Vol.1 毎日1本で安心?
意外と知らない野菜ジュースのメリット・デメリット
「忙しくて野菜が不足している」そう感じて食材を買おうとスーパーに出かけたはずが、野菜ジュースに手を伸ばしていた...。そんな経験はありませんか?
いつでも気軽に購入できる野菜ジュース。とはいえ、ずっと飲み続けてからだに悪い影響はないのか気になるところです。
この記事では、市販されている野菜ジュースの特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。正しい情報を知って、しっかりと健康と向き合いましょう。
そもそも野菜ジュースって
どんなもの?
容器のキャッチコピーだけを見て、野菜ジュースを手に取っている方も多いはず。具体的にはどんな特徴や効果があるのでしょうか?
特徴
メーカーや種類によっても異なりますが、野菜ジュースの共通する特徴がこちらです。
- フルーツの配合を多くして飲みやすくしている。
- ジュース状にすることで特定の栄養素を吸収しやすくしている。
- 野菜が入っていることを分かりやすくするため食感がある。
- 季節限定の商品を販売して飽きさせないようにしている。
効果
野菜ジュースの効果は個人差がありますが、その成分から次のような報告が挙がっています。
- 食物繊維が入っているためお通じがよくなる。
- 腸のはたらきを促してダイエットや美肌にもよい影響がある。
- 適度な糖分で脳に栄養を与えるため集中力が増す。
- 血糖値の上昇を抑えられる。
野菜ジュースを飲む
メリット・デメリット
実際のところ、野菜ジュースは飲み続けたほうがよいのでしょうか? メリットとデメリットの両方を見ていきましょう。
メリット
まずは、野菜ジュースのメリットをいくつか挙げていきます。
まとめ買いでストックでき、
料理をつくる手間がない
生野菜は長いあいだ調理しないと、鮮度が落ちて食べられなくなります。野菜ジュースは日もちするため、まとめて購入すれば買いに行く手間がなく、調理したりする面倒もありません。
価格が安い
紙パックのものなら1本100円前後なので、気軽に購入することができます。
野菜が苦手でも飲める
子どもだけでなく、大人でも「この野菜が苦手...」という方はたくさんいます。クセがなく飲みやすい野菜ジュースなら、そんな方でも抵抗なく口にすることができます。
生野菜よりも吸収率の上がる
栄養素がある
生野菜よりもジュースにすることで、体内の吸収率を高める栄養素があります。リコピン、βカロテンがこれにあたります。
「食べる」動作が難しい方向け
口内に炎症・ケガをしている方、また高齢で「噛む」「飲む」といった行為が難しい方は、野菜ジュースなら口やのどを痛めるリスクがありません。
デメリット
続いて、野菜ジュースのデメリットを見てみましょう。
製造工程で減少する栄養素
もある
野菜をしぼったり加熱処理したりする工程を経てジュースにすると、ビタミンCや食物繊維が減少してしまいます。そのため、あとから合成ビタミンを添加している野菜ジュースもあります。
野菜ジュースだけでは栄養素をまかなえない
「1日分の野菜」と書かれた野菜ジュースを見かけたことはありませんか? この表記は、厚生労働省が推奨している「1日あたり平均値350g以上」(※1)という野菜摂取量の目標基準から計算された「1日分」です。
ジュース状にすることで失われてしまう栄養素があることを考えても、1本で生野菜350gの栄養素はとれないため注意しましょう。
たくさん飲むと
肥満の原因になる
メーカーや種類によりますが、飲みやすいように甘味料を入れている野菜ジュースもあります。これを1日に何本も飲めば、高カロリー摂取となり肥満の原因になります。
食品添加物が多いものは注意
野菜ジュースの成分表を見て、「酸味料」「香料」「pH調整剤」などと書かれているものは注意が必要です。
食品安全委員会によって許可された食品添加物ではありますが、あまりに多く含まれているものは今後あなたのからだにどんな影響を及ぼすかが未知数です。なるべく避けるようにしましょう。
顔の筋肉やアゴの力を
弱くしてしまう
野菜ジュースばかり飲んでいると「噛む」ことがなくなり、顔の筋肉やあごのちからを弱めてしまいます。口内に炎症もなくケガもしていない健康的な方は、食事にプラスするイメージを持つとよいでしょう。
上手に野菜ジュースを活用して
健康的な生活を
野菜ジュースは気軽に購入できるため、つい頼りがちになってしまいます。ただ、先ほど触れたようにデメリットもあります。飲むのは1日1本と決めて、上手に活用するようにしましょう。
また、毎日料理することで栄養バランスのよい食事はとれますが、そのサイクル自体に疲れてしまう方もいます。ストレスを溜めないためにも、「週1回は外食に出かける」「月1度は好きなものを思いっきり食べる」など、うまく気分転換をしながら生活してみてください。
きっと心身ともに健康になれるはずです。
※1 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料(平成24年7月号)」から引用
2019.6.9 作成