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株式会社かんぽ生命保険
株式会社かんぽ生命保険(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 谷垣邦夫、以下「かんぽ生命」)、東京都健康長寿医療センター(東京都板橋区、理事長 鳥羽研二)、東京医科大学(東京都新宿区、学長 宮澤啓介)、NPO法人全国ラジオ体操連盟(東京都千代田区、会長 石﨑朔子)は、2021年10月11日にお知らせした「ラジオ体操の健康効果の検証に向けた共同研究開始」について、研究結果をお知らせいたします。
なお、本研究結果は疫学と社会医学の幅広いトピックを扱う国際誌「Journal of Epidemiology」に掲載されました。
1 ラジオ体操とかんぽ生命の関わり
ラジオ体操は、1928年にかんぽ生命の前身である逓信省簡易保険局によって制定され2028年に生誕100年を迎えます。
制定時に掲げられた「ラジオ体操によって国民が健康になり、寿命が伸び、幸福な生活を営むことができるように」という想いはかんぽ生命が継承し、これまでラジオ体操を通じた社会貢献活動として様々な取り組みを行ってまいりました(別紙1参照)。
超高齢社会を迎え、寿命が伸び、人生の長い期間にわたり、質の高い生活を維持するための取り組みが重要視されるようになった日本において、かんぽ生命はこれからもラジオ体操の普及・促進を通じて健康寿命の延伸、生きがいを持てる社会の実現を目指します。
2 共同研究の目的
ラジオ体操は、「いつでも、どこでも、誰でも」手軽に行えるだけでなく、関節や筋肉の柔軟性、バランス能力、下肢筋力、調整力、全身持久力など健康を維持するために必要な体力要素がバランスよく入っており、ラジオ体操の習慣化は、健康寿命の延伸に寄与すると考えられます。
しかしながら、かんぽ生命が2024年8月に実施した一般消費者調査では、ラジオ体操の国内での認知率は88.2%と高い一方で、1週間に1回以上行っている方の割合は12.1%に留まることが分かりました(別紙2参照)。
上記を踏まえ、国民の皆さまに、医学的な検証結果に基づくラジオ体操の健康効果を知っていただき、一人でも多くの方にラジオ体操を継続的・習慣的に行っていただけるよう、今回の共同研究を実施しました。
3 共同研究の方法
ラジオ体操がフレイルまたはプレフレイルの高齢者の健康関連QoL・運動能力等に及ぼす効果をランダム化比較試験(介入期間12週間)により検証しました。
フレイル、プレフレイル | フレイルは「Frailty(虚弱)」から作られた言葉で、機能的な能力が低下し、要介護状態に陥る危険性が高い状態のことを指します。プレフレイルはフレイルの前段階です。 |
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健康関連QoL: (Quality of Life) |
個人の生活の質を身体的、精神的、社会的な側面から多次元的に評価した概念です。 |
ランダム化比較試験 | ランダム化比較試験は、対象者を2つのグループに無作為に分け、対象者の背景情報を均質にします。そうすることで、ラジオ体操の効果を厳密に検証することができます。 |
運動セルフエフィカシー | 運動を継続できる自信を指します。 |
4 共同研究の結果
本研究の結果、ラジオ体操の実践は、フレイルまたはプレフレイル高齢者の敏捷性/バランス、持久力の向上、運動を継続する自信の維持には有益であることが分かりました(別紙3参照)。
一方で、健康関連QoLの改善には12週間の実践では有意な差はみられませんでした。
詳細はJournal of Epidemiologyに掲載された論文を参照ください。
【論文全文】https://doi.org/10.2188/jea.JE20230317
■東京都健康長寿医療センターについて
東京都健康長寿医療センターは、1872年に設立された養育院を前身に、高齢者医学・医療あるいは老年学のリーディングホスピタル・インスティチュートとして多くの診療実績・研究実績をあげています。2009年に、東京都老人医療センターと東京都老人総合研究所の両施設が一体化して地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターとなり、2013年には新病院・研究所に移転し、新たな環境と最新の設備の下、活発な診療、研究活動を展開しています。詳しくは、http://www.tmghig.jp/ をご覧ください。
■東京医科大学について
東京医科大学は、1916年、学生たちが理想とする医学校を創ろうと奔走し、学祖高橋琢也はじめ、各界からの支援を受けて、東京・新宿の地に建学された私立医科大学です。医学部には医学科と看護学科を有し、大学院には医学研究科(博士・修士)を設置しています。地域の医療ニーズに応え、大学病院(東京都新宿区)を中心に、茨城医療センター(茨城県稲敷郡阿見町)、八王子医療センター(東京都八王子市)と関東広域に附属病院を展開しています。建学の精神「自主自学」、校是「正義・友愛・奉仕」に基づき、「患者とともに歩む医療人を育てる」とともに、臨床を支える高度な研究を推進し、地域そして世界の健康と福祉に貢献しています。詳しくは、https://www.tokyo-med.ac.jp をご覧ください。
■NPO法人全国ラジオ体操連盟について
全国ラジオ体操連盟は、1962年の設立以来、ラジオ体操・みんなの体操の普及・促進を全国で展開しています。主な普及・促進の取り組みは、全国でのラジオ体操講習会の開催、地方自治体・企業等へのラジオ体操指導委員等の派遣です。
また、2005年に公認指導者資格認定制度を創設し、全国でラジオ体操指導者を育成しており、2023年度末では約3,000名の1級・2級ラジオ体操指導士が認定されています。
なお、近年はSNS等を活用したオンラインラジオ体操講習会の開催やYouTubeによるラジオ体操動画の配信も行っています。詳しくは、https://www.radio-exercises.org をご覧ください。
■参考:共同研究の実施体制
【お客さまのお問い合わせ先】 |
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かんぽコールセンター 電 話:0120-552-950 (平日9:00~21:00) (土日休日9:00~17:00) |
【研究内容に関する問い合わせ先】 |
東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム 研究副部長 笹井浩行 電話:03-3964-3241 内線4214 E-mail: [email protected] |