すこやかコラム 第12回
実は男性にも多い“隠れ冷え症”!?
冷えない体を手に入れる「温活」のススメ
寒い季節になると「冷え」が原因の不眠や疲労感に悩まされている人はいませんか? 冷え症は決して女性特有の症状ではなく、冷え症とは無縁とも思われる男性も加齢とともに冷えやすくなるので要注意です。冷え対策として注目の「温活」についてご紹介します。
もしかして「隠れ冷え症」かも!?
手足が冷える人だけが冷え症というわけではありません。自覚症状がない「隠れ冷え性」の人は意外と多いのです。手足の冷え以外にも、お腹や下半身の冷えによって「手足のほてり」「肩こりや頭痛」「疲労感」といった症状が起こります。これらの症状が出る人は、実は隠れ冷え症なのです。次のチェックリストに心当たりがある人は、隠れ冷え症かもしれません。
いかがですか?慢性的な冷え症に悩んでいる人は、温活で体内の温度を上げて冷え対策をしましょう。効果的に行うには、「食事」「運動」「入浴」の3つの方法があります。順に見ていきましょう。
体を温める食材と温活レシピ
体を温める食材を積極的に摂ることで、冷えを体の内側から改善しましょう。水分が少なくビタミン・ミネラルが多い根菜は代謝をアップさせる効果、熱として消費される「食事誘発性産熱量」が多いたんぱく質などは、内臓を温める効果が期待できます。しょうが・シナモン・唐辛子などの香辛料は血行促進や発汗作用などの効果があります。冬には、これらの食材を鍋やスープにして食べると体の中からぽかぽかしてきます。
しょうがは内臓を温めて血行を促進し、基礎代謝を高めてくれます。すりおろしたしょうがを使った紅茶は簡単に作れるので、忙しい朝や寝る前などがおすすめです。
【作り方】
(1)ティーカップに紅茶パックを入れ、お湯を注いで3分ほど待ちます
(2)紅茶パックを取り出して、すりおろしたしょうがを入れてかき混ぜたら完成
温活ストレッチで冷え症を改善
体が冷えて体温が下がると、基礎代謝も低下します。体温が1℃下がると、基礎代謝は12%、免疫力は30%も落ちてしまうと言われています。基礎代謝を上げるには、筋肉を増やしましょう。体全体に血液を送り出す役割を持つため、筋肉をつけると全身の血行が改善され、基礎代謝がアップするというわけです。
しかし、年齢を重ねると筋肉が衰えて基礎代謝が落ち、冷えを助長します。自宅でできる温活ストレッチで筋肉をつけて、代謝を上げましょう。
筋肉量を増やし血流を改善するには、大きな筋肉が集まる下半身を鍛えるのが効果的です。
毎日運動するのが大変という人は、1日おきでもOKです。「もっと本格的に筋肉をつけたい」「健康効果を高める運動で体を温めたい」という方は、毎日の通勤や休日にウォーキングを取り入れましょう。
→ウォーキングを楽しむポイントや健康効果はこちらをチェック
冷え症対策の鉄板!天然温泉で温活
体をダイレクトに温める入浴は、温活に最適です。特に家庭のお風呂よりも湯冷めしにくい「天然温泉」は、温活にうってつけです。その保温効果は、温泉水に含まれるミネラルによるもので、皮膚表面を膜のようにコーティングし、熱を内側に閉じ込めて体温を下がりにくくします。
お湯のお風呂との違いは、温泉水に含まれる化学成分です。日本にある温泉の泉質は10種類ありますが、特に冷え症への効果が高いと言われるのは、「単純温泉」「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」といった泉質です。温活で温泉を利用するときは、泉質にも注目してみましょう。
入浴するときは、体を温度に慣らすためにかけ湯をし、半身浴から始めるようにしましょう。浴槽の縁に頭を乗せ、下半身を伸ばして体を浮かせるように横たわるのもおすすめです。お湯から出たら、温泉の成分を流さないよう、シャワーは浴びずに体を軽くタオルで拭う程度ですませます。入浴前と入浴後の水分補給も忘れずに。
これからますます寒さが厳しくなる季節、体の不調を引き起こす「冷え」を改善するには温活がおすすめです。体を温める食材、血行を促進して代謝を上げる運動、冷えた体を芯から温める入浴を取り入れて、冷えと疲れ知らずの冬をお過ごしください。
日本温泉協会「温泉名人」というサイトをご存知ですか?温泉で注意する情報のほか、温泉の泉質や適応症と禁忌症、メカニズムまで幅広い情報が紹介されています。
なかでも便利なものが「温泉地検索」機能。都道府県と泉質をあわせて検索できるため、行きたい泉質から旅行先を決めることもできます。さらに「施設検索」を活用すれば、もっと細かく検索できるため、希望の温泉宿を見つけられるかもしれません。
また、旅行会社やOTA(オンライン・トラベル・エージェント)が選ぶ人気温泉地ランキング「第33回にっぽんの温泉100選(2019年)」が発表され、草津温泉(群馬県)が2003年の第17回から17年連続で1位となりました。泉質は「酸性泉」で、今回ご紹介した泉質とは異なりますが、疲労回復や健康増進に効果があると言われています。
この冬、訪れてみてはいかがでしょうか?
2020年2月公開
出典:
・「かくれ冷え性」って知ってますか?(日本オプティマルヘルス協会)
・隠れ冷え性チェックリスト(監修/全国冷え性研究所)
・冷え性対策|「根菜類」 身体を温める野菜(せたがや日和)
・糖尿病の「冷え」を6つの改善策で克服 動脈硬化が隠れていることも(糖尿病ネットワーク)
・「生姜紅茶」で痩せ体質に!1日1杯から出来る簡単ダイエット(モデルプレス)
・冷えの専門医と始める、オトナの体温を1℃上げる「温活」(P&G Japan)
・冷え性の原因を”温活”で撃退! 上手にカラダを温めるコツ(エステー株式会社)
・温泉名人(日本温泉協会)
・入浴時の注意点・正しい温泉の入りかた(一般財団法人日光市公共施設振興公社)
・草津温泉17年連続1位 「第33回にっぽんの温泉100選」(日本観光経済新聞)