外科的および内科的診療上の患者事故」に該当するものの、同時に、疾病の治療を目的としたものと認められることから、除外規定に該当する。また、その他、同別表第1に掲げる不慮の事故に該当する事由は認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【159】特約死亡保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者は飲酒後に徒歩で帰宅途中、幹線道路の車道にしゃがんでいたところをタクシーに轢かれ(本件事故)、死亡したが、被保険者の血中アルコール濃度が高値であったこと及び歩道があるにもかかわらず車線を歩行し、車線でしゃがんでいたところをタクシーにはねられたことから支払免責事由に該当するとして特約死亡保険金の支払を謝絶されたが納得できないので、特約死亡保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
本件事故の発生現場は、昼夜を問わず交通量が多く、通常、歩行者が入り込まない場所であると考えられ、また、事故発生時は深夜、かつ、小雨が降っていることからも、本件事故の発生現場でしゃがみ込む行為は、著しく危険な行為であるといわざるを得ない。
したがって、被保険者は、相当の注意を払うまでもなく容易に事故を予見し得たにもかかわらず予見しなかったといわざるを得ないことから本件事故は被保険者の重大な過失によるものと認められ、特約死亡保険金の支払免責事由(災害特約条項第16条第1項第1号)に該当するので、特約死亡保険金を支払うべきとは認められない。
以上により、請求人の請求は認められない。

【160】既払込保険料の返還

ご請求の
内容
平成22年に加入した定期年金保険(一時払・2年据置)について、加入時に、中途解約時に元本割れする旨の説明を聞いていないので、既払保険料全額の返還を求める。
審査結果の
概要
保障設計書には解約返戻金について記載があり、受理職員はこれを用いて説明を行ったとし、注意喚起情報12項にも、解約返戻金について大きな字でわかりやすく記載され、受理職員は当該項目を説明したと述べている。
年金保険は保険商品の一種で、貯蓄とはその内容が異なるところ、請求人は、年金保険に加入することを承知していたことが認められ、また、請求人は、本件年金保険契約申込の当時は61歳であり、本件年金保険契約の申込書に、重要事項について説明を受け、契約内容とともに確認・了知した上でこれらの資料を受け取った旨の押印があることからしても、請求人が本件年金保険契約の内容や注意喚起情報に記載された事項を理解していなかったとは認められないため、請求人が錯誤に陥っていたとは認められず、本件年金保険契約は有効である。
したがって、会社が請求人に対し、既払保険料を返還すべき理由はなく、請求人の請求は認められない。

【161】保険金の倍額支払

ご請求の
内容
被保険者の死因は肺炎であるが、この肺炎は死亡の1か月半前に起きた誤嚥によるものであり、死亡の直接の原因は誤嚥という不慮の事故であるので、保険金の倍額支払をすることを求める。
審査結果の
概要
入院証明書の記載からすると、被保険者は、平成18年3月2日から、誤嚥を原因とする肺炎の診断の下に入院し、抗生剤投与により一時軽快したものの、ゼリー食で再度肺炎を起こし、食事摂取不能となり状態が悪化し、同年4月15日に死亡したところ、被保険者の肺炎は誤嚥性肺炎の確実例ではないものに当たると認められること、及び死亡診断書の記載によれば、死亡の直接原因は「肺炎」、その肺炎の原因は「不詳」とされ、死因の種類は「1 病死及び自然死」に○が付されており、死亡診断書には「誤嚥」の確認は無く、事故性は認められていないことからすると、平成18年3月2日から死亡に至る過程で被保険者に生じた誤嚥を不慮の事故と認めることはできない。
また、医学的には、被保険者にはパーキンソン病(中枢性神経系変性疾患)、認知症等があったことから、それらによる嚥下機能の低下及び誤嚥の危険性が増加していたと考えられること等から、被保険者に嚥下機能の低下がなかったとはいえない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【162】満期保険金の支払

ご請求の
内容
14件の保険契約(以下「本件各保険契約」という。)について、一度も満期保険金を受け取っていないので、満期保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
会社の管理する電子記録上、本件各保険契約に係る満期保険金は「払渡」の記録があること、会社の実務上、保険金支払時には、前もって保険金受取人に交付した受領証と交換で保険金を払い渡していること及び平成26年5月16日の会社と請求人及び請求人の配偶者との面談時、請求人は、本件各保険契約にかかる受領証の署名、押印が、全て自らの署名であり、また、これらの印影が自分の印鑑の印影であることを認めていることから、本件各保険契約の満期保険金は、請求人へ支払われたものと認められる。
また、本件各保険契約に係る満期保険金について、会社は時効を援用しており、同保険金の支払請求権は時効により消滅している。
したがって、請求人の請求は認められない。

【163】満期保険金の支払

ご請求の
内容
保険期間が満了した養老保険について、保険契約者である請求人に無断で保険契約者が任意承継され、任意承継後の保険契約者により解約されていたことが分かったため、会社に無効申出をし、申出が認められたことから、満期保険金を請求しようとしたところ、会社から解約還付金相当額を満期保険金から差し引いて支払うといわれたが納得できない。満期保険金全額の支払を求める。
審査結果の
概要
本件保険契約は請求人の母親(以下「A」という。平成20年死亡。)が申込み、その全額の保険料を支払ったもので請求人が保険料を支払っていないこと、保険証書はAが保管し、請求人がその引き渡しを求めたことがなかったこと等からすると、請求人は、自らの資産について通常行うべき管理を、本件保険契約に関して行っておらず、本件保険契約について自らが保険契約者であるとの認識を有していたか疑わしい状況であり、少なくとも、Aの生前において、本件保険契約に関する一切の権限をAに授与していたものと認められる。
本件契約者等異動通知は、Aがその権限に基づき行ったものであり、有効であると認められ、また、その後に行われた本件解約手続についても、Aの意思により行われたものであり、有効と認められる。
したがって、会社が請求人に対して本件保険契約に係る満期保険金を支払うべき理由はなく、請求人の請求は認められない。

【164】重度障害状態の固定日の認定

ご請求の
内容
会社は平成21年2月17日を重度障害の状態の固定日と認定し、平成21年2月分以降の保険料を払込免除とし保険料が返還されたが、被保険者は遅くとも平成16年9月10日時点で重度障害の状態が固定したため、同月分以降の保険料の返還を求める。
審査結果の
概要
障害診断書兼入院・手術証明書(以下「本件診断書」という。)の記載内容によれば、被保険者の状態としては、常に介助を要するいわゆる全介助の項目は相対的に少なく、一部介助にとどまる項目が多いと認められ、また、ケアマネージャー作成の利用者基本情報においても、相当数の項目において一部介助にとどまっており、被保険者が平成16年9月10日時点で「日常生活動作に常に他人の介護を要する」状態であったとは認められない。
本件診断書には構音障害の詳細については記載がなく、利用者基本情報には平成17年9月28日時点で構音障害があったことについて確認できるが、他方で、「単語『痛い』などの訴え可能」との記載からすると、被保険者が音声又は言語を喪失したものとは認められない。
以上により、被保険者が平成21年2月17日より前に重度障害の状態になったとは認められない。したがって、請求人の請求は認められない。

【165】傷害保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者は、平成26年3月18日の転倒事故(以下「本件事故」という。)を原因として右大腿骨転子部を骨折後、歩行困難となったのであるから、傷害保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
障害診断書兼入院・手術証明書によれば、被保険者の身体障害の状態は、(1)歩行、排尿・排便、衣服の着脱に介助が必要、(2)骨折後の下肢筋力低下による歩行困難、(3)肺非結核性抗酸菌症による労作 時呼吸困難ありとされ、平成26年5月7日に歩行障害が固定したとされている。
本件事故がこの身体障害の状態に与えた影響について、被保険者は、他に身体上の問題がなければ、早期リハビリで歩行が可能となっていたものと考えられるが、本件事故による骨折の4か月前から非結核性抗酸菌症に罹患して通院しており、同症の影響により、病気に対する抵抗力が減弱であったことから、通常よりも骨折後の回復が上手くいかなかったものと認められる。
したがって、被保険者が前述の身体障害の状態に至った原因は、本件事故よりもむしろ本件事故以前に非結核性抗酸菌症に罹患していたことによる影響が大きいものと考えられ、被保険者の身体障害の状態は、本件事故による傷害を直接の原因とするものと認めることはできない。
よって、請求人の請求は認められない。

【166】契約者配当金の支払

ご請求の
内容
契約時に契約者配当金(以下「配当金」という。)は400万円であると説明を受け、交付されたパンフレットに「400」と書き込まれているので、配当金として400万円の支払を求める。
審査結果の
概要
本件パンフレットには、2倍型の部分に「満期のとき 500万円+配当金」との印字があり、「配当金」の上に「400」と手書きで記載されて丸で囲まれている。
配当金は毎年の運用実績により変動するものであり、本件パンフレットにも、「配当金は、1年経過後から剰余金の発生状況により積み立てられ、契約の終了時にお支払いします。」と印字され、確約された性質のものでないことが明示されている。
請求人は、受理職員が説明しながら「400」を書き入れたと主張しているが、「400」の筆跡は、他の書込みの筆跡と異なっている上、受理者は既に死亡していて事情聴取不能であるため、誰がどのような状況で「400」と記載したのかは不明であるが、仮に、受理者が書いたとしても、本件保険契約の期間満了時に確定的に支払われる配当金を記載したとは考えられず、その当時に満期が到来した他の保険契約に関する支払実績を参考として説明し、記載したものと推測される。
以上のとおり、請求人と当時国との間で、400万円の配当金の支払いが確約されたことはなく、また、請求人をして400万円の配当金が支払われると信じさせる事情も認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【167】特約死亡保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者は、下半身不随、アルツハイマー型認知症の進行等で寝たきりの状態で病院に入所中、東日本大震災の影響により退院せざるをえない状況となり、その後の介護が不十分であったため死亡したもので、事故災害による死亡に該当するため、特約死亡保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
被保険者の症状経過からすると、東日本大震災後の避難による精神的・肉体的負担が被保険者の死亡に対して影響を与えたことは否定できないが、被保険者は、東日本大震災時78歳と高齢であったほか、東日本大震災前からアルツハイマー型認知症の進行により寝たきりの状態で介護病棟に入所中であって体力が低下していたと認められること、東日本大震災前から微熱が続いていたことから、何らかの感染症があった可能性があり、その経過を診なければならない状態であったことも考え合わせると、東日本大震災前から身体状態が悪かったものと認められ、それによる影響の方が避難の負担等による影響よりも大きかったものと認められる。この点、平成26年1月25日付診断書からも、避難の負担等の影響は限定的であって、むしろそれ以前からの被保険者の身体状態の悪さが死亡の主たる要因であることが確認できる。
したがって、被保険者は、東日本大震災を直接の原因として死亡したとは認められない。 よって、請求人の請求は認められない。
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