すこやかコラム 第5回
健康の源は質のいい睡眠にあり!
ぐっすり眠れる3つのテクニック
気温、湿度ともに高くなる季節。冷房をつけたままだと身体が冷えるし、冷房を切ると暑くて眠れないという人もいるでしょう。梅雨や夏といったシーズンにぐっすり眠れないのはなぜでしょうか?夏の寝苦しい夜でも快眠するための方法、快眠グッズなどをご紹介します。
梅雨や夏に眠れないのはなぜ?
「深部体温」とは、脳や内臓などの体の内部の温度のこと。体温は睡眠と深い関係を持っています。人間はいつも眠る時間が近づくと「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの分泌量が増え、次第に「深部体温」が下がっていくことで眠気を感じ、スムーズに眠りに入ります。蒸し暑い夜に寝苦しさを感じるのは、身体の表面から熱を放散できないために深部体温が下がらず、寝付きが悪くなって目が覚めてしまうためです。
ほかに寝付けない理由のひとつに「冷房病」も。冷房で身体が冷えきって室内外の温度差に身体が適応できなくなり、夜になっても深部体温が下がらず、深い睡眠になりにくいと考えられます。また自律神経のバランスが崩れて「冷え性」「肩こり」「疲労感」「腰痛」といった症状が現れることもあります。
次は寝苦しい夜でもすっきり眠れる方法をご紹介します。眠りの質を向上するための快眠テクニックで、理想の睡眠を手に入れましょう。
ぐっすり眠るためには?
寝る1~2時間前に入浴
深部体温は少しずつ下げるよりも、一気に上げて急降下させるほど眠気を感じやすくなります。この体温の調整に効果的なのが入浴です。就寝1~2時間前の入浴で寝付きがよく、深い睡眠を得られるようになります。
38~40℃のぬるめのお湯に10~20分ほど浸かり、全身の血流をよくすることで入浴後の体温が下がりやすくなります。アロマオイルや入浴剤を使ってリラックス効果をプラスするのもおすすめです。
ストレッチして体をほぐす
自律神経を整えるためには、寝る前にストレッチをすると身体の緊張がほぐれ、筋肉が適度に緩むことで血流がよくなります。血流がよくなると身体がリラックスして安眠につながります。冷房病による、自律神経の乱れを改善できる効果も期待できます。
ストレッチのポイントは、ゆっくりのんびりと身体を伸ばすこと。とくに首・太もも・背中を伸ばすことを意識してストレッチしましょう。床に座った状態で呼吸を整え、身体を動かしながら深呼吸してゆっくりと伸ばしていきます。
お酒を飲まれる方は・・
アルコールの摂取によって眠気が引き起こされますが、アルコールは3時間ほどで分解されアセトアルデヒドが生成されます。このアセトアルデヒドは覚醒度を高めるので、浅い眠りになっています。お酒を飲むなら、就寝する4時間前までにしておきましょう。
お酒を飲んでから寝ると、夜中に目が覚めてしまう「途中覚醒」を招きやすいという研究結果もあります。
快眠グッズをチェック!
体に合ったベッドや布団なども睡眠の質を左右する重要なポイントですが、ここでは簡単に取り入れられる快眠グッズをご紹介します。
洗い流す必要がない液体スプレーは寝入りばなの寝苦しさを吹き飛ばしてくれます。汗のベタつきとニオイを抑える効果があるものも。また発熱時に使う貼るタイプのアイスノンも効果的です。保冷剤などで耳から下を冷やすと脳の働きが上がってかえって眠れなくなるため、枕タイプのものは注意しましょう。
ホワイトノイズとは、人間の耳に聞こえるあらゆる周波数の音をほぼ同一の強さで含んだ音のこと。この音は睡眠の質を向上させる音として注目されています。ホワイトノイズが流れていると他の雑音が気にならなくなり、リラックスできると言われています。ホワイトノイズを生成するスピーカーやアプリ、音声データなどがありますので、試してみてはいかがでしょう。
人は光を認識している間は常に目を使用している状態で、まぶたを閉じていても完全に光を遮断できません。アイマスクで光を大幅に遮断することにより、睡眠の質を上げ、熟睡できるようになります。目の疲れも感じるようであれば、目元の筋肉がほぐれて血流もよくなり、目の疲労回復や目の下のクマの解消にも繋がります。
夜になっても気温が下がらない熱帯夜や湿度が高くて蒸し暑い夜は、眠りが浅いために疲れが抜けなかったり、ストレスを感じたりと肉体的にも精神的にも悪い影響が出てきます。睡眠の質を上げるコツや方法を今日から実践し、良質な睡眠を手に入れて健康的な毎日を送りましょう!
なぜ眠れないときには羊を数えるのでしょう?ルーツは英語の「Sleep」と「Sheep」の発音が似ているから…など諸説ありますが、数えても眠れなかった!という人は多いのではないでしょうか。2002年オックスフォード大学の研究によると、この眠り方は効果的ではなく、静かな海辺や小川など自然を思い浮かべたほうが20分も早く入眠できたそうです。
「すこやかんぽ」のプレミアムメニューでは、食事・運動・睡眠の正しいサイクルをサポートします。生活改善メニューを継続することで代謝もアップし、健康年齢を改善することができます。ぜひ、ご活用ください。
2019年6月公開
出典:
・眠りのメカニズム(e-ヘルスネット 厚生労働省)・暑い季節に寝苦しい理由と対処法(フミナーズ)
・日常生活にプラスして自律神経の不調を改善しよう(株式会社ルネサンス)
・岡島義先生の「質のよい睡眠クイズ」1(大学公開講座の情報検索まなナビ)
・【快眠グッズ32選】熟睡から爽快な目覚めまで眠りを良質化(快眠タイムズ)
・夏の夜、ぐっすり眠るには(NHK 生活情報ブログ)