長年、郵便局の窓口業務に携わり、現在は、松江支店 出雲郵便局かんぽサービス部に所属する高橋 裕加里。2度の出産を経て職場復帰し、兼務出向という形でかんぽ生命保険の内務事務を担当しています。生命保険業務に対する熱い想いを伝えながら、とくに女性活躍に向けたサポートに力を注ぐ高橋のキャリアのルーツに迫ります。

2度の出産を経て復帰。そこにあったのは「自分を活かして働き続けたい」という想い

高橋 裕加里 2006年に日本郵政公社(現・日本郵便株式会社)に入社した高橋。最初に配属された四国支社の善通寺郵便局では、主に貯金保険の窓口を担当していました。
高橋 「当時は定額定期貯金が全盛期で、民営化される直前ということもあり、貯金の払い戻しや預け替えといった業務が中心でした。次から次へとお客さまがいらっしゃるような状況で、1日に対応させていただいたお客さまは50名ほど。一人ひとりのお客さまにじっくりと向き合うというよりは、いかに素早くお客さまの要望にお答えするため、スピード感を求められていたように感じていました」
多忙な日々の中でも周囲の社員に支えられながら成長してきた高橋。中でもある女性社員のことがとくに印象に残っていると言います。
高橋 「30代半ばの女性の先輩だったのですが、業務を丁寧に教えてくれた上に、手書きのマニュアルを作成して渡してくれたんです。それもただ業務について書かれているだけではなく、ところどころにシールが貼られているなど、私がわかりやすいよう随所に工夫を凝らした、まさにバイブルのようなノートでした。
 
 本当に仕事がよくできて、貯金業務だけではなく、郵便局のすべての業務を網羅して理解されている印象でした。新人の私をフォローするだけでも大変なのに、私のためにあれだけのものを作成してくれたことは本当にありがたかったです。自分にも後輩ができたときに、こうやって支えることができるような存在になりたいと感じましたね」
善通寺郵便局在籍中の結婚を機に高橋は島根県の平田郵便局に異動することに。2度の出産を経験したのもこの時期でした。
 高橋 「平田郵便局には5年ほど在籍していました。異動して1~2年後に1人目を妊娠・出産。復帰してしばらくしてから2人目が生まれたので、実際に働いていた期間は2年に満たないと思います。最初のころは初めての土地や新しい人間関係に適応するのに苦労しましたが、人手が足りない中で2回も休業をいただくなど、当時の同僚には感謝しております」
高橋は仕事と子育ての両立に悩みながらも、働き続けることを選んだ背景には、こんな想いがありました。
高橋 「同期社員の中には、子どもを学童保育に預けられなくなったタイミングで、家庭に専念するために退職する人もいたのですが、私には郵便局で働いていない自分を想像することができなかったんです。子育ては子育てでしっかりしつつ、仕事の領域でも自分を活かしていきたい気持ちがすごく強く、『必ず戻ろう』と心に決めていました」

自分が生き生きと働くことができる「生命保険」という仕事

電話で話す様子 2人目の子どもが1歳になってまもなく休業から復帰した高橋は、2014年4月から松江中央郵便局に配属されました。しかし、そこで担当することになったのは、ほとんど経験がない生命保険業務でした。
高橋 「これまでは貯金業務が中心だったため、生命保険というお客さまとより長いお付き合いになる商品をご案内して加入していただくという業務は初めてで、最初は『自分にできるのか』と不安になりましたね。そもそも営業活動に関する経験が不足していたので、まずは上司のそばに座ってお客さまと話す様子をじっくり研究させてもらうところから始め、見よう見まねでやり方を学んでいきました」
窓口業務を経験してきた高橋は、新たな業務の中でも「時間」と「印象」を大切にしていったと話します。
高橋 「お客さまの時間は何よりも大切なものなので、どれだけお付き合いいただけるかを最初にお聞きした上で、その時間内に説明を終えることはもちろん、ほかの社員と連携しながら、できるだけお待たせしないよう心がけました。
 
 また、気持ちの良い第一印象を与えることにも気をつけていました。髪型や表情、お辞儀の角度など、『自分だったらこう迎えてほしい』と思うような身だしなみや所作をするよう徹底していました」
そうした努力を続ける中で、お客さまの言葉が高橋に大きな影響を与えていきます。
高橋 「お客さまが希望される保障内容を丁寧に伺いながら、一通り商品に関するご説明を終えた後、『あなたの話を聞いて、この商品が一番私に合っているとわかったから、加入するわ』とお客さまが言ってくださったことがありました。
 
 それまでの貯金業務はあくまで事務的な仕事としてこなしていたところがあったので、『自分じゃなくてもいいのかもしれない』と思うことが正直ありました。ところが、保険の仕事を担当するようになってからは、『高橋さんじゃないとダメ』『高橋さんにまた会いたい』とお客さまからおっしゃっていただき、自分がお客さまから必要とされる喜びを感じるようになりました。仕事のやりがいってこういうことなのか、と実感したのです」
子育てと両立しながらも仕事を続けてきた高橋でしたが、生命保険業務と出会って初めて「天職」だと感じるようになりました。
高橋 「お話させていただいたお客さま全員に、すてきな便箋で手書きのお手紙をお送りすることを日課にしていたのですが、その時間が私にとって非常に幸せな時間だったんです。『こんなお手紙をもらったのは久しぶり』と喜びのお電話をいただいくこともありました。

 お客さま一人ひとりに向き合ってお話をし、そうした会話を思い返しながらお手紙を書き、またお会いすることを楽しみに待つ。生命保険業務はとても充実した仕事でした」

お客さまを家族だと思い接する──変わらない「お客さまのお役に立ちたい」という想い

集合写真 その後他拠点への異動を経て、かんぽ生命保険への兼務出向という形で、現在は出雲郵便局のかんぽサービス部において、これまでの業務で培った経験を活かし、コンサルタント社員と協力しながらお客さまに向き合っています。
高橋 「最近の書類等の不備事例を共有して再発防止に努めること、また情報紙を使って業務知識を習得してもらうことを目的に、週1回朝礼後にコンサルタント社員に向けた業務研修を実施しています。
 
 最初は窓口で直接お客さまとお話することができない状況に寂しさもあったのですが、今は内務事務社員として、たくさんのお客さまと接するコンサルタント社員と力をあわせてお客さまのお役に立てることに喜びを感じています」
コンサルタント社員に向けて、よく伝えているのは「お客さまを"家族"だと思うように」というアドバイスです。
高橋 「相手がもし自分の親や兄弟、子どものように大切な人だったとしたら、手続きをするときの話し方、提案する商品、対応のスピードまで、あらゆるところに心がこもるはず。

 たとえば、入院してしまったお客さまに対して、『この入院請求でしたら診断書がなくても手続きできるので、診断書の代わりにこの書類をご用意ください』とお伝えしたり、領収書をなくしたというお客さまには、『診療明細書なら無料で再発行してくれますよ』とお教えしたりと、できるだけお客さまの負担にならないようなご案内ができると思うんです。

 お客さまに選んでいただくためには、いただいた質問に即答できるよう練習を重ねて知識に磨きをかけるなど、常に自分を奮い立たせ、去年の自分よりも成長する気持ちを忘れないことが大切です。
 
 内務事務社員という立場ではありますが、コンサルタント社員に自らの知見を伝えつつ、先にいるお客さまに幸せになっていただけるように努めています」

気軽に相談し合えるコミュニティの活動にも参加。お手本となるような存在をめざして

笑顔 自拠点のほか自エリアにおいても、精力的に活動をする高橋。その活動の1つに、自エリア内で行われた女性活躍座談会があります。
高橋 「中国エリアのかんぽサービス部には女性社員が少ないため、キャリア等について相談がある時に相談できる環境を作ろうという考えのもと、女性社員が参加するコミュニティが立ち上げられました。徐々に関係性が構築され、コミュニティで知り合った女性社員に、業務についても気軽に相談ができるようになりました」
今後のキャリアを次のように展望します。
高橋 「座談会で、『仕事ができて面倒見の良い先輩社員が頼りになる』という話で盛り上がったことがありました。そのとき浮かんだのは、入社して最初に配属された郵便局で出会った先輩社員の姿。あの頃の先輩と同じくらいの年齢になった今、自分の番がきたのかもしれないと感じています。まだまだ努力している最中ではありますが、後輩社員たちから目標にされるような存在をめざしていきたいですね」
憧れの存在に成長を後押しされ、子育てを経て、生命保険業務という天職に出会った高橋。真摯に向き合う姿勢を次世代へと引き継ぎながら、後輩社員のロールモデルとしても活躍していくことでしょう。

※ 記載内容は2023年12月時点のものです

#キャリアデザイン

#かんぽ人

#島根県

#採用

ハッシュタグで探す

ピックアップ

TOP
New