すこやかコラム 第43回

すこやかコラム 第43回
健康は“足の爪”から!歩行にも影響する「爪」の役割とは?

健康は“足の爪”から!歩行にも影響する「爪」の役割とは?

皆さんは「足の爪」について意識したことはありますか?手の爪よりも目立たないので、「伸びたら切る」程度の認識かもしれません。しかし実は、立つ・歩く・走る・踏ん張るなどの様々な動作を可能にしているのが足の爪なのです。
普段から意識的にケアをしないと巻き爪になったり、乾燥して割れたりして、ウォーキングが楽しめなくなってしまうかも。
今回は、足の爪の重要性や正しい爪の切り方などを紹介します。

セクション01

目立たないけどとても大切!足の爪が担う役割とは?

目立たないけどとても大切!足の爪が担う役割とは?

足の爪は「体重を支える」「体のバランスを保つ」「歩く・走る際に指先に力を伝える」「踏み込む・着地する・踏ん張る」など、姿勢の維持や歩行に関わる大切な役割を担っています。
それだけにトラブルもつきもので、特にウォーキングにおいては、自分の体重(自重)と地面に挟まれて爪が圧迫されるため、「巻き爪」や爪が皮膚に食い込む「陥入爪(かんにゅうそう)」といった爪の異常が発生しやすくなります。

足の爪の状態が悪いままウォーキングをすると、踏ん張りがきかなくなったり、健康な爪の方に体重のバランスが偏ったりするため、関節の歪みや姿勢の悪化といった二次的被害が発生します。そのまま放置すると、頭痛や肩こり、腰痛、外反母趾、O脚などになる可能性も。こうしたリスクを回避し、健康的に歩くためにも正しく足の爪をメンテナンスすることが重要なのです。

セクション02

ケガを減らして軽快に歩く!「正しい足の爪の切り方」

足の爪は自分の体重と地面の圧迫に耐えられる「スクエアオフ(スクエアカット)」を目指しましょう。スクエアオフとは、指のカーブに沿って切るのではなく、角を残して少しだけ丸めた四角い形のこと。この形は爪の端が皮膚に食い込みにくく、負担も少なくなるため、巻き爪や陥入爪などの予防につながります。
画像を見ながら、正しい足の爪の切り方を確認していきましょう。

正しい足の爪の切り方

爪の中心線を決め、真横から指を見たときに爪の先と指先の長さ(頂点)が同じになる位置を確認する。

1回で広範囲を切らないように、ab(右)→b(左)→c(右)→c(左)の順番で頂点から少しずつ切る。このとき、爪の先の白い部分を1mm程度残す。

スクエアオフの形になったら、仕上げに爪やすり(ネイルファイル)を使って形を整える。やすりがけの際は、指を固定し、やすりを一方向にまっすぐ動かすことがポイント。

NG例のような爪の角を大きく斜めに切り落とした「ラウンドカット(バイアスカット)」は、爪が圧迫された際に皮膚に食い込み、巻き爪や陥入爪の原因になってしまうので注意しましょう。また、爪は斜めに切ると丸く巻いていく性質があるため、巻き爪の原因になります。

足の爪は1日に約0.05mm、1カ月で約1.5mm伸びるといわれています。切りすぎると深爪になってしまいますが、伸ばしすぎても痛みや変形といった原因になるので、10日~2週間に1回を目安に切ることがおすすめです。

セクション03

こんな爪の状態は要注意!毎日のケアで健康な爪を維持しよう

爪は切るだけでなく、日々のケアも大切です。下記のような症状がある場合は、爪の切り方や歩き方などに原因があるかもしれません。症状別に対処法を見ていきましょう。

巻き爪や陥入爪になっている、なりかけている
原因

爪を深く切りすぎてしまい、皮膚が爪を支えきれずに食い込んでいる可能性があります。また、正しい歩き方ができていなかったり、靴が足に合っていなかったりすることも考えられます。

正常な爪 巻き爪 陥入爪
対策

深爪用の爪切りや爪切りニッパーなどを使用し、正しい切り方を実践してみましょう。
痛みがあまり出ていない、もしくは症状が軽度の場合は、爪と皮膚の間にコットンを挟んで痛みを和らげる「コットンパッキング」や、皮膚を引っ張って食い込みを緩和する「テーピング」などを実施し、爪の端が指の外に出るまで伸ばすことで改善が期待できます。
また、正しい歩き方を実践したり、フットケア効果のあるインソールを使用したりして、爪への負担を減らすことも効果的です。

コットンパッキング テーピング
爪に筋が入っている、二枚爪になっている
原因

爪の水分量や栄養が不足し、乾燥している状態です。また、「指に物を落とす」「指を強くぶつける」「マニキュアの塗布」などの外部要因や老化により、爪にダメージが加わっていることも考えられます。
※二枚爪:爪の表面が先端の方で薄く剥がれてしまう状態

筋が入った爪 二枚爪
対策

爪は「ケラチン」というたんぱく質を主として構成されています。たんぱく質やその吸収を助ける効果のあるビタミンやミネラル、亜鉛、鉄分といった栄養を摂取できる食事を心がけましょう。
爪が乾燥しないようにネイルオイルなどで保湿したり、爪に負荷がかからないような切り方を意識したりすることも重要です。爪を切る際、ピンク色の部分が白くなっていたら、負荷がかかっているサインです。爪と平行に刃を当て、ゆっくりと切り落としましょう。お風呂上りなど、爪がやわらかくなっているときに切ることもおすすめです。

ミネラル ビタミン
こんな爪の状態は要注意!毎日のケアで健康な爪を維持しよう

また、これらの対応は早期の対策で予防できるものもありますが、中には病気に発展するものもあるので、巻き爪や陥入爪がひどい場合や爪の病気が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

まとめ

足の爪はウォーキングだけでなく、日常生活のあらゆる動作を文字通り“支えている”縁の下の力持ちです。日頃から爪の状態をチェックして正しく爪を切り、足から健康的な毎日を目指しましょう!

豆知識
猫はなぜ爪とぎをするの?

ネコ科の動物が爪をとぐのは、古くなった爪を剥がしていく形になっているから。狩りをする動物の猫は下から生えてくる新しい爪を常に用意することが大切なのです。また、犬は人間と同じように爪が伸びていく構造なので、爪とぎはしません。イヌ科の動物は狩りの際、噛みついて狩りをするので爪はとがないのです。

2022年10月公開

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