すこやかコラム 第42回

すこやかコラム 第42回
靴底チェックでわかる!健康を左右する「良い歩き方・悪い歩き方」

靴底チェックでわかる!健康を左右する「良い歩き方・悪い歩き方」

「首や肩が凝る」「なんとなく疲れる」と感じる原因は、姿勢の悪い歩き方のせいかも。そのままにしておくと、骨格のゆがみや筋肉の衰えなどが進み、疲れやすくなったり、病気になったりする可能性が高まります。
健康維持のためには、正しい歩き方を実践することが重要。今回は、日頃の自分の歩き方を確認できる「靴底チェック」や、運動効率を上げる正しい歩き方のために普段からできることをご紹介します!

※新型コロナウイルス感染防止のために必要なことや周囲の人にもご配慮いただいた上で、安全・安心にウォーキングに取り組んでください。
新型コロナウイルス感染対策 スポーツ・運動の留意点と、運動事例について(スポーツ庁)

セクション01

日本人は歩き方が下手!?正しく歩くことの重要性とは

日本人は歩き方が下手!?正しく歩くことの重要性とは

「猫背」「内股」「膝を曲げて歩く」「足を引きずって歩く」、どれか一つでも当てはまった場合は歩き方が悪くなっているのかもしれません。欧米をはじめとする海外の人の歩き方は「背筋を伸ばし、足を振り上げて大股で歩く」ことが基本ですが、日本人は「前かがみで、足を引きずりながら小股で歩く」ことが多く、世界的に見ても姿勢が悪い、歩き方が下手と言われています。

これには、稲作における低い姿勢の維持や着物文化による「ナンバ歩き」といった、日本の長い歴史の中で定着した歩き方が根本の原因と考えられています。また現代においては、運動不足や加齢による筋力低下、スマホやタブレットの普及によって増加している「ストレートネック」いわゆる「スマホ首」などが原因として挙げられます。

日本人は歩き方が下手!?正しく歩くことの重要性とは

こうした悪い姿勢を続けて猫背が進行すると、軽度では体力の低下や首・肩の凝りといった症状があらわれます。重度になると、脊柱が前に倒れた状態になり、骨折や誤嚥を引き起こす「円背(えんぱい)」や「うつ病」といった心身に関わる病気を引き起こすリスクが高くなります。また、せっかく健康のためにウォーキングをしても、悪い姿勢のまま歩くと逆効果になる可能性も。病気や怪我を未然に防ぎ、健康的な毎日を送るためには、正しい歩き方を実践することが重要です。

セクション02

あなたの歩き方は大丈夫?靴底を見て確認しよう!

姿勢は鏡でチェックできますが、歩き方はチェックしづらいもの。そこでおすすめしたいのが、「靴底チェック」です。ご自身の靴底を見て、5つのどれに当てはまるかチェックしてみましょう。

靴底チェック
かかとのやや外側・つま先の内側がすり減っている(正常)

足の運び方を考えると、かかとで着地し、足全体を使って地面を踏みしめてつま先から離れます。その際、大きな力がかかるのはかかとの外側とつま先の内側だけ。この靴底の場合は正しい歩き方ができています。

足指の付け根(中心部分)がすり減っている(要注意)

猫背で膝を曲げて歩いており、靴が足のサイズに合っていないので靴の中で足が滑っている状態です。外反母趾や膝への負担増加などが懸念されるので、サイズの合った靴に変える、靴紐をしっかり締めるなどの対策を行いましょう。

かかとが内側にすり減っている(要注意)

体重が足の内側にかかり、ハの字に倒れた状態です。内股歩きやX脚などが疑われ、内側の側面も減っている場合は扁平足の可能性もあります。この状態が続くと外反母趾やウオノメ、巻き爪などが懸念されるので、インソールを変えて体重分散を試みたり、足全体で着地したりするように心がけましょう。

かかとと側面が外側にすり減っている(要注意)

O脚やガニ股の人に多く見られるすり減り方です。体のバランスが悪く、足首や膝が外側に傾いている状態です。骨盤や股関節への負荷が重いため、この状態が続くと将来的に変形性膝関節症が懸念されます。つま先を真っ直ぐ向けて歩く、股関節を少し内側に倒して歩く、などを意識して歩いてみましょう。

左右非対称にすり減っている(要注意)

過去に大きな怪我して手術をしたことがある方や、先天的な理由などで左右の脚の長さが違う人に見られるすり減り方です。片方の足に極端に負担がかかっている場合があるため、整形外科などで相談することがおすすめです。

セクション03

正しい歩き方のために普段からできること

そのほかにも、次のような歩き方は、靴底が減る原因になります。家族や友達に歩き方を見てもらい、指摘された項目がある場合は、過去にご紹介した「いつでも、どこでも、誰でもできる!健康のためにウォーキングをはじめよう」で正しい歩き方を確認してみましょう!

NGチェック

正しい歩き方をしましょう!と言われてもすぐにはできません。肝心なのは「意識する」こと。日々の生活の中で少しでも姿勢や歩き方に気になる点があれば、次のようなことを意識して実践してみましょう。

  • 軽い体操やストレッチを行い、関節や筋肉の柔軟性を高める
  • 出掛ける際には、姿見やショーウィンドウなどを見てこまめに姿勢を確認する
  • 靴を引きずって歩かないように足を上げて歩く
  • 定期的に靴底の減り方を確認する習慣をつける
  • ウォーキングの際はNGチェック項目を意識して矯正する
まとめ

正しい姿勢を意識・維持して正しく歩くことは、ウォーキングの効果を高めるだけでなく、病気の予防にもつながります。手軽にできる靴底チェックや、家族や友達とできるチェックなどで自分の歩き方を確認し、健康的な毎日のために、今日から正しい歩き方を実践してみましょう。

豆知識
おへその下を意識すると姿勢が安定する!

歩くときは、おへその下あたりをキュッと締めるイメージを持つと、体幹が支えになり、姿勢が安定します。ちょっとしたコツでさらに良い歩き方につながるので意識しましょう。

2022年9月公開

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