Vol.11 症状を改善!
原因から考える
産後の正しい肌荒れ対策
子どもを出産してしばらくすると、肌荒れが起きやすくなります。
そのまま放置していると、ますます症状がひどくなることも……。
なるべくなら、早い段階でケアして肌荒れを最小限に抑えたいものです。
産後の肌荒れは、妊娠前とは違った生活サイクルやからだの変化が原因で現れます。
これを自己流で治そうと間違った対策を行えば、症状が悪化することもあるため注意が必要です。
しっかりと肌トラブルの原因を把握して、正しい対策を行いましょう。
産後に肌荒れが起きる原因
ここでは、産後に肌荒れが起きる5つの原因をご紹介します。
ホルモンバランスの変化
出産後の肌荒れの多くは、ホルモンバランスの変化によって起こります。
とくに影響を与えるのが、きめ細かいお肌をキープしてくれる女性ホルモンの一種「エストロゲン」。
このエストロゲンが増減することによって、肌トラブルが誘発されるのです。
女性は出産すると、妊娠中にピークだったエストロゲンが急激に減少します。
このタイミングでお肌を守るバリアが崩れ、肌荒れが起きやすくなるのです。
ストレスを抱えている
ストレスによって自律神経が乱れると、体内の男性ホルモンが増加して皮脂の分泌量を高めます。
この現象によって、肌のバリアが低下して吹き出物をつくるのです。
吹き出物は、あごやほっぺにできるのが特徴。一度できると、なかなか治りません。
慣れない育児や日々の家事、必要なときにいない夫への不満など、産後はなにかとストレスを抱えます。
フェイスラインに吹き出物が現れたら、「ストレスのサイン」と判断してください。
睡眠が足りていない
人間のからだは、寝ているうちに「成長ホルモン」を分泌します。
この成長ホルモンが、皮膚の細胞分裂、再生を促進して健康的なお肌をキープしてくれるのです。
睡眠が足りなければ、体内のサイクルが正常でなくなり、肌トラブルを起こしやすくなります。
産後の女性は、子どもの夜泣きに悩まされることも少なくありません。
睡眠不足や疲労がたたり、結果的に肌トラブルを招くのです。
乱れた食生活
糖質・脂質・アルコール・カフェインを必要以上に口にすると、肌トラブルが起きやすくなります。
これらは、皮脂を詰まらせ、お肌に必要なビタミンを消費し、血行が悪くなることで老廃物を溜め込む原因となるからです。
産後間もない女性は、ミルクや離乳食を与えることで手一杯。
自分のことを後回しにしてしまう方がたくさんいます。時間もないし、疲れているし、眠りたいし……という状況のなかで、ついつい手軽なものばかり口にしてしまうようです。
便秘による影響
便が腸内に長く留まることで、「クロストリジウム」などの悪玉菌が増殖し、有害物質を発生させます。
この有害物質は、やがて腸壁から吸収されて血液から全身へと巡回することに。
便秘の肌荒れは、この流れによって起きると考えられています。
育児に忙しい女性は、ただでさえ便秘になりやすい生活サイクル。
便秘による肌荒れは、必然的とも言えそうです。
産後の肌荒れに有効な3つの対策
ここでは、産後の肌荒れに効果のある3つの対策をご紹介します。
サラダを食べるなど食生活に変化を
偏食になっている方は、食生活を見直してみましょう。
美肌に効果的な栄養素であるビタミンA・B・C・Eのほか、腸内環境を整える食物繊維や乳酸菌を口にすることで、改善する可能性が高まります。
こちらの食品を参考にして、定期的に食べるよう意識してみてください。
栄養素の種類 | 含まれている食品 |
---|---|
ビタミンA | 鶏や豚レバー、乳製品、卵、うなぎなど |
ビタミンB | 牛レバー、うなぎ、たらこ、ナッツ類など |
ビタミンC | アセロラ、ケール、パセリ、焼き海苔など |
ビタミンE | うなぎ、たらこ、アーモンド、落花生など |
食物繊維 | ひじき、コーン、根菜、きのこなど |
乳酸菌 | ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、チーズなど |
時間をとってぐっすりと眠る
あらゆる原因の肌トラブルに有効なのが、ぐっすりと眠ることです。
肌のバリアが再生されて、健康的な状態へと引き戻してくれます。
アロマを焚く、首に負担の少ない枕を用意する、アイマスクをつけるなど、熟睡しやすい環境をつくるとよいでしょう。
低刺激のスキンケア用品に変える
最後は、使用しているスキンケア用品を見直すことです。妊娠前と同じ化粧品では刺激が強く、産後の敏感な肌を悪化させているかもしれません。
オーガニック化粧品など、お肌に優しいものに変えて改善されるか試してみてください。また、洗顔時はゴシゴシとこすらずに、ぬるま湯で優しく洗うように心がけましょう。
症状が改善しない場合は皮膚科に相談を
健康は生活の基本です。睡眠不足や偏食など、原因がはっきりしているのであれば、まずはその点を改善してみてください。それだけでお肌の調子が戻ることもあります。
また産後、1年以上経っても治らない方は、無理をせず皮膚科の医師に相談されることをおすすめします。
肌トラブルの原因はさまざまです。医師の指示を守って、適切な対策を行うようにしましょう。
2019.8.23 作成