すこやかコラム 第55回

すこやかコラム 第55回

冷え性と冷え症の違い、体を温かく保つ日常生活のポイントとウォーキングの効果

寒い季節は、冷え性の方にとって辛い時期ですよね。手足が冷たいだけでなく、体が冷えて寝つきが悪いこともあることでしょう。冷え性は「冷えやすい体質」だけでなく、頭痛、肩こり、不眠、倦怠感などといった不調を引き起こす原因となります。
そこで、今回は、日常生活で実践できる簡単な冷え対策をご紹介します。

セクション01

「冷え性」と「冷え症」は、どう違う?

「冷え性」や「冷え症」は、手足や腰、腹部などが冷たく感じる症状を指す言葉ですが、両者の違いは次の通りです。

冷え性

西洋医学では体質と捉えられており、明確な治療法は確立していない

冷え症

東洋医学では、病気として考えられているため、改善策として日常生活の見直しや漢方薬の服用がある

つまり

「冷え性」と「冷え症」の違いは、体質か病気かといった
捉え方の違いであり、体が冷えるという観点では変わりありません。

冷え性の原因

冷え性の原因には、以下のようなものが挙げられます。

血行不良

血液の流れが悪いと、毛細血管まで温かい血液が流れず、体の末端である手足が冷えやすくなります。体を締めつける衣服も血行を悪くする原因の一つです。

筋力低下

体内で発する熱の約6割は筋肉によって作られるため、筋肉量が少ないと生み出される熱量が少なくなり、冷えを招きます。

ホルモン
バランスの乱れ

女性ホルモンのバランスが月経、出産、更年期などで乱れると、全身の血流が悪化しやすくなります。

不規則な生活

生活リズムが逆転したり、朝食を抜いたりすると、自律神経のバランスが乱れ、その結果、体が冷えることがあります。

ストレス

ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、血管が収縮し、冷えを招く原因につながります。

冷え性の
自覚症状チェック

「冷え」の自覚症状がない場合でも、
「冷え性」になっていることもあります。
以下の項目をチェックしてみましょう。
1つでも該当する場合、注意が必要です。
3つ以上当てはまる場合は、
冷え対策をしましょう。

  • 暖かい気候なのに手足が冷える
  • 寝るときに靴下を履いている
  • 目の下にクマができやすい
  • 吹き出物ができやすい
  • お腹周りが冷たく感じる
  • 厚着しても体が冷える
  • どちらかと言うと痩せている
  • イライラし、落ち込みやすい
  • 寒い季節になると寝付きが悪くなる
セクション02

ウォーキングは冷え性の改善につながる?

冷え性の改善には、血行を促し、筋肉を増やしてエネルギー消費を増やしましょう。そこで、おすすめなのが、ふくらはぎの筋肉を鍛えられるウォーキングです。

ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、血液を心臓に戻す重要な役割を果たしています。足先は心臓から遠く、血流が滞りやすい部位ですが、ふくらはぎの筋肉を動かすことで、足の血液を心臓に戻すのに役立ちます。ウォーキングは、ふくらはぎの筋肉を強化し、血行を促進する手軽で効果的な運動の一つです。無理をせず、体調に合わせて取り組んでみましょう。ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、血液を心臓に戻す重要な役割を果たしています。足先は心臓から遠く、血流が滞りやすい部位ですが、ふくらはぎの筋肉を動かすことで、足の血液を心臓に戻すのに役立ちます。ウォーキングは、ふくらはぎの筋肉を強化し、血行を促進する手軽で効果的な運動の一つです。無理をせず、体調に合わせて取り組んでみましょう。

歩くときのポイント

目線はまっすぐに向ける 呼吸は無理せず自分のリズムで行う お腹に軽く力を入れる 歩幅をできるだけ広くする 背筋を伸ばす ひじはやや曲げて、腕を大きく振る かかとから着地し、つま先で蹴り出す 冬は防寒対策として手袋や帽子の活用がおすすめ!目線はまっすぐに向ける 呼吸は無理せず自分のリズムで行う お腹に軽く力を入れる 歩幅をできるだけ広くする 背筋を伸ばす ひじはやや曲げて、腕を大きく振る かかとから着地し、つま先で蹴り出す 冬は防寒対策として手袋や帽子の活用がおすすめ!

セクション03

食事での対処法は?

体を冷やさない食べ方や栄養素も摂り入れましょう。

体を冷やさない食べ物体を冷やさない食べ物

朝食を食べる

3食の規則正しい食事は大切ですが、その中でも特に朝食は重要です。朝食は、寝ている間に下がった体温を上げてくれます。

加熱して食べる

体を冷やしやすい生野菜や果物などは少なめにし、加熱調理(煮る・蒸す・炒めるなど)したメニューを中心に食べましょう。

よく噛む

食事中、体が温かく感じることがあります。これは、食べ物を摂ると、摂取した栄養が分解され、一部が熱となり体が熱くなる「食事誘発性熱産生」によるものです。食事をよく噛むと、この効果が高まり、体が温まりやすくなります。

おすすめの栄養素おすすめの栄養素

体を冷やさないおすすめの栄養素は以下の3つです。

たんぱく質

筋肉のもとになり、体が熱を産み出すのを助けます。

多く含まれている食材

肉・魚類、卵、大豆製品、乳製品など

メニュー例

豚肉や豆腐を入れた寄せ鍋、
鮭のホイル焼きなど

熱を作るために必要な酸素を運ぶ赤血球の材料になります。

多く含まれている食材

鶏レバー、あさり、ひじき、
小松菜、プルーンなど

メニュー例

小松菜と卵のスープ、ひじきの煮物など

ビタミンC

鉄は吸収率が低いミネラルです。摂取するときは鉄の吸収率を高めてくれるビタミンCも摂りましょう。

多く含まれている食材

春菊、ブロッコリー、いちご、
みかん、キウイフルーツなど

メニュー例

春菊の胡麻和え、ブロッコリーの
マヨネーズ和えなど

セクション04

お風呂上がりは、簡単セルフマッサージで血行促進!

お風呂上がりに足をマッサージすることもおすすめです。足先は心臓から遠く、冷えやすい部位なので、冷えを防いでくれます。

お風呂上がりにやってみよう!足先マッサージのやり方

両手で足の甲を包み、大きな円を描くように、交互にもみほぐす

親指で足の指のつけ根から指先まで優しくマッサージし、力を抜いてつけ根に戻す

親指で足の指の間に小さな円を描くようにもみほぐす

ワンポイントアドバイス

ボディオイルを足全体に優しくなじませると、マッサージがしやすくなり、同時にリラックス効果が高まります。

豆知識
「冷たい」の語源は、体の一部!?

「冷たい」という言葉は、実は「爪」に由来しています。かつて、冬の寒さが指先や足先の爪に痛みをもたらす感覚から、「爪痛し」と呼ばれており、その後、「冷たし」に変わり、現代の「冷たい」という言葉になったそうです。

まとめ

冷え性の方にとって、冬の寒さは辛いものです。ウォーキングや体を温める食事法などを取り入れて、冷え知らずの体を目指しましょう!

2023年12月公開

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