みんなの健康トークライブ
かんぽ生命健康づくりシンポジウム2010
~アスリートに学ぶ元気の秘訣~ 開催報告
2010年3月1日、日本青年館において『かんぽ生命健康づくりシンポジウム2010~アスリートに学ぶ元気の秘訣~』を開催しました。各界を代表するトップアスリートをお招きし、元気の秘訣や健康への取り組み方などを語っていただきました。
1.基調講演
「わたしのいきいき健康法~最高峰を目指して~」
講師:三浦雄一郎氏(プロスキーヤー)
エベレストに登るきっかけとなったエピソード、登ると決意してからの健康管理方法、そしてこれからの人生においての目標や夢を持つ大切さを語っていただきました。
父は101歳までスキーをやっており、中でも99歳でモンブランを滑り、その偉業は世界中に発信され、フランス政府からは勲章を授与されました。息子はリレハンメル・長野五輪に2回出場、現在も指導者として活躍。そんなことから、三浦家3代は健康家族・スポーツ一家とメディアでも紹介されていましたが、親と子どもはそのような偉業を成し遂げているけれども、自分はというと、50代で一線を退いてから、メタボな体でありました。
その頃は、食べ放題、飲み放題が大好きで、結果、病院での検査では、血圧は190、不整脈、糖尿・・・と入院を余儀なくされるほど健康とは程遠い体になっていました。
そのため、生活習慣を改める必要がありました。その頃、特に目標はなく「温泉をぶらぶらしていればいい」という考えでしたが、65歳の普通の数値には戻そう、と思い運動をすることを決意しました。
それには具体的な目標を持つことが大事と考え、「5年でエベレストに登ろう」と決意。
メタボな体をもつ自分がエベレストに登ったとなれば周りは驚くだろうとも思い、そこでまずは自宅近くの500m級の山を登り、2年で富士山を登れるようにと計画をたてました。
最初は、500m級の山でさえ登ることは困難で、脂汗に足の痙攣、少し休むと立ち上がれなくなる。
これはさすがに(元プロスキーヤーとして)この姿を知っている人に会ったら不味いと思い、被っていた野球帽を目深にしたのを覚えています。
筋力が相当に落ちていたので、トレーニングが必要でした。ただ、スクワットや腹筋などの苦しい・辛いだけのトレーニングはやめようと考え、有酸素運動のウォーキングを取り入れました。
自分の場合、ウォーキングに錘を背負って体に負荷をかけて歩いていました。当時、東京の事務所のあった原宿から東京まで、足には5kgの鉄アレイ、背中には20kgのザックを背負い、約2時間歩いていました。
おかげで、45もあった体脂肪は20くらいになりました。
骨も丈夫になり、昨年、スキー場で骨盤骨折という大怪我をしましたが、回復する速さは10代並み、骨密度は20代とお医者さんに言われました。
このように自分なりのトレーニングをしましたが、楽しいことはやめないで続けようと考え、大好きな食べ放題・飲み放題は回数を減らして、続けていました。
ウォーキング以外で続けていることは、口呼吸ではなく鼻呼吸をすること。これはウィルスを直接体に入れないためです。
最後になりますが、目標を持つことは大事です。食生活も大事です。
人生、目標と夢があれば心と体を動かしてくれます。是非皆さんも頑張ってください。
2.みんなの体操
実演:ラジオ体操アシスタント 横川道乃氏
NHKのテレビ・ラジオ体操のアシスタントとしてお馴染みの横川道乃氏をお招きし、横川氏の実演のもと、会場のお客さまも一緒にみんなの体操を実演しました。
横川氏
「基本は、8つの動作でできています。
瞬発力を高める動きもありますが、形にこだわらず、無理をせず動かしてください。
また、日常生活においてつまづいた時、とっさに手をだせるような、防衛本能を高める体操もあります。
是非楽しく体操をしてください。」
(参考)
「みんなの体操」は、座ったままでも出来る簡単な体操です。
「ユニバーサルデザイン」という考え方のもと、年齢・性別・障がいの有無を問わず、すべての方々が楽しく安心してできる体操として、平成11年に考案されたもので、かんぽ生命では、NHK、全国ラジオ体操連盟と共同で、ラジオ体操と合わせて、その普及推進に取り組んでいます。
お馴染みの「ラジオ体操」は、昭和3年、昭和天皇即位の記念に当時の逓信省簡易保険局が制定し、80年を超えて皆さまから親しまれています。
いつでも、どこでも、だれでも、道具無しで出来るのがラジオ体操・みんなの体操です。
かんぽ生命のホームページでは、ラジオ体操第一、第二及びみんなの体操を動画で紹介しています。
ご一緒にラジオ体操・みんなの体操をしてみませんか!?
3.パネルディスカッション
テーマ:「アスリートに学ぶ元気の秘訣」
パネリスト:
三浦雄一郎氏(プロスキーヤー)
田中雅美氏(スポーツコメンテイター)
白石康次郎氏(海洋冒険家)
進藤丈介(株式会社かんぽ生命保険代表執行役会長)
コーディネーター:
庄司麻由里氏(フリーアナウンサー)
各界を代表するアスリートの皆さんから、ラジオ体操の思い出や簡単に出来る運動やトレーニング、さらには食事、楽しく続ける方法などの元気になる秘訣を教えていただきました。
○パネリストの運動やトレーニングについて
庄司氏:アスリートの皆さんならではの運動法などをお聞かせください。
田中氏
「現役の頃は、朝6時には起き7時には泳いでました。1日15km泳いだときも。男子と同じトレーニングをし、腰から紐でバケツをぶらさげて負荷をかけて泳ぐなどきつい練習をしていました」
白石氏
「フィジカルトレーニングはあまりやりません。やるとしたら武道。少林寺拳法や居合道をやっています。
ヨットは長いレースで勝ち負けの前に、生き死にの問題があります。スタートしてからゴールまで約2ヶ月、交代要員はいません。だから眠れない。常に風の変化などのチェックが重要。トイレの時も、食事の時も真剣に臨むことが求められます。24時間全部がレースなので健康が必要です」
○簡単に出来る運動やダイエットについて
庄司氏:アスリートならではの運動を教えて頂きましたが、会場の皆が出来る簡単な運動やダイエット方法はありますか?
田中氏
「現役時代は、厳しいトレーニングをしてましたが、体脂肪は20前後。着る服はメンズもので女子プロレスラーに間違われた事もありました。自分の場合、4年間かけて13kgダイエットをしました。
最初は食べない、動かない、水だけの生活。これは失敗で朝が辛く動けなくなって、しまいには運動不足からヘルニアになりました。
(元水泳選手のため)水では楽に泳げるから水泳ではやせられない。だからジョギングや腹筋をします。
歩きたいときは週1回でもいいので歩きます」
*来場者にも簡単に出来るストレッチを実演して頂きました。
三浦氏
「舌出し運動がいいと思います。口を大きく開けて思いきり舌を出す。これ以上にない簡単な方法で、車の運転中にもできます。
また、ウォーキングもお勧めですが、特に錘など負荷をかけてやるのが効果的です。自分の場合、1.7kgの靴を履き、2.3kgの錘を脚に巻いています。最初は軽い負荷で、女性ならばまず0.5kgからやるのがいいと思います」
○食事について
庄司氏:アスリートは食事にも気を遣っているかと思いますが、皆さんの食事についてお聞かせください。
白石氏
「ヨットにはガス・電気・水道がありません。冷蔵庫がないから昔は野菜不足による壊血病で亡くなった方がいました。ご飯はアルファー米が主食で、缶詰やレトルトが中心です。ビタミンはサプリメントで補完しました。
生きている飛び魚やいかがヨットに入ってきて、それを頂くこともあります。常に死と隣り合わせなので生あるものを頂くとき、生きていることに実感が湧き、一食一食に感謝するようになりました」
三浦氏
「エベレストのベースキャンプまで行商がきて、肉・大根・さつまいもなども5,300mのところまで売りに来てくれるので困りませんでした。自分はキムチが大好きで冷凍乾燥で持っていきました。
8,300mでキムチ鍋を食べたことが自慢です。同じく手巻き寿司も8,300mで食べた人はいないでしょうから自分が世界一でしょう。また、山では海のものをよく食べます。体の成分に近くミネラルが豊富だからです。それから赤ちゃん用ミルクは栄養バランスがよくアンチエイジングにとてもいいですよ(白石さんも同意見)」
田中氏
「現役中、トレーニング時はたんぱく質をメインに、レース前は炭水化物を中心にとっていました。
今はご飯も沢山食べますし、よく飲み、朝方にラーメンも。そのときは割り切って楽しんで食べます。
でも、次の日など2~3日でバランスをとるよう調整します。1食でバランスをとるのではなく、我慢しないで食べたいときは食べる。ストレスをためないようにしています」
○楽しく続ける秘訣
庄司氏:とかく運動やダイエットは長く続きませんが、楽しく続ける秘訣はありますか?
白石氏
「数あるダイエット方法はどれもあっているはず。人間は辛いものから逃げるのが普通で、急の変化は難しいのではないでしょうか。辛いことから逃げられないものとして考え、苦しみを苦しみではなくすることが必要です。大仕事・大休みはせずに、定期的に休む。しかし休むとだらけるので時間を決めて休む。
ダイエットも2~3日頑張って、1日は休むなどの工夫が必要と思います」
田中氏
「自分に興味・関心を持つこと。ふと思うことに対して対処していくこと。例えばお風呂に入る前にお腹のお肉をつまむ。トイレに入った時にお腹を見る。それから無理をせずストレスをためずにやることも大事です」
三浦氏
「年齢を重ねるとモチベーションが下がるものですが、そういう時は歳だからやってみようと考える。
そこからがスタート、今からがスタート、と考える」
進藤会長
「それぞれの道を究めたアスリートの皆さん話しは興味深く、楽しく伺いました。
毎日自分も朝5時に起床しラジオ体操をしていますが、目標をもって何かをやってみたいと改めて思いました。
かんぽ生命はラジオ体操の推進などにより皆さまの健康づくりを支援する企業として、今後も健康づくりシンポジウムを続けていきたいと思います」
4.抽選会~閉会
第一線で活躍のアスリートから元気の秘訣を教えて頂き、エネルギーを分けてもらった楽しい3時間。会場は司会のニッポン放送アナウンサー垣花さんの絶妙なトークもあって、笑い溢れる楽しい時間があっという間に過ぎてしまいました。
最後に抽選会を実施しましたが、パネリストの皆さんにもご協力頂き、大いに盛り上がりました。
これからも、皆さまの声にお応えし、社会貢献活動の一環として健康づくりシンポジウムを続けていきたいと考えています。
今後ともかんぽ生命をよろしくお願いします。