すこやかコラム 第30回
その疲れ…原因は血液に関係アリ?3つの健康習慣で血行不良を改善!
歩いているとなんだか息切れする……その原因、血液に関係あるのかも。血液には酸素を全身に運ぶはたらきがありますが、これが鈍くなると血行不良が起き、さまざまな症状が体にあらわれます。
いつまでも健康で元気に歩くためには血液循環を活性化させることが重要です。今回は、血行を良くし、元気に歩ける体づくりに役立つ習慣をご紹介します。
有酸素運動で血行不良を改善&持久力を強化!
歩いているだけで疲れる、息切れするのは持久力が低下している証拠。持久力は、酸素をエネルギー源とするインナーマッスル(体の深層部にある、体幹の安定を支える筋肉:遅筋)が担っており、有酸素運動で鍛えることができます。
インナーマッスルは比較的衰えにくい筋肉とされています。しかし加齢や運動不足によって酸素を全身に運ぶ血液のはたらきが悪くなり「血行不良」になると、インナーマッスルが徐々に衰え、その結果、持久力が低下してしまいます。
血行不良を防止・改善して、持久力を強化するためには、有酸素運動でインナーマッスルを鍛え、血液の流れを活発にすることが重要です。
血行不良の原因と症状
持久力の低下につながる血行不良の主な原因は、これら3つの「不足」です。
人の体は、筋肉を動かすことによって全身の隅々まで血液を巡らせています。そのため、運動不足が続くとその機能が低下し、血行が滞ります。
血液は睡眠時に生成されます。睡眠時間が極端に少なかったり就寝時間がバラバラになったりしていると体内時計が乱れ、血液の生成が上手くいかなくなります。
血液の生成・循環には鉄分が必要です。鉄分をあまり含まない栄養バランスが乱れた食事を続けると、体内の鉄分の貯蔵量が次第に少なくなり、貧血を引き起こす可能性があります。
血行不良は持久力の低下だけでなく、さまざまな症状が体にあらわれます。これらの症状が現れたら、血行不良のサインかもしれません。
血行不良セルフチェック
- 疲れやすい、息切れ、動悸
- 食欲不振、悪寒
- 肩こり、腰痛、関節痛
- たちくらみ、手足の冷え、むくみ、便秘
- 吹き出物、目の下のクマ、顔のシミ
- 耳鳴り、抜け毛
1つでも当てはまる症状があれば、次に紹介する3つの健康習慣で血行不良の改善を心がけてみましょう。
血行不良を改善!今日から始める3つの健康習慣
血行を良くして健康な体をつくるために、3つの習慣を実践してみましょう。
適度な有酸素運動をする
血行不良の改善には、適度な有酸素運動が有効です。「ウォーキング」はインナーマッスルを強化して内臓機能を向上させ、血液の生成・循環に必要な鉄分の吸収力を高めてくれるといわれています。
より効果を高めるウォーキングの方法はこちらのコラムをご覧ください。
・いつでも、どこでも、誰でもできる!健康のためにウォーキングをはじめよう
質の高い睡眠を十分にとる
血液は睡眠時に多く生成されるため、決まった時間に質の高い睡眠をとることが重要。「週末に“寝だめ”しているから大丈夫」という方もいますが、これは体内時計を狂わせ、血液の生成を邪魔する原因になります。
寝だめが体に悪い影響を及ぼす理由と、質の良い睡眠をとるためのテクニックはこちらのコラムをご覧ください。
・「ソーシャル・ジェットラグ」って何?寝だめをやめて快眠を目指そう
・健康の源は質のいい睡眠にあり!ぐっすり眠れる3つのテクニック
鉄分を多く含んだ食事をとる
血液のもととなる鉄分を多く含んだ食品をとりましょう。鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、「ヘム鉄」はレバーやしじみといった動物性食品、「非ヘム鉄」はほうれん草や大豆といった植物性食品に含まれています。これらの鉄分が含まれた食品をバランスよく摂取することを心がけましょう。鉄分を補うサプリメントも有効です。
鉄分が多く含まれている野菜と言えば、ほうれん草のイメージがありますが、実は小松菜にも鉄分がたくさん含まれています。小松菜は「非ヘム鉄」のため、「ヘム鉄」に比べると吸収がよくありません。ですが、ビタミンCや肉、魚、卵などのたんぱく質と組み合わせることで鉄分の吸収率が高くなります。
牛肉と小松菜の炒めもの
■材料 (2人分)
●牛こま切れ肉
200g
●小松菜
1袋
●片栗粉
大さじ1
●サラダ油
適量
●【A】オイスターソース
大さじ1
●【A】しょうゆ
大さじ1
●【A】酒
大さじ1
●黒こしょう
少々
■作り方
- 1.小松菜は5センチ幅に切り、牛肉に片栗粉をまぶす。【A】の調味料は混ぜ合わせておく。
- 2.フライパンにサラダ油をひき、牛肉を炒める。
- 3.牛肉に火が通ったら、小松菜を入れ、しんなりするまで炒める。
- 4.【A】の調味料を加えてさらに炒め、味が馴染んだら、仕上げに黒こしょうをふる。
健康的な体をつくるためには、血行不良を改善する「運動」「睡眠」「食事」の3つの習慣が大切です。これらの習慣は血行を良くする、すなわち血管年齢を若返らせることにもつながります。健康的な体は見た目の若さにも影響します。
当たり前のことのようにも思いますが、意外とできていない習慣もあるのではないでしょうか?もう一度、毎日の生活を見直してみましょう。心がけひとつで、血行不良による悩みも解決されるかもしれません。今日から3つの健康習慣で、元気で健康的な毎日を目指しましょう。
「透明な涙が、赤い血液からできている」と聞くと、ちょっと驚いてしまいますが涙は血液をもとに作られています。
血液は「赤血球」、「白血球」、「血小板」、「血漿(けっしょう)」からできていますが、涙はこの血液の成分から「赤血球」などを除いた、「血漿(けっしょう)」の成分からできています。
涙が透明なのは赤い色素のヘモグロビンが含まれた「赤血球」が除かれ、約90%が水分の「血漿(けっしょう)」でできているためです。
2021年9月公開