保険契約者等の保護の取組み
審査結果の概要
2010年度審査手続終了分
【38】疾病による入院保険金の支払請求
ご請求の 内容 |
被保険者は、屋根から落下したことによる肋骨骨折のために入院し、その入院中、続けて肝機能障害・高血圧の治療を受けたところ、肋骨骨折(傷害)に係る入院保険金を支払限度日数分(120日分)受領した後、肝機能障害・高血圧(疾病)に係る入院保険金の支払いを求めたが断られた。納得できないのでその支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、被保険者は、本件入院中(平成21年2月28日から同年7月31日まで)、同年2月28日から同年7月1日までの間、肋骨骨折(傷害)に対する治療を行い、かつ、同年3月2日から同年7月31日までの間、肝機能障害・高血圧(疾病)に対する治療を行っていたことが認められる。すなわち、本件入院中、傷害を直接の原因とし、かつ、疾病を直接の原因とする期間が122日間に及ぶところ、当該期間について、傷害による入院保険金を支払限度日数分(120日分)支払済みである本件の場合、約款の規定により、さらに疾病による入院保険金を支払うことはできないこととなるから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【39】保険金の倍額支払の請求
ご請求の 内容 |
被保険者が自宅にて入浴中に溺死したことから、不慮の事故によるものとして保険金の倍額支払を請求したところ、溺死の原因がてんかん発作であるとして、支払を断られた。納得できないのでその支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、被保険者は、てんかん発作による意識喪失により溺水した蓋然性が高いというほかなく、他方、てんかん発作による意識喪失以外に溺水の原因となる事情は認められない。したがって、被保険者の死亡は、疾病(てんかん)を直接の原因とする事故(溺水)によるものに該当し、保険金の倍額支払をすべきとは認められないこととなるから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【40】保険契約者の地位の確認請求
事案の概要等 | 本件保険契約は、AとBが婚姻中に、保険契約者及び保険金受取人をB、被保険者を同人らの子として成立した学資保険である。AとBは協議離婚し、本件保険契約の被保険者の親権者はAとなったところ、Aは、本件保険契約の保険契約者を自らに変更すべく、郵便局において手続(本件承継請求)を行ったものの、その後、本件承継請求に係る書類の所在が不明となり、保険契約者の変更は行われないまま経過した。 そこで、A(請求人)から、自分は郵便局において本件承継請求に係る手続を行っているものであり、未だに保険契約者の変更がなされないことに納得いかないとして、審査の請求がされたところ、これに対し、Bから、そもそも自分は本件承継請求に同意しておらず、保険契約者はなおBであるとの主張がなされたことから、査定審査会においては、本件事案の一回的解決を図るため、Bに対して本件審査手続への参加を要請し、A(請求人)とB(参加人)、双方の主張をもとに審査を行ったもの。 |
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審査結果の 概要 |
離婚後におけるAとBの状況等、本件における事情を総合的に考慮すれば、Bは本件承継請求について黙示的に同意していたもの等と認めるのが相当であるから、本件承継請求は有効と解すべきであり、本件保険契約の保険契約者は、Aであると認められる。したがって、A(請求人)の請求は認容でき、B(参加人)の請求は認めることができない。また、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【41】契約者貸付に伴う法定弁済に係る金員の支払請求
ご請求の 内容 |
契約者貸付を受けた後、貸付金を弁済しないで、弁済期後さらに1年の猶予期間が経過したところ、貸付金の弁済に代えて保険金額が減額(法定弁済)されたが、法定弁済までの猶予期間が、本件保険契約の加入後、約款改正によって4年から1年に変更されていることや、貸付金及び利息の合計額と比較して減額された保険金額が大きいことに納得いかない。よって、その差額の返還を求める。 |
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審査結果の 概要 |
当該約款改正は、保険契約者の利益保護の観点からなされたものであり、簡易生命保険法によってその効力は既契約にも及ぶもので、かつ、本件契約者貸付は、当該約款改正後になされたものであるから、改正後の約款の規定に従ってなされた法定弁済は有効である。また、法定弁済の仕組上、貸付金及び利息の合計額がそのまま減額すべき保険金額となるものでもないから、その差額を返還すべきとは認められない。したがって、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【42】団体取扱いに係る保険契約の無効確認
ご請求の 内容 |
本件保険契約は、その保険料につき保険料払込団体Aでの団体取扱いによる割引を受けていたところ、当該団体Aが解散したため、団体取扱いによる割引を受けることができなくなったが、本件保険契約の申込みの際、申込受理職員からそのような説明はなかった。本件保険契約は無効であるから、払込保険料総額の返還等を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料等によれば、請求人がした本件保険契約の申込みの意思表示を民法第95条に従い無効とまで認めることはできず、その他、本件保険契約を無効あるいは取消すべき事情も認められない。したがって、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【43】契約者貸付に係る法定弁済の取消しの請求
ご請求の 内容 |
契約者貸付を受けた後、貸付金の弁済をしないで、弁済期後さらに1年の猶予期間が経過したところ、貸付金の弁済に代えて保険金額が減額(法定弁済)されたが、法定弁済を了承する旨の意思を表明したことはなく、また、同貸付金を弁済する意思もあることから、法定弁済の取消しを求める。 |
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審査結果の 概要 |
簡易生命保険法及び約款上、貸付金の弁済をしないで約款所定の期間を経過したときは、法定弁済することとされており、その要件として保険契約者の諾否は規定されていない。また、法定弁済後にこれを取り消し、貸付金の弁済をすることについても、簡易生命保険法及び約款上、認められておらず、取扱いの公平性の観点からも、そのような取扱いを認めることは相当ではない。したがって、本件の法定弁済を取り消すべきとは認められないことから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【44】契約解除の無効確認等
ご請求の 内容 |
被保険者は、正常な家庭生活を送っており、何の疑いもなく本件保険契約に加入したところ、告知義務違反により一方的に解除されたが、本件保険契約に加入する際、解除されることがあるということの説明を受けていない。よって、本件保険契約の解除が無効であることの確認を求める等。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、被保険者には、契約の締結当時、自らの健康状態について悪意又は重大な過失による事実不告知が認められ、また会社が被保険者の不告知に係る事実を知り又は過失により知らなかったとは認められないから、会社がした本件保険契約の告知義務違反による解除は有効であると認められる。したがって、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【45】保険契約の失効の取消しの請求
ご請求の 内容 |
本件保険契約の失効日の翌日に滞納分保険料を持参のうえ、郵便局で復活申込みを行ったところ、滞納分保険料の受領及び復活申込みの受理を断られたが、信義則に反する取扱いであることから、本件保険契約の失効の取消しを求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によると、請求人は、払込猶予期間の制度については十分認識していたうえで、約款所定の払込猶予期間経過後に当該保険料を持参したことが認められ、また、会社は、請求人が本件復活申込みにおいて請求人が質問表に回答した内容や請求人の過去の入院履歴に基づき総合判断した結果、復活申込みを謝絶したものであることが認められる。したがって、本件保険契約は、当該保険料払込猶予期間の経過をもって失効したものであり、また、会社が本件復活申込みを承諾すべきとも認められないから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【46】保険金の倍額支払等の請求
ご請求の 内容 |
被保険者は、自宅火災(以下「本件火災」という。)によって焼死したところ、被保険者の死亡は不慮の事故を直接の原因とするものとは認められないとして会社から特約死亡保険金の支払及び保険金の倍額支払を断られたが、事故原因の特定調査がずさんであり、謝絶と判断するに至った根拠が不十分であることから納得できない。よって、特約死亡保険金の支払及び保険金の倍額支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、被保険者は、本件火災による一酸化炭素中毒で死亡したと認められるところ、本件火災の態様、被保険者の遺体の状況、本件火災前における被保険者の言動等を考慮すると、被保険者が自己の意思で着火した可能性を否定することができないものであるから、被保険者の死亡が不慮の事故を直接の原因とするものと認めることはできない。したがって、特約死亡保険金の支払及び保険金の倍額支払をすべきとは認められないことから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【47】保険金の倍額支払等の請求
ご請求の 内容 |
被保険者は、平成19年4月に、脳幹梗塞により入院し、吐気、嘔吐、嚥下障害を来たしていたところで胃洗浄を施行され、その際に大量に吐物を嘔吐して誤嚥し、窒息状態となったところ、気管挿管までに12分から13分を要したことから、無酸素脳症の後遺症を残すこととなり、終局的には、全身状態が悪化してカンジダ血症を発症するという経過により死亡しているものであるが、被保険者の死亡には、当該胃洗浄及び気管挿管の遅れという医師の過失行為が直接的に寄与しているものである。よって、特約死亡保険金の支払及び保険金の倍額支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
本件では、当該胃洗浄及び気管挿管という医療行為が、不慮の事故に該当するか否かが争点となっているところ、この点、医療行為は、人の身体に対する何らかの侵襲を伴い、本来的に危険を内包するものであって、患者の同意の下でなされるものであることから、少なくとも偶発性がないということができる。もっとも、当該医療行為が治療時の通常の医療水準から著しく逸脱していることから、医療行為に過誤があると認められるような事情がある場合には、当該医療行為は不慮の事故に該当すると解すべきである。本件の場合、関係書類によれば、当該胃洗浄及び気管挿管が通常の医療行為から著しく逸脱したものと認めることはできないから、これを不慮の事故と認めることはできない。したがって、特約死亡保険金の支払及び保険金の倍額支払をすべきとは認められないことから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【48】傷害保険金の支払請求
ご請求の 内容 |
被保険者は、つまづいて転倒(以下「本件転倒」という。)し、その後、右変形性膝関節症(内側型)の診断の下に入院し、人工関節置換術を受け、右膝関節機能全廃の障がいを残しているものであるところ、会社から、身体障がいの原因となった当該右変形性膝関節症(内側型)は疾病であり、本件転倒を直接の原因として発症したものとは認められないとして傷害保険金の支払を断られたが、転倒するまで異常なく、受診も治療もなかったものであることから納得ができない。よって、その支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、本件転倒による被保険者の症状は軽症であり、本件転倒によって関節全体が急激に損傷されたとは認められない一方、被保険者の外側半月板は円板状半月で変性があったことや、右大腿骨内側顆に広範囲に軟骨の変性が強く認められていたこと等を考慮すると、被保険者の右変形性膝関節症は、本件転倒以前から存在した右膝関節構成体の変性によるところが大きいものであり、本件転倒については、当該変性による痛みを悪化させた可能性はあるものの、右変形性膝関節症の直接の原因とみることは困難であることから、請求人の身体障がいは、不慮の事故による傷害を直接の原因とするものとは認められない。したがって、傷害保険金の支払をすべきとは認められないことから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【49】満期保険金の支払請求
ご請求の 内容 |
父親の遺産整理をしていたところ、自己名義の本件保険契約に係る保険証書がないことに気付き、郵便局で確認したところ、既に失効しており、失効に伴う還付金(以下「本件還付金」という。)も支払済みである旨の説明を受けたが、失効させた記憶もなく、本件還付金を受領した記憶もないため、失効を取り消した上で、満期保険金の支払を求める |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、本件保険契約の保険料の払込みその他の契約の維持管理については、請求人から母親に包括的な代理権が授与され、その母親が行っていたものと認められるところ、請求人は、母親が死亡したことに伴い、保険料の未払い等の事態が生じるのを回避すべく、速やかに郵便局に連絡し保険料の払込み等の所要の手続きを行うべきであったにもかかわらず、請求人は、母親の死亡後、約6年半の間、何ら手続きを行っていないこと、また、会社から保険料の払込督促書を送付する際の基礎となる住所についても変更の手続が行われていないこと等を考慮すると、本件保険契約の保険料については、請求人の責めに帰すべき事由によりその払込みがなされなかったものであるから、本件保険契約は、簡易生命保険法第48条により失効したと認められる。したがって、本件保険契約に係る満期保険金を支払うべきとは認められないことから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる(なお、付言すれば、本件還付金の支払は、請求人の父親に対してなされているところ、この支払が無権代理人に対するものであったとしても、本件還付金の支払義務は、時効により消滅しているものと認められる。)。 |
【50】疾病による入院保険金の支払請求
ご請求の 内容 |
被保険者は肺癌のため入院(以下「本件入院」という。)したところ、会社から、被保険者には本件保険契約の加入前から既に肺癌の症状が出現しているもので、被保険者は、保険期間中にかかった疾病により本件入院をしたとは認められないとして、入院保険金の支払を断られたが、加入前から出現していた症状と肺癌の因果関係は明らかではない。よって、その支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、被保険者には、肺癌の典型的な症状である咳、微熱、血痰等の症状が本件保険契約の加入前から既に出現しており、これらの症状は、加入直後に肺癌の診断を受けるまで持続していたこと、医師の所見にある肺癌の発病時期は本件保険契約の加入前とされていること等を考慮すると、被保険者は、本件保険契約の加入前から肺癌に罹患していたものであるから、本件入院は、保険期間中にかかった疾病によるものとは認められない。したがって、本件入院について疾病による入院保険金を支払うべきとは認められないことから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【51】入院保険金の支払可否
ご請求の 内容 |
被保険者は、多発性脳梗塞により「(1)入院(平成18年7月~平成20年3月)」をした後、同じく多発性脳梗塞により「(2)入院(平成20年4月~平成21年12月)」をし、「(2)入院」中に肺炎を併発して多臓器不全により死亡した。しかしながら、多発性脳梗塞による入院については、120日分(1の疾病による入院に係る支払限度日数分)の入院保険金が支払われたものの、肺炎及び多臓器不全による入院については、支払を断られた。肺炎及び多臓器不全は、多発性脳梗塞とは別個の疾病であり、直接の因果関係のある疾病(約款上、1の疾病とみなされる)との判断には納得できないので、肺炎及び多臓器不全による入院についての入院保険金の支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、被保険者は、脳幹部梗塞により嚥下機能障害を来たしており、「(1)入院」中から誤嚥性肺炎を繰り返していた上、「(2)入院」中も、誤嚥性肺炎を発症した後、胃瘻造設、絶食、IVHの処置がとられたにもかかわらず再度誤嚥性肺炎を発症し、これが悪化して多臓器不全に至っている。これらの事情を考慮すると、肺炎及び多臓器不全は、いずれも多発性脳梗塞と直接の因果関係のある疾病と認められ、「(1)入院」及び「(2)入院」について、追加して入院保険金を支払うべきとは認められない。したがって、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【52】保険金の倍額支払の可否
ご請求の 内容 |
被保険者は、リゾートマンションの浴場にて入浴中に溺水(以下、「本件事故」という。)し、死亡した。しかしながら、当該溺水は疾病を直接の原因とするものであるとして、保険金の倍額支払を断られた。CTによれば、被保険者には、心・大血管系疾患、脳疾患等の存在は明らかになっていない等、当該溺水が疾病を直接の原因とするものであること自体、明確ではないので、保険金の倍額支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、被保険者には動脈硬化症があったところ、本件事故の約2年半前には左下肢の閉塞性動脈硬化症が手術を必要とする程進んでいたこと、約1年半前には多発性脳梗塞(脳血管の数箇所に閉塞を起こした状態)に罹患していたこと等を考慮すると、動脈硬化症の程度はかなり重症であり、心・脳を含む全身の大血管系に及んでいたもので、さらに左右両頚動脈内には血栓の素となるプラークが存在していたこと等からすれば、被保険者は脳梗塞を再発する蓋然性が高い状態にあったものと考えられ、また、被保険者が溺水に至る中で自助行動をとった形跡も窺われないこと等を併せ考えると、被保険者は、入浴中に突如として脳梗塞を発症し、溺水したことにより死亡した蓋然性が極めて高いと認められる。したがって、被保険者の死亡は、疾病を直接の原因とする事故によるものと認めるのが相当であり、保険金の倍額支払をすべきとは認められないから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【53】保険契約の申込みに対する諾否
ご請求の 内容 |
災害特約及び無配当疾病傷害入院特約を付加した養老保険の保険契約の申込みに当たり、既往症について告知した。しかしながら、無配当疾病傷害入院特約だけが謝絶された。既往症は既に治癒しており、健康状態には問題がないことから謝絶に納得できないので、無配当疾病傷害入院特約を含めて承諾することを求める。 |
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審査結果の 概要 |
会社は、生命保険事業を健全に営むために被保険者の選択を行う必要があるところ、本件の場合、会社は、会社の基準に従い謝絶したこと等が認められ、本件保険契約の申込みに対して、無配当疾病傷害入院特約も含めて承諾をすべきとは認められない。したがって、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【54】重度障害による保険料払込不要の可否
ご請求の 内容 |
学資保険の保険契約者である請求人は、本件保険契約が満期を迎える6年前から全盲の状態となっていたことから重度障害による保険料払込不要の申立てを行なった。しかしながら、効力発生後にかかった疾病により重度障害の状態になったものとは認められないとの説明を受けた。納得できないので、全盲の状態となった日以降の保険料を払込不要として返還を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、昭和47年頃に出現したとされる夜盲は網膜色素変性症の典型的初発症状であったと臨床医学的に認められ、また、病院への受診歴等からして請求人にはその疾病の症状の認識があったものと認めざるを得ない。したがって、請求人は、本件保険契約の効力発生前(平成4年3月)から網膜色素変性症にかかっていたものと認めるのが相当であるから、会社は、請求人に対し、約款の規定に従い、同人が重度障害の状態となった以降の保険料を払込不要とする義務を負わず、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【55】保険金の倍額支払等の可否
ご請求の 内容 |
被保険者は、転倒して頭部を打撲した後、悪性症候群を発症し、急性心不全により死亡したところ、当該転倒による怪我と死亡との因果関係は認められず、不慮の事故を直接の原因として死亡したものとは認められないとして、会社から保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払を断られた。納得できないので、保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
医学上、悪性症候群は、転倒ではなく、抗パーキンソン病薬等の副作用として重要であり、服薬量の増減や中止時に起こりやすいとされている。本件の場合、転倒による外傷の治療中に抗パーキンソン病薬の投与が中止されたことを認めるに足りる資料はなく、仮に投与中止があったとしても、外傷の治療のために投与を中止する必要があるとの医学的知見もないこと等を考慮すると、本件転倒と悪性症候群との間に相当因果関係は認められない。したがって、被保険者は不慮の事故等を直接の原因として死亡したとは認められず、保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払を行うべきとは認められないから、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【56】年金の支払可否
ご請求の 内容 |
10年支払定期年金の保険契約について、一部、受給記録が確認できない年金(平成11年10月4日から平成14年1月3日分)があるので、未払分の年金の支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によると、請求人が未払分と主張する年金の支払いに関する直接的な証拠資料は残存していないものの、コンピュータシステムの記録や当時の仕様、請求人が未払分の年金がある旨の主張をするに至った経緯、当時の年金の支払に係る取扱手続等の事情を総合的に考慮すると、請求人が未払分と主張する年金は既に支払済みであると認めるのが相当である。したがって、当該年金を支払うべきとは認められず、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる(なお、会社において、当該年金の支払義務に係る5年の消滅時効を援用した場合は、もとより当該年金を支払う義務はないことになる。)。 |
【57】健康祝金付疾病傷害入院特約の効力等
ご請求の 内容 |
本件保険契約に付加した特約について、健康祝金を付加したことはなく、受理者からその旨の説明を受けた覚えもない。本件契約に付加されている特約が健康祝金付疾病傷害入院特約ではなく、疾病傷害入院特約であることの確認を求める。また、仮にこの主張が認められない場合は、本件保険契約の特約部分もしくは本件保険契約が無効であることの確認を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によれば、平成7年の本件保険契約の申込みの際、担当者から請求人に対してリーフレットを用いて契約内容の説明がされていたと認められる。リーフレットには健康祝金の仕組み等に関する説明が記載されていること、請求人は申込書裏面の告知書欄に署名していること、その他一切の事情を総合的に判断すると、本件保険契約は、健康祝金付疾病傷害入院特約が付加された契約として請求人の意思に基づき有効に成立しており、また、本件保険契約の特約部分もしくは本件保険契約が無効であるとも認められない。したがって、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【58】満期保険金の支払の可否
ご請求の 内容 |
保険契約者、被保険者及び保険金受取人を請求人とする本件保険契約について、平成8年に満期保険金を支払済みである旨の説明を受けた。受領した記憶がないので、満期保険金の支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料等によれば、本件保険契約の申込手続やその後の維持管理は、請求人を代理してその母親が行っていたところ、満期保険金の受領も母親が行ったものと認められるが、その受領行為について、請求人が母親に対し代理権を授与していたと認めるのは困難である。しかしながら、会社は、本件満期保険金の支払義務について5年の消滅時効を援用する旨を表明しており、提出された資料によれば時効中断事由は認められないことから、結局のところ、会社が時効を援用するときは、請求人に対して本件満期保険金を支払うべきとは認められない。よって、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【59】手術保険金の支払倍率
ご請求の 内容 |
被保険者は、腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた。しかしながら、当該手術は、約款別表第3の「37 胆嚢・胆道観血手術」(支払倍率20倍) ではなく、「94 内視鏡...による腹部臓器...の手術」(支払倍率10倍)に該当するものとして手術保険金が支払われた。納得できないので、手術保険金の不足額の支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
被保険者の受けた手術は腹腔鏡下胆嚢摘出術であるところ、診断書によれば、手術種類は「内視鏡(胸・腹腔鏡を含む)」とされており、開腹術には○印が付されていない。したがって、本件手術は、約款別表第3の「37 胆嚢・胆道観血手術(開胸又は開腹を伴う手術に限る。)」には該当せず、「94 内視鏡...による腹部臓器...の手術」に該当すると認められるので、会社が支払った本件手術保険金の額は、正当な金額であると認められ、これと同様の結論となる会社の査定は妥当であると認められる。 |
【60】傷害保険金及び特約死亡保険金の各支払並びに保険金の倍額支払の可否
ご請求の 内容 |
被保険者は、自宅で転倒し背中や腰を強く打ち、その後、腰椎圧迫骨折が原因で介護状態になり、結果として死亡した。不慮の事故により身体障害の状態となり、かつ死亡したものであるので、傷害保険金及び特約死亡保険金の各支払並びに保険金の倍額支払を求める。 |
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審査結果の 概要 |
関係資料によると、被保険者の死亡は、本件転倒を直接の原因とするものではなく、腎不全・脳梗塞に起因する肺感染症を原因とするものであったと認めるのが相当である。また、被保険者が本件転倒を直接の原因として約款所定の身体障害の状態になったと認めることはできない。したがって、傷害保険金及び特約死亡保険金の各支払並びに保険金の倍額支払をすべきとは認められず、これと同様の結論となる会社の査定は、妥当であると認められる。 |
かんぽ生命について