すこやかコラム 第24回
「坂道ウォーク」で運動効果アップ!
全国のオススメ坂道と疲れない歩き方
街中を歩いていると、緩やかな坂から急な坂まで、さまざまな坂道に出会います。足が疲れる、痛くなる…と敬遠してしまうこともありますが、坂道を歩くと適度な負荷がかかり消費カロリーも増えるので、トレーニングとしても最適!今回は、思わず歩きたくなる坂道の名所と、疲れにくい坂道歩きのポイントをご紹介します。
※新型コロナウイルス感染防止のために必要なことや、周囲の人への配慮いただきたい点を踏まえた上で、安全・安心にウォーキングに取り組んでください。
新型コロナウイルス感染対策 スポーツ・運動の留意点と、運動事例について(スポーツ庁)
上ってみたくなる日本全国オススメの坂道
テレビや雑誌で話題になった、景色が良い坂道や勾配が急な坂道など、一度は上ってみたい日本全国の「坂道の名所」をご紹介します。
「日本一の急坂」だと言われているのは、大阪府と奈良県の県境にある国道308号線の峠道「暗峠(くらがりとうげ)」です。坂道の勾配は「%」で表し、数字が大きくなるほど勾配が急になりますが、暗峠の最大勾配は37%で日本最大値です。
また、東京都東大和市の狭山丘陵の住宅街の中にある坂道も、同様に37%の勾配があります。あまりに急なため、一部のエリアでは自動車での通行が禁止されているほどです。
鳥取県と島根県の県境にある江島大橋は、通称「ベタ踏み坂」。アクセルをベタ踏みしないと上れないと話題になりましたが、実際の勾配は6.1%とそこまで急ではありません。CMの撮影時では、望遠レンズのズーム撮影で実際よりも急坂に見えるように撮影したというのが真相だそうです。
「坂の街」長崎には、観光名所になっている「オランダ坂」をはじめ、街中至るところに坂道があります。あまりに坂道が多く自転車で通行することが難しいため、長崎県の1世帯当たりの自転車保有台数は全国最下位だと言われています。
坂道ウォークは運動効果が高い!
平坦な道を歩くより、坂道ウォークは当然のことながら足が疲れます。それはつまり、運動強度が高く消費エネルギーも大きいということです。
国立健康・栄養研究所「身体活動のMTSTs表」(2012年4月11日改訂版)によると、6%以上の勾配で平坦な道でのウォーキングよりも約2倍の運動強度が高いことがわかります。
歩行(運動目的)/時速 | 地面の勾配 | 運動の単位※ |
---|---|---|
5.6km/時 | 平らで固い地面 | 4.3 METs |
4.7-5.6km/時 | 上り坂、1-5%の勾配 | 5.3 METs |
4.7-5.6km/時 | 6-15%の勾配 | 8.0 METs |
※METs:椅子に座って安静にしている状態を「1METs」として運動の強度を示す。
エネルギー消費量(kcal)は「体重(kg)×1.05×METs×時間」で計算できます。たとえば体重60kgの人が時速5.6kmで20分間歩いた場合、
このように平坦な道と坂道では、消費カロリーにも大きな違いが出ます。
坂道でも疲れにくい姿勢をマスターしよう
運動効果が高くても、足が疲れるから坂道はイヤ…という方は、坂道でも疲れにくい歩き方や姿勢をマスターしましょう!
鍛えられる筋肉
・ももの前側にある大腿四頭筋
・ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋
鍛えられる筋肉
・お尻の臀筋群
・太ももの後ろ側にある大腿二頭筋
・すねの前脛骨筋
いきなり傾斜のきつい坂道に挑戦すると、膝に負担がかかり足を痛める原因にもなります。まずは傾斜の緩やかな坂を選んで始め、徐々に慣らしていきましょう。
そして、坂道に限りませんが、歩く前後にはストレッチと水分補給を忘れずに行ってください。
魅力的な風景に出会え、さらに運動効果も高い坂道。疲れにくい姿勢や歩き方を意識しながら、積極的にウォーキングコースに取り入れていきましょう!身体的負担に不安がある方や持病がある方は、医師などに相談の上、実施してください。
歩くときには新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、「1人で行う」「人が多い時間帯や場所を避ける」「他の人と距離(2m以上)をあける」などを心がけましょう。マスクも着用するようにしてください。
2021年3月公開