すこやかコラム 第56回
冬の旅行を楽しむための体調管理のポイント
冬の旅行を思いっきり楽しむためには、旅先の情報収集や旅程づくり、持ち物の準備などが大切ですが、何よりも体調管理は万全にしておきたいものです。
今回は、旅行を楽しむための体調管理のポイントをご紹介します。
旅行前に天候を確認しておきましょう
冬の旅行で気をつけたいのが、寒さ対策です。目的地の天候や気温をあらかじめチェックし、どんな服装がふさわしいか、しっかりと考えて準備しましょう。室内外で脱ぎ着しやすいように、軽めの素材のアウターを用意しておくと安心です。
冬の旅行で準備しておきたいおすすめアイテムは次の3点です。
- 日中は暖かく感じても夜になると急に冷え込むこともあります。天気の良い日でも風を通しにくく、保温性に優れた素材のアウターを準備しておきましょう。
- 暖房の効いた建物内や気温の高い日は、思いのほか、汗をかくこともあります。体温調節をサポートし快適に過ごせる吸汗速乾性のあるインナーを重ね着することがおすすめです。
- 帽子や耳当て、マフラー、手袋などは体感温度を調整するのに役立ちます。忘れずに持参しましょう。
首、手首、足首といったいわゆる「3つの首」と呼ばれる部分は皮膚が薄く、冷やすと動脈が冷えて体温が奪われます。その対策として、マフラー、手袋、長めの靴下を利用して体を冷やさないようにしましょう。
冬の旅行で気を配りたい食事のポイント
寒さ対策のひとつとして、栄養バランスを整え、体を温める食事に気を配りましょう。
体は食べ物を消化・吸収する過程で熱を
生み出します。朝は体温が低いため、
朝食をしっかり取ることで体を
温めましょう。朝食バイキングでは
次のような組み合わせがおすすめです。
朝食に取り入れたい
食事の組み合わせ
ご飯やパンなどの
炭水化物
すぐにエネルギーに変わる
焼き魚やベーコンエッグ
豆腐などのタンパク質
体内で熱を生み出しやすい
根菜類を取り入れた温かい
みそ汁や野菜スープ
体を温める効果をもたらす
飲み物は温かいものを中心に
旅行中は体温を維持するために常温の水や、温かい飲み物を選ぶと体が冷えにくくなります。
旅行中は便秘になりやすい!?
旅行中は、環境の変化による自律神経の乱れ、水分不足、栄養バランスが偏った食事や睡眠不足が原因で便秘になる可能性が出てきます。
食事で気を付ける事として、食物繊維を多く含む根菜、海藻、キノコ、ヨーグルトなども意識した食事を考え、十分な水分を摂取するよう気をつけましょう。
冬の旅先でも楽しめるウォーキングのメリットと、おすすめのウォーミングアップ
旅先では健康的にリフレッシュできるウォーキングがおすすめです。
美しい自然や街並みを眺めながら、歩く時間を楽しみましょう。
ウォーキングによって血液の流れが活性化し、体温アップ。体を動かしやすくなり、1日を快適に過ごせます。
慣れない環境では睡眠の質が低下することも。日中にウォーキングすることで、適度に疲れを感じ、夜には眠りやすくなります。
一定のリズムで歩くことで交感神経を活性化。心を落ち着かせ、ポジティブな気分を生む「セロトニン」の分泌が促され、気持ちもリフレッシュします。
冬のウォーキングの注意点
履き慣れていないブーツなどで歩くときは、
足への負担を考え、適度な休憩を取りましょう。
外出する前は、軽い運動やストレッチでウォーミングアップをすることもおすすめです。
けがの予防だけでなく、体を温めると外出しやすくなり、旅行をより快適に楽しむことができます。
肩回し
- 肘を使って大きな円を描くように肩を回します。
- 同様に反対の方向にも回します。
足回し
- 足首で円を描くように回します。
- 同様に反対の方向にも回します。
腰回し
- 頭は動かさずに腰だけを回します。
- 同様に反応の方向にも回します。
- 関節を意識しながら、ゆっくり無理なく回す
- 関節の動きがスムーズになるまで行うと効果的
- 壁に両手をつき、片足を後ろに伸ばします。
- 前方の足に徐々に体重をかけ、ゆっくりと膝を曲げます。体重をかけたまま、30秒間キープ
- 反対側の足でも同様に行う
- 壁を使うと安定感が増す
- 後ろ足は膝を曲げないように意識する
旅先で具合が悪くなったらどうすればいい!?
万が一、旅先で体調が悪くなった場合、旅行を中断し、お店や宿泊施設で休むことが大切です。体調が改善しない場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。もし専門医が不在なら、受診した医療機関から別の適切な場所を紹介してもらうことも検討しましょう。
健康保険証
(マイナンバーカード)
今後はマイナンバーカードが利用できる医療機関・薬局が多くなる事が見込まれます。併せて持参しておくと安心です。
どちらもコピーが使えない場合があるため、必ず原本を携帯しましょう。
お薬手帳
これまでに服用した薬やアレルギーの記録が載っているお薬手帳を持参することで、医師に正確な情報を伝えられます。
就寝時、足が冷たくて靴下を履いて眠る人がいますが、実は逆効果。睡眠中、ヒトは手足から体温を放出し、深い眠りに入ります。しかし、靴下を履いたまま眠ると、手足からの熱の放出が妨げられ、深部体温が下がりにくくなり、結果として眠りが浅くなってしまうのです。
冬の旅行を楽しむために、出発前からの体調管理がとても大切です。食事や運動、服装などに気をつけて、健康的に素敵な思い出を作りましょう。
2024年1月公開