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株式会社かんぽ生命保険(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 千田哲也、以下「かんぽ生命」)は、環境配慮や持続可能性のある経済への移行を目指したグリーントランジションや、新型コロナウイルス危機からの経済復興と同時に気候変動対策の取り組みも加速させるグリーン・リカバリーを重要なテーマとしております。このたび、欧州復興開発銀行(EBRD)が発行する豪ドル建て「グリーン・トランジション・ボンド」(2.8億豪ドル/約225億円)への投資を実施しましたので、お知らせします。本債券は、EBRDが日本の投資家向けに私募で発行する初のグリーン・トランジション・ボンドとなります。なお、かんぽ生命は、本債券の発行額の全額を購入しております。
グリーントランジションとは、GHG(温室効果ガス)を多く排出する工業・農業・建設などの産業部門について、その事業モデルを低炭素化に「移行」することです。主に化石燃料使用量の大幅な削減に焦点を当てており、また資源の使用の改善にも注目しています。脱炭素化が困難なGHG多量排出産業は、移行戦略を明確にし、それに一致するプロジェクトを特定して実施するためのサポートを必要としていることがしばしばあります。グリーン・トランジション・ボンドで調達された資金は、エネルギープラントの燃料消費の効率化や温室効果ガス排出量の低減のためのクリーンな燃料への転換など、低炭素化への移行を目的とした環境負荷が高い産業セクターにおける排出量の大幅削減につながるプロジェクトへの融資にのみ充当されることから、本債券は脱炭素社会への移行を推進する中で極めて重要な役割を果たすと考えております。
またEBRDは近年、支援対象国におけるグリーン低炭素経済への移行サポートに強くコミットしており、足元では「グリーン・エコノミー・トランジション2021-25」と名付けた5ヵ年計画において、年間新規投資に占めるグリーン比率を2025年までに50%以上に引き上げることを目標に掲げております。本債券の資金も13番目のSDGsである「気候変動に具体的な対策を」を含む持続可能な開発目標に貢献し、またパリ協定の目標を達成するためのプロジェクトを実施する国々をサポートするEBRDのグリーン・トランジション・プロジェクトに割り当てられます。
かんぽ生命では、生命保険会社としての社会的責任を果たすため、資産運用において「ESG 投資方針」(注)を定め、ESG の諸要素を投資判断の際に考慮することで、持続可能な社会の実現と長期的な投資成果の向上・リスク低減を推進しています。また、「環境基本宣言」を掲げ、次世代へ住みよい地球環境資源を引き継ぐことを目的として、気候変動による影響に適応した事業運営に努めるとともに、地球環境への負荷低減に配慮した事業活動および環境保全活動を積極的に推進しています。
投融資においては、ESG要素を考慮する手法の一つとして、テーマ型投資を用いており、投資を行う際には、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献できるテーマを選択し、ESG課題の解決に有用なプロジェクトに投資を行っています。
かんぽ生命は、今後もこのような資産運用を通じて、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献するよう積極的に取り組んでいきます。
【注】ESG投資方針
https://www.jp-life.japanpost.jp/aboutus/csr/responsible_investment/esg.html
<本債券の概要>
発行体 | 欧州復興開発銀行 |
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発行体格付 | Aaa/AAA(Moody's/S&P) |
年限 | 10年(2031年1月28日) |
発行総額 | 2.8億豪ドル(約225億円) |
利率 | 1.20% |
<欧州復興開発銀行(EBRD)について>
欧州復興開発銀行は1991年に設立された国際金融機関で、日本を含む69カ国および欧州連合、欧州投資銀行が出資しています。EBRDの使命は、3大陸にまたがる38の地域で、市場経済への移行および持続可能な経済成長を促進することです。民間セクターを強化し、経済をより競争力があり、統治され、環境に優しく、包括的で、回復力があり、統合されたものにするためのプロジェクトに資金を提供します。
日本との関係は非常に深く、EBRDにおける日本の出資比率は9%となっており、米国に次いで第二位の出資国となっているほか、2016年にEBRD代表事務所が東京に開設されて以降、協力関係がさらに深化しています。昨年10月にはEBRDと日本貿易保険(NEXI)が協力覚書を締結し、本邦企業が海外において展開するプロジェクトに対してNEXIとEBRDとが協調してより効果的な支援を行うこととなっています。