すこやかコラム 第14回

すこやかコラム 第14回
ボルダリングの魅力と健康効果

ボルダリングの魅力と健康効果

春になると何か新しい習慣やスポーツにチャレンジしようと考える方も多いのではないでしょうか。健康づくりを意識している方におすすめなのが、競技としても注目度の高いスポーツクライミングのうちの1つ、「ボルダリング」です。競技観戦の楽しみ方、幅広い年代に親しまれる魅力と健康効果についてご紹介します。

セクション01

ボルダリングってどんなスポーツ?

ボルダリングってどんなスポーツ?

スポーツクライミング競技の誕生は20世紀後半で、険しい山や岸壁などを登る際の登山方法の一種であるロッククライミングが起源となっています。
最近よく耳にするボルダリングは、スポーツクライミングの一種で、ロープなどを使わずに低めの岩や人工の壁を登る種目のことです。

ジム内にあるカラフルな石が埋め込まれた壁を登っている様子を、街なかやテレビで見た人もいるでしょう。これがいわゆる「ボルダリング」で、愛好者は推定で60万人に上ると言われています。

セクション02

スポーツクライミングを観戦してみよう

スポーツクライミングを観戦してみよう

注目される日本人選手も多く、ニュースでもよく取り上げられるスポーツクライミング。観戦するときの見どころをご紹介します。登るだけの競技と思われがちですが、実は、跳躍を駆使したダイナミックな動きで課題をクリアしていく様子や、俊敏な動きなど、見ているだけで手に汗握る競技です。頻出ワードなども知っておけば、より楽しく観戦できるようになります。

これだけは知っておきたい頻出ワード
これだけは知っておきたい頻出ワード
競技のルールと見どころ
スピード

スピード

ルール

高さ15mのあらかじめ決められたコースを2人の選手が同時に登りスピードを競います。

見どころ

瞬間的なエネルギーと筋力が求められ、重力に逆行してものすごい速度で登るのが見どころです。
自己ベストは出ないけれどミスの少ない手で行くか、ミスを覚悟で自己ベストを狙うかが、勝負を左右するポイントになることも。

ボルダリング

ボルダリング

ルール

高さ5mの壁を制限時間の4分以内にいくつ登れるかを競います。

見どころ

手が離れて落下してしまっても、制限時間内であれば何度でもチャレンジできますが、時間内にさまざまな制限をクリアすることが必要です。選手のダイナミックな動きを一番見られる種目でもあります。

リード

リード

ルール

制限時間内に高さ12m以上の壁のどの地点まで登れるかを競います。競技時間は1つのルートにつき6分間です。

見どころ

一手一手の難易度はそれほど難しくはないものの、持久力と戦略、慎重さが求められます。3種目中で最もロッククライミング感がある競技です。

セクション 03

ボルダリングの健康効果は?

ボルダリングの健康効果は?

ホールドをつかんで登るというボルダリングは、バランスよく全身の筋肉を鍛えることができ、体型維持を目的としたシェイプアップにも効果的です。また、大きく足を広げたり、体を伸ばしたり縮んだりといった動作をすることで股関節や肩甲骨を稼働させるので、全身のストレッチ効果もあります。

ボルダリングは有酸素運動(水泳・ランニングなど)と無酸素運動(筋トレなど)が組み合わさった運動なので、脂肪燃焼と筋力アップの両方が期待できます。カロリー消費も30分ランニングしたときと、30分ボルダリングをしたときと、ほぼ同等の消費量(※)です。

※女性(体重52kgの場合)の消費カロリー/30分 : 約191kcal
 男性(体重65kgの場合)の消費カロリー/30分 : 約239kcal

豆知識
キング・オブ・スポーツ「近代五種」

スポーツクライミングの知名度は上がりましたが、競技としてはまだマイナースポーツです。そして、マイナースポーツの代表格といえば「近代五種」。ご存知の方は少ないのではないでしょうか?「近代五種」とは、1人で「フェンシング・水泳・障害馬術・射撃・ランニング」の5種目を連続してプレーする競技です。試合時間はおおよそ丸1日もなります。

  1. フェンシングランキングラウンド(エペ)
    戦う種目は全身が有効範囲で、先に相手を突いた方が勝ちとなる「エペ」。1分間1本勝負で出場選手が総当たりで試合をします。

    ■得点基準
    ・勝率70%で250点
    ・70%を上下することで点数も変動する(出場人数により変動する点数も変わる)

    フェンシングランキングラウンド(エペ)
  2. 水泳(200m自由形)
    男女ともに、200mを2分30秒でゴールすると250点を獲得できます。この2分30秒を基準に、±1秒毎に2点が増減するルールです。

    ■得点基準
    ・2分30秒で250点
    ・2分30秒±1秒で±2点変動

    水泳(200m自由形)
  3. フェンシングボーナスラウンド(エペ)
    フェンシングランキングラウンドの順位が下位選手から順に30秒1本勝負。

    ■得点基準
    ・1勝につき1点獲得
    ・ランキングラウンドとボーナスラウンドの合計点がフェンシングの得点となる

  4. 障害馬術
    馬を操り、計12個の障害物(最高高さは120cm)を飛び越える種目。騎乗馬は貸与され、抽せんにより決定します。

    ■得点基準
    ・300点満点からの減点方式
    ・拒止(障害の前で止まる)・逃避(障害を避けてしまう)は10点、障害の落下は7点減点

    障害馬術
  5. レーザーラン(射撃5的+800m走を4回)
    水泳・フェンシング・馬術の合計点を1点=1秒として、上位の選手からタイム差でスタートします。射撃は制限時間50秒以内で10m離れた約6cmの的に5発命中させなければいけません。射撃が終わると、800mのランニング。これを4回繰り返し、最初にフィニッシュラインを通過した選手が優勝です。

    ■得点基準
    ・3種目での合計得点を1点=1秒とし、点数差によりトップからスタート
    ・射撃とランニングの合計時間をもとに点数決定
    ・基準は、13分20秒=500点

    レーザーラン(射撃5的+800m走を4回)

各種目に技術を求められるだけではなく、系統の異なる種目をバランスよく行う総合身体能力が必要となります。体力はもちろん、強い精神力でコントロールできた選手だけが頂点を目指すことができる、まさに「キング・オブ・スポーツ」という名にふさわしい競技です。

2020年4月公開

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