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株式会社かんぽ生命保険(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 千田哲也、以下「かんぽ生命」)は、このたび、米州開発銀行(以下「IDB」)が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンド(60百万豪ドル/約50億円)への投資を実施しましたので、お知らせします。本債券は、IDBが人、動物、地球環境の健康を一体として考えたワンヘルス(One Health)・アプローチを積極的に推進する中で、自然環境保全や動物由来感染症研究の支援を重点テーマとして発行する初めてのサステナブル・ディベロップメント・ボンドとなります。なお、かんぽ生命は、本債券の発行額の全額を購入しております。
COVID-19をはじめとした動物由来感染症の発生率は近年増加しており、世界保健機関(WHO)によって提供されたデータによると、人に感染する病原体のうち、60%は動物起源(人獣共通感染症)であり、すべての新規感染症の75%は人獣共通感染症であると推定されております。COVID-19に限らず、エボラ出血熱、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザなど、動物由来感染症による人類への影響は深刻化の一途を辿っています。こうした動物由来感染症は、野生生物や資源の搾取、気候変動など、自然環境の劣化によって引き起こされています。こうした現状のなか、ワンヘルスという考え方が世界的に広がっています。ワンヘルスとは、人だけでなく、動物や地球環境におけるすべての「健康」を一つと捉える考え方で、人、動物、地球環境がそれぞれバランスよく健全であれば、動物由来感染症の予防につながるとされています。IDBはこの分野に積極的に取り組んでおり、具体的には、動物の病気の診断・研究支援や、持続可能な土地活用および農林業の普及支援を行っています。例えば、IDBの推進するアグロフォレストリー(森林農業)は、樹木の植栽を通じ、森林を適切に管理しながら農作物栽培や家畜飼育等を行う方法で、持続可能な森林利用や生物多様性の保全を目的としたプロジェクトとして注目されています。
本債券を通じて調達された資金は、ラテンアメリカ及びカリブ海地域における自然環境保全や動物由来感染症の研究プロジェクト等へのワンヘルス・アプローチの導入支援をはじめ、IDBが展開する加盟諸国の環境と調和した社会発展のためのプロジェクトに充当される予定です。
かんぽ生命では、生命保険会社としての社会的責任を果たすため、資産運用において「ESG 投資方針」(注)を定め、ESG の諸要素を投資判断の際に考慮することで、持続可能な社会の実現と長期的な投資成果の向上・リスク低減を推進しています。また、「環境基本宣言」を掲げ、次世代へ住みよい地球環境資源を引き継ぐことを目的として、気候変動による影響に適応した事業運営に努めるとともに、地球環境への負荷低減に配慮した事業活動および環境保全活動を積極的に推進しています。投融資においては、ESG要素を考慮する手法の一つとして、テーマ型投資を用いており、投資を行う際には、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献できるテーマを選択し、ESG課題の解決に有用なプロジェクトに投資を行っています。
かんぽ生命は、今後もこのような資産運用を通じて、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献するよう積極的に取り組んでいきます。
【注】ESG投資方針
https://www.jp-life.japanpost.jp/aboutus/csr/responsible_investment/esg.html
<本債券の概要>
発行体 | 米州開発銀行(IDB) |
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発行体格付 | Aaa/AAA(Moody's/S&P) |
年限 | 10年(2031年3月19日) |
発行総額 | 60百万豪ドル(約50億円) |
利率 | 2.067% |
写真提供: 米州開発銀行