Vol.17 医師の「運動しなさい」は意味なし?
運動習慣が身につくポイントとは
健康診断の結果を受けて、医師から「運動しなさい」と忠告されるケースは珍しくありません。
その多くは、血糖値や中性脂肪、コレステロール値の高さが原因。
しかし、医師の言葉を受けて、実行に移す方はほとんどいないそうです。一体なぜでしょうか?
この記事では、運動不足とわかっていながら対策ができていない方向けに、健康に一歩前進する考え方のポイントをお伝えします。
自宅でできる運動プログラムもご紹介しますので、今後の習慣づけの参考にしてみてください。
なぜ医師に指摘されて運動しないのか?
昨今では、大きな公園でウォーキングしたり、スポーツジムで運動に励んでいたりする女性の姿をよく目にします。
男性と比べて女性のほうが健康志向は高いように感じますが、意外にも運動習慣があるひとの割合は、どの年代においても男性が女性を上回っています。(※1)
女性が運動しない理由のなかには、「そもそも運動する習慣がない」「あまり運動が好きではない」という声も少なくないようです。
「実生活」と「運動すること」に、距離を感じるひとが多いのかもしれません。
「なにをどうはじめるべきか」がわからない
とはいえ、なぜ医師から忠告を受けても運動しないのでしょうか。その主な理由として、次の3つが挙げられます。
●運動すると、からだのどこかが痛くなる
●忙しくて運動する時間がない
●運動しろと言われても、なにをどうはじめるべきかわからない
このなかで気になるのは、「なにをどうはじめるべきかわからない」という声です。
たしかに「運動しなさい」と言った医師が、一人ひとりに合わせた運動メニューを提案する機会は少ないかもしれません。
運動習慣のない方が無理なくからだを動かすには、それなりの知識やプログラムが必要と言えそうです。
慢性的な不調は運動不足から
あなたは、「普段からストレスが溜まっている」「慢性的な疲労が抜けない」「日頃から熟睡できない」といった日常生活での悩みをもっていませんか?
こうした慢性的な不調は、実は運動不足が原因と言われています。
現時点では大きな病気を抱えていなくても、積み重ねによってからだを患ってしまう可能性は十分にあります。
突然のリスクから身を守るためにも、適度な運動を続ける習慣が大切なのです。
これで筋力不足を解消!
女性のための運動プログラム
ここでは、運動習慣がない女性のための運動プログラムをご紹介します。毎日続けて、ゆっくりとからだを鍛えていきましょう。
【座って】筋力アップ
背中の筋肉を伸ばす運動
- 椅子に座った状態で足を肩幅まで開いて、つま先を広げます。
- 指が肩甲骨に届くよう、右肩に左手を乗せます。
- 左ひじの下に右腕を入れた後、左手を肩から離します。
- 顔の前で両手の甲をくっつけるように、腕を重ね合わせます。
- 上体を前にたおしつつ、ひじをからだから離すようにして肩甲骨を広げます。
この状態を30秒キープ。このとき、背中の筋肉を伸ばしてください。
反対の腕も同じように行います。1日2~3回繰り返すとよいでしょう。
肩こりを解消する運動
- 水の入ったペットボトル(500ml)を2本用意します。
- 1本ずつをそれぞれの手に持ち、ひざに置いて椅子に座ります。
- 両手のペットボトルを天井に向けてゆっくりと上げます。
これを10回繰り返してください。
【立って】筋力アップ
脚のむくみを解消する運動
- 両脚をそろえて立ちます。
- 右足を外側へ大きく開いて、左脚を伸ばすように右ひざを曲げて腰を落とします。
足の位置は肩幅の倍くらいが適切です。 - 右ひざを伸ばして床を蹴り、元の直立姿勢に戻ります。
これを5回繰り返します。終わったら、反対側も同じ動きを行ってください。
子どもとできる足腰の運動
- 子どもと向き合って立ちます。
- 子どもの足を自分の足の甲に乗せて、子どもの二の腕あたりをもちます。
- バランスを保ちながら、片足を上げます。
- 足を戻して、反対側の足を上げます。
これを10回繰り返してください。
小さな達成感が筋力アップのポイント
最初から無理に運動してからだを痛め、続けるモチベーションが下がってしまったというケースは少なくありません。運動を継続する秘訣は、いまよりも少し頑張ればできる目標を立てることです。
1週目に10回繰り返していたものを、翌週は11回にするだけで徐々に筋力は向上していきます。
「今日はできた」という小さな達成感が、運動習慣にはとても大切。
「運動しなきゃ…」という義務感や強迫観念にしばられるのではなく、「からだを動かすと楽しい」と感じられることが、結果として健康につながっていくのです。
※1 厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成29年)より情報抜粋
「運動習慣」とは、週に2回以上、1回30分以上の運動することを指す。
2019.11.8 作成